向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.17
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本棚登録 : 16976
レビュー : 2464
  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355511

感想・レビュー・書評

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  • 本屋で何気なく手にとって最初の2,3ページを読んだときに、「これは!」と思わせる秀逸な文章。即購入しました。一気に読める本でした。
    …ただ、なんといいますか、描写が上手すぎて気持ち悪くなった人は私だけではないはず。想像力豊かで気持ち悪いものが苦手な人は読む前にためらうべきかもしれません。
    なにはともあれ、それだけ文章が上手です。

    こういった二転三転するストーリーは大好きです。謎解きのための、違和感のようなヒントはいくらか隠れているのですが、素直で想像力豊かな人は自分の想像力で真実が見えなくなります。疑ってかかりましょう。

    気持ち悪くなること覚悟でまた読みたいです。

  • 後味クソ悪いけどクセになる不思議な本。
    登場人物は全員イかれてるし、物語も救いようがない。
    でも定期的に夏に読みたくなる、吸い込まれるように。

    俺の人生で1番好きな小説、俺もどこかおかしいのかもしれない。

  • 面白い。

    内容的には面白いと言ってはいけないのかもしれないけど
    作話なので己の感性に正直な評価。


    サプライズプレゼントで母さんを驚かしてやろう
    結果、母さんは壊れてしまった。

    そして、僕も壊れてしまった。

    父さん、人が死んだらどうなるの?

    死んで一週間後、何かに生まれ変わる。
    ダメだったらまた一週間後・・・
    7週間後にはすべての死者が何かに生まれ変われる。

    49日か・・・

  • 私が一番好きな小説です。

    道尾秀介さんの本で初めて読みました。
    この本を読んで衝撃を受けたのが道尾さんを好きになったきっかけ。


  • イヤミスのトップテンがあれば必ずランクインする作品で、未読だったので読んでみましたが、読み終わった後に「どういう事だったのか?」という事を反芻して初めてゾッとする作品です。典型的な叙述トリックですが、僕も最後まで分からなかったですね・・・イヤミス好きは避けて通れない作品

  • 叙述トリック作品のお勧めを探していたらいつも上位に来る作品だったので、いつか読まなきゃと思いつつも内容が「小学生の夏休み中の物語」「死んだ友達が蜘蛛に生まれ変わって登場」「小学生が探偵になって事件を解決」という、ファンタジー色が強いものと勝手に思い込んでなかなか手が伸びなかったのですが、読んでみてびっくり。完全に叙述トリックミステリー。幾重にも仕掛けられたミスリード。作中に隠されたヒント。読み返し確実。かなり完成度の高い作品です。

    読んでいる途中で「トリックが分かったかも」と、わざと思わせ、最後に気持ちよく裏切ってくれます。

  • 独特の気持ち悪さを感じる贖罪の物語

    感想
     いたって普通の推理小説のように始まりますが、読み進めるにしたがってこの世界の謎とともに登場人物の罪や「異常性」が明らかにされていきます。
     発生する出来事は不愉快なものが多く、異様な世界観はその性質上登場人物たちの罪を正当化するように構築されています。
     そのため、最初は共感できてもだんだんと共感しがたくなる一風変わった作品です。

     登場人物がいかにして「異常」な人格を獲得していったのかについて丁寧な説得がなされています。(共感できるかは別ですが)
     また、主人公が子どもであるためか短文が多く、簡潔な文章で表現されているので、すらすらと読めました。
     身近な世界から異様な世界へと徐々に読者を引き込んでいく構成力には舌を巻きました。

     気持ち悪さが強く目立ちますが、実はこの作品の主題も深いように思います。
     個人的にこの作品のテーマを述べるなら「主観」。
     下のお気に入りの文章にもあげる通り、自分の主観は極めて都合よくできているのではないかと考えさせられます。
     「僕」がミカを殺してしまったのも、S君を殺してしまったのもある意味で事故だったのでしょう。
     悪意のない悪事はたちが悪いですし、本人としても消化しづらいものです。

     内容的に好き嫌いが分かれる作品かと思われます。
     個人的には好みで没入しましたが、自分の過去を思い心が痛みました。
     また、自分の世界を広げてくれる大事な作品となりました。

