あの日の僕らにさよなら (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101354835

作品紹介・あらすじ

桜川衛と都築祥子。共に17歳。互いに好意を抱きつつも、一歩踏み出せずにいた。ある夜、家族不在の桜川家を訪ねた祥子は偶然、衛の日記を目にする。綴られる愛情の重さにたじろいだ祥子。何も告げず逃げ帰り、その後一方的に衛を避け続け二人の関係は自然消滅に…。あれから11年。再会を果たした二人が出した答えとは-。

感想・レビュー・書評

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  • コダーイを知っている人がいるなんて考えたこともなく、音楽やクラシックが織り込まれたとはいえマニアックなところがマッチしてしまいました。立教大学社会学部卒業といった経歴も惹かれました。

  • あえてそう書いてるんだろうし
    表現力はすばらしいんですが
    けっこういろいろ気持ち悪かった・・

    でも全体通してのメッセージは響くもので
    人生を振り返るきっかけになったし
    後悔しててもしかたないよねって思えた。

  • わたしはあまり「昔の恋人に電話したく」ならなかったかな。
    まあそれぞれ。

  • 青春小説。「昔の恋人に電話したくなる」という惹句で売られていたようだが、まあその通り昔の恋を巡る話。と言っても主人公二人は恋人同士だったわけではないのだが。
    高校時代の話については、主人公の男女のほろ苦いすれ違いに、胸の痛みは分かるがそういうことはままあるよなとどちらの気持ちにも共感しながら読み進められた。しかし二部の祥子の生活の部分が色々辛かった。何というか悪い意味で「男性の書く女性」だなと思ってしまったのもある。
    結末はまあ落ち着くべきところに落ち着いたなという印象。ただ、伏線がいくつか回収されないままな点に不満が残った。意図的に残したものというわけではなさそうだし。

  • 前半は少し重たい?なぁと思いつつ、最後の最後まで重たい。再開してうまくやっていく、などという終わり方でもなく。

    おそらく誰にでも経験のあることだと思う、特に学生時代には、中学、高校、大学、など区切りのあるなかで、むちゃくちゃなことをしてうやむやになりながら、なんとなく社会に出てしまっていることが。

    何もその一つ一つを清算しなければいけない、というわけではないが、過去に楔を打ちこまれて動けなくなっているとしたらそれは問題で。

    衛が女性をとっかえひっかえしていることの原因として、祥子の存在があるように描かれているが、そのつながりや原因はよく分からなかったが。

  • これは・・・ハッピーエンドなのだろうか。 著者はきっと過去と現在を比べたら、現在が勝っていて、それを支えるものを大切に思っているのだと思う。 でもやっぱり著者の奥様へのラブレターみたいに思えてしまう。

  • 表紙が綺麗だったので手に取りました。主人公達に共感できないと読み進めるのも大変・・・。衛の恋愛も祥子のまた世界とつながりたいたいからってあんな方法でつながりを取り戻そうとする考えもわからない。出てくる友達や彼氏も理解できない人が多くて読んでいてあまり楽しめなかった。

  • “昔の恋人に電話したくなる本No.1”


    との謳い文句に一目惚れして即購入。
    希望のある終わり方で安心。

    確かに昔の恋人が気になる話でした。
    電話はしてないけど。ラインはしてしまった。
    そんな一冊です。

  • 「昔の恋人に電話したくなる本№1」私もこの本の帯コピーに引き寄せられた一人(^_^;)
    じゃあ本を読んでどう思ったかというと、ちょっと違うんじゃないかな?という感じ。

    常軌を逸しているとも言える、やや歪んだ馴染みにくい設定もあって、桜川衛や都筑祥子の気持ちに寄り添うことは出来なかったけれど、二人が11年の時を経て再会し、それぞれが見失っていた自分の原点に立ち返る 結末は良かった。

    ~やり直しなんか、きかない。自分がつけてきた足跡を、消すことなんかできない。そのときどきに自分が取った選択すべてが重なり合って、今の場所に自分を立たせている。だから、そこからあらためて足を踏み出すよりほかにない。~

    ~どっちの道を取るのが良かったのかなんて、たぶん永遠にわからない。だから、私はこの道を歩き続けるしかない。~

    その通り!これには共感。
    あらためて「あの日の僕らにさよなら」というタイトルが、強い意志をもつことばとして、心に響いた。

  • 最初は短編かと思いきや、全てがつながってきて交差してまた分かれていく物語。
    高校の時に惹かれ合って一夜を共にしそうになった二人、その時に逃げずに一夜を共にしていたら・・・。
    誰にでもあるIfの物語。自分の選択を思い出すと、選ばなかった方に夢の妄想を抱いてしまいがちだけど、そんなことは今さらどうにもならないわけで、それであれば、今後の選択を間違えないように真剣に生きていく前向き姿勢を大切にしたいと思いました。エールを送られている気分になりました。

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著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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