龍神の雨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 381
  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355535

作品紹介・あらすじ

添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に遭わせたから。-そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか?大藪春彦賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • あぁ~、道尾さんの作品だ!と感じ入ってしまう本。
    昼前に読み始めたのですが、面白くて、他のことは何もせず一気に読み切りました!
    この本の前に道尾さんのライトミステリーを読みましたが、やっぱり道尾さんの本はこうでなくっちゃ~!
    なんて、えらそうなことを言っておりますが、一ファンの戯言とお許しください。
    ダークな部分もあり、重たい部分もあり、心が痛い部分もあり・・・
    だけど好きです、道尾さんのミステリー。

  • 思い込みや勘違い、すれ違い…やるせないなぁ。

  • 2組の兄弟がどう絡んでいくのか、ずっと好きな緊張感。
    店長の不気味さもいい。

  • 風神の手に通ずるものがあったなあ。
    小説でしか出来ないことをやると道尾さんはずっと仰っているけれど、それの使い方、表現が本当に上手い、格好良い。人間の頭の中や想像、幻想って映像化するとどうしても現実味がなくなってしまう。でも頭の中のことって一人一人違うし嘘のようだけれど、その人の中では事実として存在していて、だからこそみんなそれに悩まされるんよな。良くも悪くも人間は思い込みでどうにでもなってしまうし、それが生み出す齟齬が道尾さんの醍醐味だけれど、今回は主人公達に幸せが訪れて欲しいと思った。
    ただ結末を良くなるであろう兆しで、あくまで兆しで終わるあたりがね、もうねなんとも...道尾さんは離してくれませんね!

  • 相変わらず期待にこたえてくれる道尾作品だが
    これはミステリ要素もありながらも、兄弟、家族、夫婦・・・などの
    偶然な思い違いや思い込みを陰鬱な雨になぞって展開する
    悲しいドラマでもあるのがいい。
    解説にある「カメオ出演」も興味深く読ませてもらった。

  • 二つの物語は陰と陽のような感じで幕を閉じました。
    解説がすごい読みやすくてなるほどなぁと素直に感心しました。

  • 文章が好き
    作品全体の雰囲気が好き
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい
    その他 ◯


    途中、読み飛ばしてしまいましたが、
    いろいろな仕掛けのピースがはまり、ラストに突入した時、爽快感を感じ、
    読み飛ばしたことを後悔しました。




    家族だって、いや家族だから抱えてしまう苦悩。
    まして血が繋がっていない家族だったら…

    『たとえ血が繋がっていても、いなくても。家族なら、信じなきゃいけない。』

    辰也と圭介に笑顔が戻りますように。


    そして、解説での謎解き(?)に感謝。

  • 19歳の青年・添木田蓮は、事故で母を失い、中学生の妹と、継父との三人暮らし。
    継父は仕事をせず、日がな飲んで寝ている生活。厄介でしかない父親を抱えて過ごしていたが、そんな中、妹が父親に乱暴されて殺してしまったという。
    一方、中学生の溝田辰也と小学生の圭介。兄弟は父親に先立たれ、若い継母と暮らしている。
    兄弟の本当の母親は海で死んだ。その死は継母によって引き起こされたものではないかと疑っている。
    二人が、蓮の勤める酒屋で万引きをしたことにより、二組の家族が繋がる。

    蓮・楓兄妹は継父の死体を山に埋めに行く。その途中、絞殺に使ったスカーフを落としてしまい、それを蓮が拾う。
    遺体の処理は無事に終えたが、楓の元に、父殺害をしっているとほのめかす脅迫状が届く。時を同じくして、学校で辰也が接触してくる。

    辰也の弟・圭介は、最初は兄同様に継母を邪険に思うが、自分たちの世話を一生懸命してくれる彼女を恨み切れない。しかし実の母の死の真相も気になり、兄と継母の間で板挟みのような状態。

    父親に乱暴された楓が、継父を殺した。遺体を埋めに行くところを見ていた辰也が楓を脅迫する。
    そういう話と思って読んでいると、終盤でひっくりかえされます。
    継父を殺したのは楓ではなく、蓮の勤め先の店長・半沢。
    楓に乱暴しようとしていたのも、楓に脅迫状を書いたのも彼です。
    最後は半沢が楓と辰也を捕まえて全てを終わりにしようとするも、蓮や圭介が駆けつけて窮地を脱する。
    蓮・楓の継父が、就職活動をして変わろうとしていたことも明らかになり、切ない。
    圭介・辰也の継母も、実の母親の死にはかかわっておらず、兄弟を本当に愛していると判明します。
    登場人物全員が陰惨なものを抱えていると見せかけて、なかなかの人情派……という展開は、この作品及び道尾作品の白眉。

    ちなみに、真犯人の半沢が酒屋の片手間に経営していた居酒屋が「ラットマン」に出てきたりする。

  • 添木田蓮と楓は事故で母を失い継父の睦男と、溝田辰也と圭介は母と父を亡くし継母の里江と暮らしている。
    蓮は妹の為に、母を亡くしてから引きこもってしまった睦男に代わり、大学進学を諦め酒屋で働いている。

    不慮の死は残された者にとって受け入れる事が出来ない。なぜ、どうして、と理由を求め、そして、防げたのではないか、あの時ああしていたら、まだ生きていたのではないかと自分を責める。龍神とは、そんな人達の望みが見せる物なのか。
    大きな悲しみを背負った2兄弟。悲しみは真実や周りの人達の優しさをも歪めて見せてしまい、さらなる闇に引き込まれていく。

    伏線が少しずつ引かれていて、最後に1つになった時に虫唾が走るような衝撃を受ける作品。

  • 久しぶりに道尾さん読んだ。
    登場人物が少ない中ながら
    いろいろ伏線が張られて上手く回収されて
    なるほどーでした。

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著者プロフィール

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年、兵庫県生まれの小説家。玉川大学農学部卒業。会社員生活を続けながら小説を執筆しており、2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2010年、『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。2011年、『月と蟹』で第144回直木賞受賞。直木賞にはこの作品で5回連続のノミネートだった。
その他代表作として『向日葵の咲かない夏』があり、文庫版は100万部を超えるベストセラーになった。『カラスの親指』は映画化された。
ほか、横溝正史ミステリ大賞、新潮ミステリー大賞の選考委員を務める。

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