    お気に入りの文章
    「みんな同じなんだ。僕だけじゃない。自分がやったことを、全部そのまま受け入れて生きていける人なんていない。どこにもいない。失敗をぜんぶ後悔したり、取り返しのつかないことをぜんぶ取り返そうとしたり、そんなことをやってたら生きていけっこない。だからみんな物語をつくるんだ。昨日はこんなことをした、今日はこんなことをしてるって、思い込んで生きてる。見たくないところは見ないようにして、見たいところはしっかりと憶え込んで。みんなそうなんだ。僕はみんなと同じことをやっただけなんだ。僕だけじゃないんだ。誰だってそうなんだ」
     言葉は同じ内容を繰り返していた。悲しいわけではなかった。後悔しているわけでもなかった。僕は、ただ寂しかった。

    • jhmさん
      コメントをいただいたのでayamoriさんのレビューも読ませていただきました。
      道尾秀介さんの作品をよく読まれているようですね。
      はじめ...
      コメントをいただいたのでayamoriさんのレビューも読ませていただきました。
      道尾秀介さんの作品をよく読まれているようですね。
      はじめてコメントをいただいたので嬉しかったです。ありがとうございました。
      2015/12/23
  • うすうす感じてはいたけど、そういう展開で閉めるか〜〜と、作者の実力を感じた一冊。
    その結末を提示されると、それを踏まえてもう一度読み返したくなる。この子はこういうことで、君はそういうことで…シックスセンスを読み終わった時と似た読了感。いい。

  • 自分はこういう賛否両論が起こる作品は大抵好きなんだなと知った。
    これはホラーだと思う。しかもエグさとかそういうものがほとんどない極上な人間心理をついたホラー。
    中盤までは軟弱なミステリーだと思っていたことが終盤完全にサイコな物語に変わる。どんでん返しですげーと感じたのは初めてだ!
    本当にあらすじを調べずに読んでよかった。
    自分が今まで読んだ本の中でも相当狂っている本だと思う。
    計算されたフィクションの狂気ではあるけれど…
    後味なんて悪くない。大好きです。こんなの。

  • ネタバレあり
    普段レビューは書かないんですが
    すごく面白かったのにあまり評価されてなかったんでちょっとだけ思ったことを

    ミチオ(=道尾)が作者でトカゲのミカや蜘蛛のS君は創作

    不幸な事故で娘のミカをなくしてしまう
    母親は精神の安定を図るため人形でミカをつくる
    ミチオは母の人形ミカと葬式のとき聞いたお坊さんの生まれ変わりの話から転生するシステムをつくる

    1 トカゲのミカ
     3年前 ミカ(胎芽)に似ていたからトカゲ(庭にいた)でつくる
    2 猫のトコお婆さん
     2年前 トコお婆さんに似た猫と麺の小父さんの台詞からつくられる
    3 白百合のスミダさん
     1年前 ミチオはスミダさんが好きだったと思われる。スミダさんの机に置かれた白百合でつくられる
    4 蜘蛛のS君
     自分の一言がS君を自殺させたことを認めたくなかったミチオが、S自身に「僕は殺されたんだ」と言わせるためにつくった
     (罪悪感から逃れる為にS君を他殺にする計画)
     しかし泰造爺さんとの会話でS君の自殺が確定的になり計画変更
    5 竈馬の泰造爺
     「きみが言わないなら、私が言おうか。――きみは、自分がやったことを認めたくなかったんだ」
    と竈馬爺さんに指摘させた上で自分の言い訳を認めさせる「もう、わかったきみの言っていることは――間違っていない」
     「きみは――このままで、いいのかい?」物語(現実)を壊すよう仕向けさせる
     の2つのために殺して転生させた
     あとのことはついで
    6 父と母……殺して転生させる

    45は一時的に必要だからつくった→要らなくなったから殺した

    ・トカゲミカは事件後1年くらいで死ぬ→トカゲの寿命
    ・転生した父母は何になったか→分からん

著者プロフィール

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年、兵庫県生まれの小説家。玉川大学農学部卒業。会社員生活を続けながら小説を執筆しており、2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2010年、『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。2011年、『月と蟹』で第144回直木賞受賞。直木賞にはこの作品で5回連続のノミネートだった。
その他代表作として『向日葵の咲かない夏』があり、文庫版は100万部を超えるベストセラーになった。『カラスの親指』は映画化された。
ほか、横溝正史ミステリ大賞、新潮ミステリー大賞の選考委員を務める。

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