向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年7月29日発売)
3.33
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本棚登録 : 37258
感想 : 4006
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  • 本 ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355511

感想・レビュー・書評

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  • ●誰も救われない
    ●報われない
    ●残酷
    ●正解がない
    って感想ですね

    読んでて ずっとイライラしました
    作品的には【短編で良かったのでは?】といった感じで
    内容的に、[世にも奇妙な物語]の中の1話くらいな内容

    ですが450ページくらいある長編
    最後の50~60頁くらい、ずっと真相き迫る事の繰り返し。しかしコレが上手くいってなく、読んでて【まだ終んないの?】となった

    設定もそうだが
    カッコいい事を言おうとして、1小節にメッセージを詰め込みすぎる 中二病の歌詞みたいだった…

  • 道尾おい、ひまわりに触れるとちょっとネタバレになるじゃんか!(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
    (ご注意を)

    というわけで「テーマ:ひまわり#8」最終回です
    総論的なものも書いて締めたいと思います

    はい、まずは本編

    我慢が長いよ!

    道尾秀介さんは好きで割りと読んでる作家さんなんですが、(自分にとっては)本当に当たり外れの大きい作家さんなんです
    で、今回はまぁ外れかなぁ

    とにかく、読み始めてすぐに大きな違和感にぶち当たり、その違和感をずっと抱えたままなのがツラかった
    最後スッキリさせてくれるのかな?と思って我慢に我慢を重ねて読み進めるも
    違和感をちょっと残したまま終了っていう

    あー、道尾くん君ってそういうとこあるよね
    不思議な世界観のまま推し切っちゃうのね
    なんか腑に落ちない読後感ね
    まぁソレが道尾ワールドなんだろうけどもね

    【ひまわり】向日葵咲きません
    この咲かない向日葵というのが伏線になっております
    向日葵のちょっと特殊な生態が謎の一部になってるんですね
    さすが道尾秀介さん、「ひまわり」の使い方もかなり特殊です
    へー「ひまわり」ってそんなことになると花を付けないのねっていう

    【総論】今回「ひまわり」というのをテーマに8作品読んでみたんですが、かなりびっくりしましたね
    「ひまわり」と言えば「夏」「太陽」というかなり強い固定化されたイメージのある花ですよね
    あまりに強いのでほぼそれのみみたいな感じでいたんですが、いやーかなりバライティーに富んだ使い方されてました

    作家さんそれぞれによく考えられていて「ひまわり」ってかなり多様な捉え方ができるんだな、実は料理の仕方めちゃめちゃあるじゃんってことが分かりました
    やっぱ小説家って凄いね!
    いやそりゃそやろというありきたりな結論でなんかすんませんw

    • ひまわりめろんさん
      いかんわ!ブックリストも「いいね」するか迷ったくらいだわ!
      いかんわ!ブックリストも「いいね」するか迷ったくらいだわ!
      2023/07/11
    • みんみんさん
      チッ( *`ω´)
      チッ( *`ω´)
      2023/07/11
    • ゆーき本さん
      いかんのかぁ。ね、みんみんさん。
      いかんのかぁ。ね、みんみんさん。
      2023/07/11
  • 道尾秀介さんの作品を初めて読みました!

    他の作品もぜひ読みたいと思える完成度であると共にこれを基準に他の作品を読むのはハードルが高すぎるようにも感じる。

    ミチオ(小学4年生)とミカ(3才)が同級生 S君の死因に迫るサイコパス・サスペンス作品。

    小学生と3歳児とは思えない行動力と推理力に疑問を抱いていたが納得の回収劇。
    読了後、読み返すとそこで初めて気がつく伏線やヒントの数々に緻密に練られた作品だということを実感する。

    作品を通して続く巧妙な嘘と幼さの残る本音から
    ありふれた穏やかな時間こそ人は常に望んでいて
    喪失感や孤独に勝る恐怖はないとさえ思えた。

    常にタイトル通りの鬱蒼とした雰囲気の中、無理に明るく振る舞われている印象があり、苦手意識のある方もいるかも知れません...が!

