- 新潮社 (2016年9月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784101357768
作品紹介・あらすじ
騙されて江戸に来た13歳の少女・お末の奉公先「鱗や」は、料理茶屋とは名ばかりの三流店だった。無気力な周囲をよそに、客を喜ばせたい一心で働くお末。名店と呼ばれた昔を取り戻すため、志を同じくする若旦那と奮闘が始まる。粋なもてなしが通人の噂になる頃、店の秘事が明るみに。混乱の中、八年に一度だけ咲く桜が、すべての想いを受け止め花開く――。美味絶佳の人情時代小説。
みんなの感想まとめ
成長と再生をテーマにした物語は、江戸時代の落ちぶれた料理茶屋を舞台に、13歳の少女・お末が主人公です。彼女は、騙されて奉公に出た先で、無気力な周囲に反発し、店を再建しようと奮闘します。しかし、物語は単...
感想・レビュー・書評
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タイトルや表紙の絵とは違ったミステリ仕立てのある意味怖い作品。従姉妹の不始末のために、騙されて田舎から出てきた純朴な娘(お末)が周辺を巻き込んで成長して行く物語だが、そこに復讐が絡んでくる。従姉妹が殺された疑いがあったり、お末と一緒に店を向上させようとした若旦那に大きな秘密があり、モヤモヤした気分になる。全てが判明した時に「鱗や」は閉店となるが、残っていた店員たちが再生する。最後のシーンが感動的。お末と若旦那の将来が気になる。
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奉公に出た少女・お末と奉公先の若旦那が、傾いた料理茶屋を再建する話と思ったら、とんでもないミステリーで、予想外の展開、結末でした。時代小説、料理モノと言えば、シリーズ化されそうですが、一巻で完結です。
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表紙の絵の可愛らしさもあって、頑張る女の子の成長記録かしらと読みはじめましたが、そこは西條奈加、そんな甘酸っぱい物語では終わりませんでした。お末の真っ直ぐな目で見た様を描きながら、一方で人の業の深さ、恐ろしさを浮き彫りにしていきます。
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たまたま手にして読み始めましたが、面白く、あっという間に読み終えました。江戸時代の上野にある落ちぶれた料亭が舞台、主人公はひょんなキッカケでそこに駆り出され働く13歳の女の子、ということで、その子のドタバタサクセスストーリー的な短編系かと思いきや、本筋はしっかりミステリー作品です。主人公お末も可愛らしく応援したくなります。ほっこりするシーンや当時の料理の話しもあったり色々楽しめた1冊でした。
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江戸の料理屋に奉公に来た少女、お末が主人公。ミステリー仕立ての人情もので、読みやすかった。ほっこりというよりは切ない話だけど、読後感は良い。
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若旦那の優しさの内側と、お末の真っ直ぐな無垢さが心地よい。
読みやすいし、先が気になる講成でよかった。 -
続けて西條奈加さん。
題名から想像した内容とはかなり違った展開に面食らったが、バランス良く楽しめる一冊だった。個人的にはもう少し「繁盛記」の要素を楽しみたい気もするので、鱗やと仲間たちのその後の姿を観てみたい。 -
ろくでもない奉公先だった鱗やが、若旦那の手腕により見違えるような料理屋になり、それに応えるよう懸命に働くお末。
良い方へ良い方へと動き出すお話は読んでいて気持ちがいい。これはお末の成長物語なのかな、シリーズものとして続くのだったら嬉しいな、なんて思いながら読み進めると、段々不穏な空気が立ち込め、そして鱗やの存続に関わる事件が起きる。
けれどそんな苦況にもめげず、鱗やの再建に尽力する奉公人たち。そうして迎えた大団円。
