雷神 (新潮文庫)

Kindle版

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  • 新潮社 (2024年2月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784101355573

作品紹介・あらすじ

あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった――。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人【ゆきひと】を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見【ゆみ】から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上【はたがみ】村――幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒まし……。最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 最初から最後までドキドキが止まらなくて最高!
    面白かった〜!
    2つの事件がどうなっていくのか最後まで楽しめました!

  • おもしろかったー!

    なに?なんで?どういうこと??って謎がどんどん増えていくので結末が気になりすぎて、
    後半に向けて読むスピードがどんどん上がって、推理してみる暇もなく一気に読んだ。

    ラスト1行まで驚愕~!みたいな宣伝文句で期待値が上がりすぎちゃったのはあるけど、
    それでも綺麗に伏線回収されていくのに感動した。

    ああしていれば、ああしていなければ…
    因果が絡み合う物語でした。

  • 日常の些細な出来事がすべて数珠つなぎに悪い方向へつながっていく。その方向性をきめるのはどういう存在なのだろうか。雷神は本当に存在するのだろうか。
    最後の一行まで伏線回収が続く見事な作り込み。

  • 悲しい!全体的に救いのない話。
    誰かが誰かを守ろうとして、それが結果として悲しく辛い方向へ展開していってしまう…というテイスト。
    しっかり伏線張ってしっかり回収してくれる、余計なことしてないミステリーという感じで楽しめた。

    ちょっとご都合主義な展開が一部気にはなったけど、まぁまぁそこはね。

    ある程度一気に読まないと、話が訳わかんなくなる可能性あり。(私の読解力がないからか)

    "雷神"というタイトルなのに、
    神の存在を否定する終わり方、オシャレで良いなと思った。

    私は最近もっぱらKindle生活なので、本の帯でこの作品がどう紹介されているのかよく分からないけど、
    他の方のレビューを見るとどうやら「最後の最後にどんでん返し?!」的な帯が付けられているらしい。
    そういう意味では、ちょっとニュアンスは違う。
    別にどんでん返しは起きてない。

  • 描写が上手く、村の情景や登場人物の行動が、頭の中にスッと入ってきて読みやすかった。
    解説でも触れられていたが、因習的な村、怪事件、不幸の上塗りなど、横溝正史を彷彿とさせる作品だった。

  • ずっと読みたかった作品が文庫化されたので、読んだ。
    道尾さんの作品はやはり伏線回収が見事で、この作品も他に漏れず素晴らしかったです。
    また、この作品は今まで読んだ道尾作品の中でも指折りの悲しい物語でした。
    娘がベランダから植木鉢を落としてしまい、それが原因で事故が起こり母が死んでしまうという悲劇。
    その事実を隠し続けてきた父の元に、脅迫の電話が来てしまう…
    登場人物は皆、悲劇の元となる要因の何かから、目を逸らし続けてしまい、それがまた次の悲劇に繋がってしまう、そんな展開がとにかくやるせなかった。
    怖くて向き合えない事実や事柄のことを「神様」と表現しているのが、ある意味言い得て妙だなと。
    神頼みっていうのは、問題に向き合うことから逃げていることにもなってしまうんだなと、考えされられました。
    様々な悲劇はありますが、娘に母の死の真相を伝えるのか否か、父にとってはここからが正念場なんじゃないかなと思います。

  • 冬の日本海側の地域が舞台です。
    雷×神社×祭×村社会
    全体的に暗いです。
    暗いですが文章が上手いしストーリーも面白い、これは絶対伏線だから覚えておこう!とかウキウキしながら読みました。ただ何故か終盤、種明かしが始まるあたりからは興味を失い斜め読みしてしまいました。

  • 登場人物の思い込みや勘違いが話しを複雑にしているが起こった事象それぞれに対して順を追って正確なピースを出して丁寧に説明してくれているので違和感なく読めた。

    ラストが秀逸。

    そこにあるのは ただやったことやらなかったことそれとそれを受けての結果だけ。
    目の前でドアをピシャっと閉められたようなラストだった。

  • タイトル買いの一冊。
    過去と現在が混在してるからか、なかなか人間関係の把握ができなくて、ちょっと読み進めにくかった。あれ、この人だけだっけ?って何回かなってしまった。
    物語の展開はどこまでも暗くてなかなか救いがなくて、道尾さんっぽいなぁという感じ。途中で「いけない」のような1ページが出てきて、あまりの生々しさに鳥肌がたった。
    大どんでん返しがあるわけではなかったけど、最後の最後にさすが道尾作品と感じる一文があり、これだけだけで星一個追加。
    すぐ読み返したくなる感じではないけど、心にズーンとくる一冊でした。

  • 悲しいお話だったけど、すごく良かった。
    真相にびっくり。こんなに勘違いがピッタリ合うことってあるんだ…
    ちょっと引っかかっていたいくつかがちゃんと回収されたので満足!