    それでも手に取って良かった!
    と思える作品でした。

  • 夏に読もうと決めていた一冊。
    タイトルの通り、この物語において向日葵は重要なポイント。
    もし向日葵が咲いていたら物語が始まらずに済んだのにね。
    少し狂った大人たちの中で不穏な空気を漂わせながら物語は進んでいく。
    周りの大人たちの異常さに目がいってしまって、少年自身の心の状態に気づいた時にはもう時すでに遅し。
    たくさん伏線はあった。どんでん返しもあった。読んでいるときの違和感も、著者の鮮やかなテクニックで納得させられる。
    始終こころをゾワゾワさせながら読み進めた。
    そして涙する。この世界の残酷さに。
    誰だって過ちや失敗はある。そして、確かに自分がやったことをそのまま受け入れて生きていける人なんていないよ。辛すぎる。…だけどね…
    悲しい。やるせない。どうしてそこまで追い詰められるまで周りの大人たちは…。残虐的な行為は連鎖していく。
    孤独を抱えきれなくなり追い詰められた少年の心を思うと、胸が引き裂かれる思いだった。
    ミステリーとしてはよくできているのだろう。だけど、私はただただ悲しかった。

  • 著者、道尾秀介さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    道尾 秀介(みちお しゅうすけ、1975年5月19日 -)は、日本の小説家・推理作家・歌手。兵庫県芦屋市出身。血液型はO型。

    玉川大学農学部卒業。道尾はペンネームで、都筑道夫に由来する。秀介は本名である。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

    ---引用終了

  • 少年のひと夏の出来事、と思って読み進めるも、とんでもない世界観に入り込んでいった。
    読み終え、冒頭の二頁に戻るとぞわっとする。
    人は誰も大なり小なり表向きでない違う一面を持っており、人に言えない過去をも抱えている、という解釈。
    自分はいつだって主人公で、その物語の中では、何かを隠そうとしているし、何かを忘れようとしている。
    善人と言われている人にも潜む狂気。人との間で、思い込み、錯覚が悪い方になびいてしまった悲劇ととれた。
    不意に相手が発した言葉で、思いつめ人生狂ってしまう。そこまではいかなくとも、言った方はそこまでの意味がないのに、深く受け止めてしまい苦しんでしまうことってある。
    解説が分かりやすくてとても良かったです。「著者の小説の主人公にとって、世界とは常に、主観や誤解や幻想に蝕まれる脆いものである。」
    僕は、ただ寂しかった。ミチオの言葉が印象に残った。
    するする読めて面白かった。内容的には違和感と不気味さが凄く、好みかといえばわからない。

  • ずーっと読みたくて、ちょっとボリュームあるなぁと思いながらなかなか読んでなかったこの本、ようやく読みました。

    どうなるの?こうなるんじゃないか?と考えたり、あれ?ってなったり、違和感、モヤモヤ、嫌悪感を感じながら読んでたら…7割ぐらいの理解で読了した笑

    ネタバレを見つつ、全貌がわかっても結局スッキリしない。
    それは内容云々ではなくて、登場人物が抱えるものがあまりに陰鬱すぎるから…

    皆さんのレビューが楽しみな一冊です。

  • 新潮文庫の100冊に選出されてるしタイトルに惹かれて情報を入れずに読んでみた。
    ホラーの如く気味悪さに1日に数ページしか読めず読了までに時間がかかりました。
    私にとっては「テレビに出たので行列に並んではみたけど、食したラーメンは思いのほか美味しくなかった。」かの様な一冊でした。

  •  多くの方が仰っている通り、本書の好み・評価は分かれるのだろうな、とうなづける気がしました。
     読後に「面白かった」「感動した」等の感想・感覚は、読み手の納得や感情の高揚があってこそだと思います。
     本書は、ミステリー、ファンタジー、サイコサスペンス、ホラー等に加え、シュールな要素も起因し、読み手の違和感が解消されにくいのではないでしょうか。
     個人的には、様々な違和感や伏線の回収を求め、ページを捲る手が止まりませんでした。著者が問題提起した、初期の実験的作品と言えるかもしれません。物語が破綻している訳でもなく、沢山の解釈や議論が可能な作品と受け止めました。ただ、作品の価値を認めるものの、どこかでスッキリしたい自分がいることも事実でした。
     小説の中の特定の枠やジャンルに囚われない世界は、私たちが暮らしている日常が不条理な世界と隣り合わせであることの示唆かもしれません。

  • 再読。夏に読めたことを光栄に思う。
    物語に二転三転と転ばされたい人にぴったり。
    解読とは言っても1番大切なラストを覚えていなかったため、しっかり何度も目を見開く羽目になった。
    とはいっても担任の性癖や女郎蜘蛛にSくんを襲わせるシーンは覚えており、記憶にこびりつくような文章を書く天才なのだと思う。
    物語の世界から抜け出せなかった主人公はこれから一体どういう人生を送っていくのだろうか。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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