龍神の雨 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.69
  • (278)
  • (725)
  • (578)
  • (88)
  • (16)
本棚登録 : 5508
感想 : 517
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355535

作品紹介・あらすじ

添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に合わせたから。――そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか? あなたの胸に永劫に刻まれるミステリ。大藪春彦賞受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久々の道尾秀介作品、これで通算8冊目です。

    読み終えた直後の評価としては☆4つ。

    巻末の橋下満輝さんの解説(「龍人の雨」ーーもう一つの姿)を読み終えた瞬間に、評価は☆5つに格上げとなりました。

    ここまで読み取れる力が欲しい...

    代表作である「向日葵の咲かない夏」、個人的に好きな「カラスの親指」に「背の眼」等、好きな作品もあり、積読もまだ何冊かありますが、きっと本作を機に道尾作品を今までとは違ったレベル感で追い求めることになると思います。

    解説を読み、ブクログに足跡を残しながら、もう一度最初から読み返してみたいと心が揺れる。

    そんな作品でした。

    ※敢えて内容には触れず



    説明
    内容紹介
    添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に合わせたから。――そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか? あなたの胸に永劫に刻まれるミステリ。大藪春彦賞受賞作。
    内容(「BOOK」データベースより)
    添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に遭わせたから。―そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか?大藪春彦賞受賞作。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    道尾/秀介
    1975(昭和50)年、東京都生れ。2004(平成16)年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビューする。独特の世界観を持つ作家として、大きな注目を集めている。’07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、’09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞を受賞。’10年『龍神の雨』で大藪春彦賞を、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞する。’11年『月と蟹』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 「向日葵の咲かない夏」以来どっぷり道尾秀介さんにハマった時期があったなぁ〜
    本書もその時期に一度読了。
    本書含む「神シリーズ」が3冊ほど出版されていることを知り、神シリーズ読了の為本書から復習!
    そうだった、そうだった!
    道尾さん、読んでると必ず迷子になる(笑)
    「ん?あれ?」って…頭の中迷う!
    これ、これ、この感覚だったよー!と思いながら堪能しました。
    決して気持ちの良い内容ではないけれど、読んでいて惑わされる感じはさすが道尾ワールド!

    また久しぶりに道尾さん読みたくなった!

  •  道尾秀介4作品目。重たい内容であるのに、読みやすく、一気に惹きこまれてしまった。

     悲しすぎる同じような運命を辿る二組の兄弟。彼らに希望は必ずあると私は思った。一緒に暮らしてきた兄弟がいる。孤独ではない。

     解説が面白い。読むことをお勧めしたい。

  • 道尾秀介6作目
    やっぱり読みやすいし引き込まれる
    後半はいつものごとく一気読みだった
    終始陰鬱で重めな雰囲気だけど
    雨の日に是非

    ■兄妹(兄弟)
    兄弟って大体は、血が繋がっていて幼い頃から一緒に育った年の近い人間
    両親と同じく唯一無二の関係性だなぁ
    喧嘩をすることもあるが二組ともお互いのことをよく見ていて、気づかれていないと思っている心の内も読まれていた
    心の奥では互いを気遣って心配しあっている、いい関係性だ。


    ■あとがき
    解釈は色々とあるんだろうけどあとがき見るとより楽しめる
    本編が気になって章の間のニュースは流しぎみに読んでしまった…
    地理の知識もガバガバだし…

    二組の兄妹(兄弟)はその後がどうなった?睦男の本当の死因は?溝田兄弟の母の死の真相は?
    色々なパターンが考えられる余白があるが、どうか残された人達は幸せに暮らしてほしい。
    溝田家は光が見える終わりだったが添木田兄妹も幸せに暮らせるようになったと信じてる



    安定クオリティの道尾作品は定期的に読んでいきたい
    カエルの小指は積んであるけどその次は何を読もうかなぁ

  • 降りっぱなしの雨が余計に物語を重く暗く感じさせる。それでも引き込まれてあっという間に読んでしまった。
    解説を読んで少し救われた。そこまで思い付かなかった。2人が心傷む選択をしたとしても、降り続いた雨が良い方向へ持っていってくれないかな…

    目次のタイトルが波打っていて、龍みたいだなって思った。

  • さすが道尾秀介作品、哀愁感のある見事な結末。きっとこの世界での唯一のハッピーエンドだったと思う。

  • ずっと雨、ずっと暗い。嫌な感じが漂ってるはずなのに、意外とさくっと読めてしまうのは道尾秀介作品ならではかもしれない。主要人物の視点を細かく変えつつ話を進めて行くのが読み易いし、嫌なものが積み重なっていくのは上手い。そして突然崩す。しっかり真相は描いてくれるのでモヤモヤはしなかった。最後は少しわかり難かったが、解説に書いてあった解釈で納得。

  • 面白かった〜!
    ちょうど激しい雨が降る中、読了。
    作中も雨の描写が多く、終始暗ーくてじめじめした雰囲気がつきまとう感じだった。
    でもこういう雰囲気好きだな〜。
    境遇がよく似てる二組の兄弟の話が絡み合いながら進む。
    先が気になって仕方ない。
    アレ?ナニカガオカシイ、、
    終盤、自分が思ってたのとは全然違う展開に!
    派手に騙されたー!とかどんでん返し!って感じじゃないけど、気がつけば作者さんの思惑に見事にハマってしまってた。

    最後のひと言の真相はどっちだったんだろう、、
    光が見える一方でやるせなさも残る終わり方だった。
    道尾さん、他の作品も読みたくなった♡

  • 2024/9/26読了。

    とても重い話。
    実の父親と母親を亡くした2組の兄弟(兄妹)の「運命」が交わるが、やるせない事件も起こり、最後はこの後、この2組はどうなるのだろうか?と、胸が痛くなる。

    本の最初から最後まで、話の中ではずっと雨が降っていることもあり、読後感は暗くじめじめしたままで、
    本を閉じた後、思わず「ふー」とため息が出てしまった。

    解説まで読むすすめると、少しだけ気持ちが晴れてきて、ほっとした。

    文の書き方、話のもっていき方、「ラジオニュース」のはさみ方、そして見出しの付け方は秀逸で、やはりすごいと思うが、今回は設定と内容が重すぎて暗すぎて、私の心には余る気がする。

  • 「龍神の雨」というタイトルが似合う作品の内容でした。「向日葵の咲かない夏」を読んだ時に、この方の世界観は私には合わないなと感じたのですが、これもやはり合わなかった
    決して駄作ではないと思うしよく作り込まれてて考えられてて雰囲気もあって、なのですがやっぱりそんなに興味が湧かず、、、残念でした。

全517件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

道尾秀介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×