ふつうがえらい (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.67
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本棚登録 : 461
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101354118

作品紹介・あらすじ

私嘘つきなの。嘘つくの大好きなの-そう言って、佐野洋子はふっふっふっと笑う。オンオン泣いて、ゲラゲラ笑い、ホンネを吐いて生きるのを楽しむ。「正義」ってものが大嫌いで、好きな人とはめっちゃくちゃ愛しあう。ハハハ、だって勝手じゃん。嘘のようなホントもあれば、嘘よりすごいホントもある。男も女も子供も読め、涙がでるほどおもしろい、元気がでてくるエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 全体的には隣に座って世間話を聞いているような、著者の人生とその日常から湧き出てきた想いというものが、極めて個人的に綴られている。急所をズバッと見抜くその鋭い目とストレートな筆致は本書でも相変わらずで、特に印象に残ったのは「人を宇宙にまで飛ばしたが、そんな事をして人間はいいのだろうか」という言葉。確かに現代人は貪欲なのかもしれない。欲張りすぎて人間の個性や限界すら分からなくなってきているのかもしれない。本書を読んでいると、仏教の中道という言葉が心に浮かんでくる。現代の価値観で構築されたシステムの中で生きていかなければならない現実はあっても、押し流されて何かに偏りすぎることもなく、いい塩梅で人生を送れたらと思ったのだった。

  • 洋子さんのお友達の話として紹介されていた、「二十六万円の羽根ぶとんの快楽」に感銘を受けた…!
    この先の人生に、ひんやりやわらかい高級羽根ぶとんにくるまって眠る日が待っていることを思えば、たしかに勇気が湧いてくる。
    このアイデアは是非真似しようと思った。

    確かにとても女性っぽい内容に、ウンウン頷きながら、とっても面白い。バランスのよさ、鋭さが気持ちいい。
    愛に満ちたひねくれもののお姉さん、大好きだ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「バランスのよさ、鋭さが気持ちいい」
      エッセイは、いつもワぁ~って思いながら読みました。ホント歯に衣を着せない方でしたね。
      イラストの方がと...
      「バランスのよさ、鋭さが気持ちいい」
      エッセイは、いつもワぁ~って思いながら読みました。ホント歯に衣を着せない方でしたね。
      イラストの方がところどころ、照れ隠しがあるように思うのは考え過ぎ?
      2012/07/09
  • エッセイといえば、野田秀樹の「ミーハー」が一番と思い続け、今まで他のエッセイには、手を伸ばすことなく過ごしてきた。
    とはいえ、それなりの年数も経ったので、そろそろいいだろうと…。
    (って、わけでもないが。実際「ミーハー」は、今読んだらどうなのだろう?確か絶版で、家にも見当たらない…)
    で、佐野さんの「ふつうがえらい」。むぅ~!おもしろい!
    斜に構えて、エッセイから遠ざかっていた年月が実に惜しい。
    「正義が嫌い」と言ってのける勇気。私も!!!!
    「確信に満ちている人が嫌い」私も!!!!
    思っていても、なかなか口に出せないことを、すっきりはっきり言ってくれる、そんな佐野さんのエッセイ集。(佐野さん曰く「世間話」)
    中でも「あ~、かわいい」が、大好き。
    常々、子供をみて「かわいい~!」という女性たちを細ーい横目で見ていた者としては、なるほど納得。
    そうか「子供インラン」か!
    そう考えれば、私はさしずめ「子猫インラン」かな~♪
    佐野さんと同世代だったら、今後ももっと楽しめたのかと思うと、残念でならない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「すっきりはっきり言ってくれる」
      歯に衣を着せぬ素晴しい人でした。もう少し色々書いて欲しかったなぁ~
      「すっきりはっきり言ってくれる」
      歯に衣を着せぬ素晴しい人でした。もう少し色々書いて欲しかったなぁ~
      2013/06/26
  • 一編ずつのまとまりが良い短編集。親子のあり方、恋愛と結婚、美術についてなど話題が豊富。
    先鋭的なフェミニズムからは少し距離を置きつつ、昭和当時のジェンダー的な事などに問題提起をしてます。全く押し付けがましくないのが素晴らしい。

  • 恋について、子どもについて、
    説得されてしまった気分。
    でも、これが自分の母でも、恋人の母でも、
    どっちもちょっと嫌だな、とは思った。
    近くにいないので、ステキと言っていられる。

  • 非合理的でスマートじゃなく人間くさい。その上、なんて肝が座ってて可愛らしい方なのだろう

  • 解説では心理学者の河合さんが巧く纏めてくれていますが、正直このエッセイで語られる「ふつうがえらい」の「ふつう」は、ごくごく主観的なものであって、一般的になぞらえる物ではありません。
    人生を懸命に生きている人々は殆どが自分を「ふつう」だと思っていると思う。主観的にそう思っている。相互に主観同士なのだから、誤解を招いたり文章を読んで傷つく人もいるだろうと思った。
    ご本人があとがきで「自分は絵本作家だから雑文の内容に責任は取らない」と仰っている。だから私もこの文章を真面目に捉えたくないと思ってしまった。

  • 絵本作家佐野洋子さんのエッセイ

    人生を振り返りつつ、日常に疑問を投げかける。
    人間の性を俯瞰したような言葉を経験則から面白く言語化して、毒づいている。
    人間の性を毒づきながらはた、と自分もそうだと気付いたり。
    ほんわかするようなタッチだけど的を射ている。
    すごーく考え方や生き方について、学ばせてもらったような気がする。
    ゆるーく人生について学べたかな。

  • 自然体でいて己を貫く歯に衣着せぬ言葉に、思わずふふふと笑ってしまった(*´-`*)ゞ面白かった!

  • 佐野洋子さんに触れはじめて何年も経たないのだけど、あー…出会ってしまった、と思えた本だった。

    世界の見方、生き方、心の中のぼやきは、わたしにとって魂の友とも言えるような価値観。
    ものすごくすきだ、うん、本当に、大好きな作家だと言える。

    わたしだけじゃないんだな。

    今回は、五分の旅、がものすごく心に刺さった。
    確認したい、そのために旅に出る、旅が好きになれる。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家、エッセイスト。おもな著作に、絵本『100万回生きたねこ』『わたしのぼうし』、童話『わたしが妹だったとき』、エッセイ『神も仏もありませぬ』など。2010年没。

「2019年 『はればれ、お寿司 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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