シズコさん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 667
レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101354156

感想・レビュー・書評

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  • 佐野洋子さんの母親への思いを語った随筆。私もいつか雪解けのように母への冷たく硬い感情が解けることがあるんだろうか。

  • とても苛烈な言葉で綴られた、母に関するエッセイ。

    幼少期に手をつなごうとして、振り払われたトラウマ。
    それによって、母の愛を感じられなくなってしまう・・・

    愛憎という表現がぴったりであると思う。

  • 914.6 サ 登録番号8364
    図書部書店選書(夏季)

  • この作者の「100万回生きたねこ」は号泣してしまって,とてもじゃないけど読み聞かせができません。
    「シズコ」さんは,汽車の中で読んでいて,知らないうちに涙が出ていました。
    はずかし・・・。
    泣ける本です,とはお勧めしたくない。ものすごく,人間くさい本でした。

  • 五十年にわたる母との葛藤、それが解かれたとき、母は小さくなっていた。そして、母を見送った記憶も定かでないほど、洋子さんもお母さんに近づいていた。ありがとう、という言葉を遺して。
    ゆるすことの痛み、ゆるすことによって与えられた力の不思議さ。時を超えた浄化と再生のものがたり。

  • 母と娘の関係とは、こんなにも複雑だったんだ。何度も「母を捨てた」と書いている著者。母を愛せないと自責の念に駆られること自体、愛している証なのでは・・・。って、そんな単純じゃないか。

  • 日経WOMAN1月号の特集、読書企画
    ここで紹介されていなかったら、きっと一生手に取ることはなかった作家
    2010年11月、お亡くなりになってしまった作家
    絵本「100万回生きたねこ」を描いた作家

    何で亡くなってしまったのか・・・
    もっともっと佐野さんが書いた本を読みたいと思った
    思ったけど、もう遅い・・・

    衝撃的だった・・・
    なんだか分からないけど、打ちのめされた
    こんなにオープンに自分の中のドロドロしたモノを
    「さぁ、見ろ!」的に書いている
    あまりにも正直過ぎて、ひりひりとその痛さが伝わってくるようだった

    でも、その痛さにちょっとホッとしたのも事実
    そっか、良いんだ、母親に家族にそういう思いを持っても・・・
    家族だからって、気が合わない、どうしたって分かりあえないことだってある
    いや、家族だから妙にドロドロしてるのかも知れない

    変なもので飾らない、正直な、正直過ぎる・・・
    でも、すごくカッコいい・・・

    「シズコさん」を読めたこと感謝だな
    偽善的なものが一切ない、切なさも愛しさも悔しさも哀しさも・・・
    何十年も生きてる間に降り積もった感情をありのまま書いてある
    「許しなさい、許せば楽になれる的」な、「そんなの無理だってばさ」って事は一切書いてない

    ひとつだけ悲しいのは、佐野さんはもういないってことだな・・・

  • 佐野洋子の自叙伝です。シズコさんは彼女の実の母。 親は選べないとはよくいわれる言葉、しかし、本当は選んで生まれてくるのではないか・・と読み終えて思う凄まじい母娘の関係がありました。 彼女の記憶では4歳位のとき、手をつなごうとした彼女の手を”チッと舌打ちして振り払った”というのがシズコさん、「私はその時二度と手をつながないと決意した。・・」とあるから、その後の母娘関係は想像するに難くない。 彼女の回想は自分が還暦を迎える年齢になり、彼女が自責の念からお金を 出し高級な老人ホームへ入っているシズコさんを見舞う様子から始まっている。シズコさんはすっかり呆けてしまい、娘かどうかの区別ももはや定かではない。 これは佐野家の一族の物語です。 家族は人格を育む最少の社会だが、その親子関係は夫婦の仲、兄弟関係・・祖父や祖母、伯父、伯母・・・ 生まれおちた時に既に形成されている濃密な血縁関係の渦の中で作り上げられる。 幼い子供を3人失くし、5人の子供を育て上げた主婦としては優秀で たくましかったシズコさん。現実的で享楽的だが情に薄い・・・ 母の生き方を回顧するに洋子さんは、「私は母を母としてでなく人として 嫌いだった・・」と告白している。 自分だけが母をキライなのか・・とか疎ましく思うのか・・と密かに悩む 女性は洋子さんが”発見”したように”想像を超えて沢山いる”のだろう。 実の親子だからうまくいくのではなくその反対が正解なのだろう。 それだからこそ、そこに生まれ落ちる。そしてどういう最後を迎えるのか・・ 誰もが宿題を抱えて生きているのでしょう。 終わりよければすべてよし・・人生のしめくくりにこの言葉をつぶやくことができれば上出来ですね。

  • 身内のことをここまで書いちゃうなんて凄いな。
    本音で書いているから、嫌いだった母親が呆けて好きになったという経緯も、しみじみと受け容れられる。
    佐野さんの言葉には嘘がない、それもまた凄い。

  • 確かにこんなお母さんは嫌だ。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家、エッセイスト。おもな著作に、絵本『100万回生きたねこ』『わたしのぼうし』、童話『わたしが妹だったとき』、エッセイ『神も仏もありませぬ』など。2010年没。

「2019年 『はればれ、お寿司 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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