片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 536
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355528

作品紹介・あらすじ

盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして…。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 「カラスの親指」の次に読んだのがこの本、「片眼の猿」。
    「カラスの親指」同様、この「片眼の猿」も読みすすめるうちに、だからこのタイトルなのね!と、納得させられます。
    随所に散りばめられた伏線。
    そのひとつひとつが明らかになってくると、さすが道尾さん!とこれまた納得!
    一気に読んでしまいました。

  • 特異な耳を持つ三梨は、私立探偵として、ある会社に潜入して機密漏洩の調査をしている。
    三梨は、ライバル探偵会社の社員である冬絵に、自分の事務所で働かないかと声をかける。彼女はいつも大きなサングラスをして目を隠していた。
    しかし、三梨が調査していた男が殺害され、その場面を偶然「聴いて」いた三梨は、犯人は冬絵ではないかと考える。

    謎がたくさん散りばめられ、各所に微妙にひっかかる違和感を抱えながら読み進めることになる。
    7年前に三梨と一緒に住んでいた秋絵がどういう人物だったのか、なぜ失踪したのか。
    なぜ三梨は冬絵をスカウトしたのか、冬絵はどういう人物なのか、冬絵はなぜ簡単にスカウトに応じたのか。
    三梨の「耳」、冬絵の「目」ってどうなっているんだろうか、その能力は。

    最後に謎はするすると解決し、「ほぉ、違和感の正体はそうだったのか」と思った。(でも、謎のひとつは、あらすじで「盗聴」って書いちゃってるし…。)
    ただ、これはどういう伏線なんだろうとか、わざと詳しく描写していないんだろうけれど一体どういうことなんだろうとか、読みながらもやもやするので、個人的には、違和感を感じないまま読んで、「えっえー!そうだったの!」となるものの方が好き(笑)。

  •  最近、叙述トリックというものに全然ひっかからなくなってしまった。作者として書くべきところを書かない、または読者に錯覚や誤解が生まれるような書き方をしていることに、すぐに気付いてしまうからだ。この作品も、そうだった。
     でも、この作品は、「書くべきところ」という読者の思い込みに、そのトリックをもってして冷や水をぶっかける。
     こないだ読んだ『チルドレン』の、盲目の青年・永瀬が見知らぬヒトから哀れみの施し(5千円)を受け取るのを陣内が「ずるい」と言って羨ましがる、あのシーンに通じるものを感じた。
    「眼に見えているものばかりを重要視する連中に、俺は興味はない。」
     仕掛けは早々に見抜けてしまったけど、それでもぐっときた。良作。

  • 耳にコンプレックスを持つ探偵が主人公。
    一体どんな耳をしているんだ!?と想像をかきたてる思わせぶりな描写となんとなくひっかかる表現や伏線やそういうのがたくさんあって、それが気になって気になってわぁーっと一気に読みました。

    すべての事件が片付いた最後の最後にすべての謎も解けますが、同時にとても救われた気持ちになります。
    こういう終わり方も気持ちいいかもしれない。

  • なぜこの人の作品は読んでいて急かされるような気分になるのだろう。ポジティブな意味ではない。

  • 相互に関係のある細かいタイルを組み合わせて絵に仕上げたような手触り。

  • 主人公は何故探偵なのか、その風貌の理由は
    それが、最後の最後に明かされる。
    そして題名の『片目の猿』、その理由がなにか
    それにつながる、探偵事務所のあるアパートの住人達。
    主人公「三梨」は言う。
    「世間の人間は鳩をみて、鳩だと感じる。雄だとか雌だとかは気にしない。
    このアパートの連中は人を見て、ただ人だと感じる。それだけなのだ。
    簡単なようで、手に入れるのが難しいその感覚を、彼らは持っている。だから強い」
    そうなのだ。
    身体的ハンディーが何なのだ。それはただ人間なのだ。
    そんなことを、諭す一冊だった。

  • 特殊な耳をもつ主人公。最後え、って感じで。タイトルそうゆうことねと。

  • この程度では驚かなくなった

  • 昔読んだのを思い出して再読。
    たぶん初めて叙述トリックというものに騙されて、荒れてたあのとき家で珍しく饒舌になった気がする(*´꒳`*)
    叙述トリックって呼び名を知ったのは、もっとだいぶ後だったけど^^;

    道尾さんは本当に絵みたいな文章だなと思う。
    小説としても面白いし勉強にも参考にもなるし、自分的には三度おいしい作家さん。

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著者プロフィール

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年、兵庫県生まれの小説家。玉川大学農学部卒業。会社員生活を続けながら小説を執筆しており、2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2010年、『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。2011年、『月と蟹』で第144回直木賞受賞。直木賞にはこの作品で5回連続のノミネートだった。
その他代表作として『向日葵の咲かない夏』があり、文庫版は100万部を超えるベストセラーになった。『カラスの親指』は映画化された。
ほか、横溝正史ミステリ大賞、新潮ミステリー大賞の選考委員を務める。

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