シリーズものとして続きを望む気持ちも落ち着くくらい、きれいな終わりだった。
やっぱり西條さんのお話はおもしろい! -
久しぶりに西條奈加さんが読みたくなり購入。
良い物語でした。 -
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三流料理屋が新しい仲間を迎えて繁盛していく、読んでおいしい小説。
…と思って読んだら、ちょっと違う趣向が用意されていた。終幕は切なさと懐かしさが同居する読み味。
料理はおいしそうで、あたたまりそうなものが多いので今の時期ぴったり。
やさしい人がやさしく過ごせることの尊さを見る。 -
軍平はちょうど、よく熟れた胡桃のようだ。外側は無闇に硬く不格好で、しかしひとたび割れば、滋養のたっぷり詰まった甘い実が顔を出す。そのやさしさ故に、長いこと苦しんできたのだろう。
(P.263)
純粋な狂気は、躊躇いがない分残酷で、お末はその異様さに、恐さをとおり越して痛々しさすら感じた。しかし八十朗だけは、その狂気を平然と受け止めていた。
(P.304) -
信州の片田舎から江戸へ奉公に出てきた14歳の末は、奉公先の「鱗や」が話に聞いていた評判の料理茶屋などではなく、落ちぶれた連れ込み宿の様な所だと知る。
この「鱗や」がどう繁盛していくのかも勿論面白いのだが、一話事にミステリー色が濃くなっていき、それがやがて物語全体を覆う「鱗や」の過去、菩薩と慕われる若旦那の謎へと繋がっていく。
一冊の本の中に料理茶屋繁盛記と、奉公人と使用人成長譚、かなりえぐい過去の出来事と復讐譚がうまい具合に繋がっている。
でき過ぎの所もあるかも知れないし、若旦那の正体も半ばで大体想像はつくのだが、登場人物の人間関係が絡み合って飽きさせない。
田舎から出て来て一度は生きる希望を無くした少女の、客を料理で喜ばせたい思い、世話になった人たちの幸せを願う純粋な気持ちが控えめでありながら常に根底に流れており、嫌な事件や大人の事情、過去にこだわって前に進めない人々を知らず知らず救っているのも読後の清涼感の要因だと思う。面白かった。
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騙されて奉公に出てきたけど、結果良かったのか…
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働き者の娘が寂れた料理屋を大きくしていく話かなと思っていたら、なかなか血生臭い話が出てきたりと最後まで面白く読んだ。
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一流の料理屋を目指す若旦那とお末。だが、その裏には、悲しい復讐劇が。
騙されて、田舎から江戸の料理屋、「鱗や」に連れてこられた少女、お末。
だが、そこは、料理屋とは名ばかりの、曖昧宿のようなものだった。
主や女将、中居たちから、怒鳴られ、こき使われる日々。
そんな中、若旦那の八十八朗だけは、優しく接してくれる。
彼は、店を一流の料理屋にしたいという夢を、お末に語ってくれるのだ。
お末は、八十八朗の気持ちが嬉しく、彼の力になりたいと、心を明るくする。
話が進むにつれ、「鱗や」は、かつて名店であったことが分かってくる。
一流の名店が、なぜ、こんな料理屋に…。
その裏には、悲しい物語が、そして、それは、復讐劇へと発展していく。
明るいゴールが想像できそうな、単なるお店再生物語、少女の成長物語ではなく、
人の闇がちらほら顔を出して、結構、読み応えがあるものになっている。
主人公とはいえ、お末が、決して出しゃばらず、
それでいて、最後まで明るく、八十八朗を支えようとする態度が好ましい。
さらに、意地が悪かった中居たち、そして板前の軍平らが、徐々に、
団結していく姿も気持ちよい。 -
料理茶屋とは名ばかりの鱗やに奉公に出たお末。
持ち前の智恵と芯の強さと優しさで、店を改革使用とする若旦那を助けて、他の奉公人も巻き込んで、店を建て直していく。
でも、その裏には若旦那の悲しい過去が・・・
胸がすっとして、希望が見える終わりで、良かった。
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著者プロフィール
西條奈加の作品