    「いけない」みたいなあの画像の中で、まずあれ探すよね?にくいわー。

    ただ、帯に「最後の1行まで驚愕が〜」ってあったので、すごく期待して、最後は目に入らないように手で隠して読んでたのに…そこまでの衝撃はなかった。ネットに行ってみたけどいまいちしっくりきていない。
    ハタ場での出来事も最初主人公が男の幻覚を見てるだけかと思って読んでしまっていたし、
    今回は自分の読解力がダメだったなー

  • 作者ならではの複雑なプロット、サスペンス的な要素。丁寧に繰り返させるトリックの説明にはややめんどくささを感じるが、それでもよくこんな幾重にも重なるトリックを考えつき、それをうまくまとめ上げたなと感心します。最後にトリックを解説する迄は犯人には気がつきませんでした。作者お得意の「言葉の解釈の違い」で読者をミスリードさせているのでは、とは思いながら読んではいたのですが。
    そして余韻に残る最後のページ。このシリーズは初めてでしたが、他の本も読みたいと思いました。

  • 読みやすく面白かったが、叙述トリックに心を動かされる事はなかった。

  • 終始漂う暗い雰囲気も、読者の思い込みに拍車をかけている気がします。もう少し余韻を残すラストでも良かったなぁ、なんて思っていたら最後の1ページで見事に破壊してくれました。

  • 羽田上村にある雷電神社で催される神鳴講という祭りに関連する30年前の事件の真相を解明する物語だが、隠された謎が次第に明確になっていく過程が楽しめた.村で居酒屋を営む藤原南人(みなと)・英(はな).祭りで供するキノコ(タゴ)汁の準備に駆り出された英が水死体で発見されたのが事件の発端.子供の幸人と亜沙美.神社の宮司・太良部容子と一人娘の希恵.タゴ汁に毒キノコが投入され、しんしょもちと呼ばれる村の重鎮の2人は死に、2人が重症.犯人と目された南人は亜沙美の証言で解放されるが、逃げるように息子・南人らと埼玉に移住する.南人には娘 夕見ができたが15年前妻・悦子が事故で死亡.父の真似をして営む居酒屋に秘密を知っているという男が現れ、話が急展開する.夕見の発案で羽田上村に素性を隠して乗り込む南人、亜沙美.対応する希恵.写真家の彩根の存在が複雑な糸を解きほぐすポイントになったと思う.最終的に事件の全容を解き明かす社務所での会談が面白かった.随所に織り込まれる何気ないセリフが事件の全貌を明らかにするヒントして上手く機能していると感じた.面白かった!

  • 全体的に何かもやっとしている話っだったな。きのこ事件も脅してきた男を殺したのも主人公だと思っていたのでお姉さんの方が犯人だったとは思わなかった。
    娘のベランダから鉢を落としてしまったことは上手く隠せるものなんだろうか。主人公が亡くなった後に娘が真実を知ったら彼が真相を知った時のようにより強い衝撃を受けるんじゃないかな。しかも本当のことを知っているお父さんがこの世にいなかったら想像することしか出来なくなるし。
    でもまさかあなたがお母さんを殺しましたとは言えないか。難しいな。

  • 500ページ越えで私的には少し長めでしたが
    中弛みなく読みきれて良かった。
    伏線回収が面白く読めました。
    あの雷がなければ。。。など
    あの○○が無ければ、が後悔として
    それぞれの心に大きく影を落とす。
    しかし、後悔は後悔として心に刻み
    前向きに今を生きることを選べば
    この切ない結末は変わったのではないかと思った。

  •  娘(夕見)の育てて花の鉢がベランダから落下し、車に当たりそれが原因で妻(悦子)が死亡...というショッキング展開で引き込まれた。自分の娘のせいで妻が死んだなんて、夫(幸人)からしたら相当なショックだろうな。

     幸人が落ち込む中、脅迫電話が来てからは一気にスリリングな展開になり目が離せない。「娘がしたことを知っている。バラされたくなきゃ金払え」と脅された時の幸人の緊迫感が伝わってくる。状況的に誰も知るのはほぼ不可能なはずなのに、強気で金を要求してくる謎の男にはヒヤヒヤ。男の正体が気になりページをめくる手も止まらない。

     幸人が男から逃れるため故郷を訪れる中盤以降は、幸人、夕見、幸人の姉(アザミ)の3人が。過去の事件を追う真相を追うミステリーで楽しくなってくる。
     元凶であるしんしょもち4人の描写がねっとりして、酒好き女好きかつ、金持ちらしい振る舞いの嫌らしい感じが不快。幸人の母を犯して自殺においやったんだから殺されて当然に思える。
     彼らに復讐するために幸人の父が復讐した、と思っていたのだが、彼らを殺した犯人が実はアザミだったというのは予想できず驚いた。動機も充分だった幸人の父が、まさか結局決行までには至らなかったとは。代わりにしんしょもちたちを殺すアザミからは、メラメラと湧き上がる復讐への執念を感じた。

     総評すると、ショッキングな事故から始まる導入と、脅迫電話で翻弄される緊迫感がある中盤くらいまでは特に楽しい。ただ村パートに入ってからのミステリーも最初は面白いけど、テンポが遅くややダれた。もうちょい捜査をスムーズにして欲しかった感ある。

  • 奇しくもこの小説を読み終わった今日、九州で落雷があり高校生2人が重体だという。
    それから台湾で大きな地震もあった。

    抗えない自然の恐ろしさ、それから運命の残酷さ。
    現実世界と相まって、とりわけ実感することとなった。
    「あの時こうしてれば…」は、誰しも想像したことがあるかもしれないが、ちょっとしたタイミングやボタンの掛け違いが積み重なっていき、取り返しがつかなくなる様子が容赦なく描かれる。
    ミスリードや伏線回収も著者の得意とするところで、今回も遺憾無く発揮されていたように思う。

  • プロローグからクライマックス。まるで一本の映画を見ているような感覚になった。いくつもの謎が絡み合い、真相が明らかになった時は驚愕とともにとてつもない哀しさ、切なさが胸に沁みた。ミステリーとしてももちろん秀逸だが、それ以上に人物の心情などに心を持っていかれた。最後の一行でまさに雷を落とされたように動けなくなり、余韻が中々抜けなかった。向日葵の咲かない夏と肩を並べられるほどの作品だと思った。

  • 読み終えて「ものすごく道尾秀介さんらしい作品だったなあ」と思いました。たぶん著者名隠して読んだとしても、「これ道尾さんの作品かな」と感づいたような気がします。

    精緻な構成と伏線、どこか影のある描写、そして人が及ばぬ運命の残酷さを思わせるストーリーと、どこをとっても道尾秀介さんらしさがあふれ出ているというか。

    書き出しで描かれるのはとある自動車事故。
    物語の語り手である藤原幸人は、その事故のため妻を亡くすのですが、運転手がハンドル操作を誤ったのは、マンションから植木鉢が落下してきたから。
    そしてその植木鉢を置いたのは幼い娘だと知った幸人は、娘に事故の真相を隠したまま15年間を過ごします。そしてある日、彼の元に過去をほのめかす脅迫電話がかかってくる。

    さらにそこから物語が進むと、藤原家自身に忌まわしい過去があることが語られていきます。幸人の母の不審死、藤原家が昔住んでいた村での中毒事件、そして幸人とその姉が巻き込まれた落雷事故。

    幸人と娘の夕見、そして幸人の姉である亜沙実は、夕見の言葉に導かれ、かつて住んでいた忌まわしい記憶のある故郷に戻ることになります。

    物語全体に漂う仄暗さは、ストーリーのシリアスさであったり、話の舞台が封鎖的な村で、その村の伝統的な風習が事件のキーになっていることも、一因としてはあると思います。村や風習、事件の不気味さや、どこかおどろおどろしい雰囲気は、横溝正史作品をどこか彷彿とさせます。

    一方で幸人が抱える家族への感傷的な思いも、語り口に抒情を添えます。自分の娘、父や姉、幼少期の母、それぞれにときに慈しみ、怒り、哀しみ、そして疑う。

    しかし幼いころの懐かしい記憶や、幸せな時代の記憶というのも確かにあって、それらが絡み合い語り口に現れます。

    それらの感情の置き所を、幸人自身が定めきれず、それが語り口に現れているような気がします。疑念と懐かしさ、苦く痛く悲しい思い出と、大切にしたい記憶。郷愁と暗い感情が時にまじりあう。なんとも言えない心情が、読んでいる間、自分も感じていたような気がする。

    そして起こる新たな事件。感傷的な描写から一転しての激しい雷の描写と、ストーリーは混迷を極め、そして見えてくる真実は…

    事件の真相が明らかになるごとに、やりきれなさと、運命の皮肉さ、残酷さというのをむざむざと感じてしまう。
    登場人物たちそれぞれのすれ違いと、雷という人智を超えた自然現象が生んだ複雑怪奇な事件の真相。それはパズラーといえばそういう要素もあるのだけど、それ以上にすれちがいと偶然が、こんな結果を生んでしまうのか、という一種の諦観、あるいは虚脱感すら覚えさせられる。

    普通のミステリとして読むと、個人的にはちょっと違う方向にいってしまった感も正直ありました。でも道尾ミステリ、あるいは道尾文学として読むと、ミステリとしての物足りなさ、それも人間の運命のままならなさ、それにあえぐ人間の哀しさみたいなものに昇華されているように感じました。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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