とかげ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.29
  • (218)
  • (429)
  • (1564)
  • (112)
  • (30)
本棚登録 : 4977
レビュー : 460
  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359120

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 今の自分と正直に向き合って、今生きているだけで十分幸せだと思えてくる。
    それは、心通わす人が側にいるから。
    この本は、そんな希望と優しさに満ち溢れています。

    特に「らせん」がよかった。
    お互いを写しあい、永遠に続くらせん。
    こんな愛情って、素敵ですね。

  • 最後のが一番強烈だったけれど、思いの外、後味が良かった。

    あとがきがやっぱりいい。
    「このような短編集を今の私はどうやってももう書くことができないけれど・・・」
    その時々に与えられる、極上の悲しみと喪失感、葛藤、閉塞感、孤独感。喜びやなんとでもなれと思う開放感。どれもこれも、その時にしか与えられていないのだから、もっと「今」を大事にしたいなと思わせてくれた。

  • どの短編も、心や過去に深くて暗い傷を負った主人公たちが、それでも今の幸せを信じて進んで行く物語。このような悲しい経験のない人でも、人生に虚しさを覚えることは誰しもあること。そんな人が、運命を信じて健気に生きていくためのきっかけになりうる本だ。

    大川端奇譚
    他人に明かすのがかなりはばかられるような性的な過去を持った主人公の恋物語。その過去が彼にばれた時、彼がすんなりと過去を水に流してくれた時に主人公はこう思うのである。
    「世の中は私があれこれ考えているから動いているのではなく、大きな渦巻きの中に私もこの人も誰も彼もがいて、なにも考えたり苦しんだりしなくてもただどんどん流れては正しい位置に注ぎ込まれていくのかもしれない」
    そう、人生というのは大きな渦巻きなのだ。抗っても仕方ない。ただ、その渦に身を任せて、リラックスするのが必要なのだ。

  • 解説で心にのこったこと。


     生きることはエネルギーのうねり。
     その波に乗れていれば、心は静かで
     少しでもズレると、希望か絶望。


     「癒し」の瞬間とは、別の空間へと
     意識のモードが切り替わる瞬間。
     身体にこもっていた気が一気に発散、
     視界が明るくなり、周りの景色が別の
     ものに見え始める。
     この瞬間がやってくるまでの間が
     重苦しくて、近づくほど重苦しい。


    納得、納得。
    そういうことだったのか。
    自分が感じてきたことを、言葉にすると
    こういうことになるのだなあ。

  • 「孤独」「運命」「受容」「再生」ということばが、浮かんできそうな短編集。「大川端奇譚」が良かった。2019.6.20

  • 2018.8.12読了。

  • H29.10.13 読了。

    名前はよく聞く吉本ばななさんの作品を初めて読んでみた。

    個人的にはあんまり合わないかも。というところ。
    最後まで読むかどうか悩んだくらい。

    なのだが、最後の『大川端奇譚』は、すごくグッとくるものがあった。
    あ、この人の文章、良いかも!
    と思った。

  • 「中吊り小説」掲載作がこちらにも掲載してあった。知ってたら、「中吊り小説」は買わなかったのに。というのが一頁目開いてすぐの感想です。

    初版は平成8年発刊ということで、実に20年も前の短編集。しかし古さは感じません。
    「大川端奇譚」はかなり好みです。そうですね、たとえば、女主人公の過去の乱交写真をこっそり送りつけられた彼女の婚約者が、「きれいな写真じゃない。何枚でも送ってくればいいよ。」って言うところなんかが特に。

  • 吉本ばななは『キッチン』に続き2冊目。
    色んな人の個性的な恋もようが描かれていて、なかなか衝撃的な物語も。
    でも読み終わる頃には暖かい気持ちに包まれている話が多かったです。
    個人的には表題作「とかげ」と「新婚さん」が良いなと思いました。

  • 代表作の「とかげ」がとても良かったです。
    生きていこうと2人で話す場面が特に好きです。
    その他の話は、私には合いませんでした。

著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

とかげ (新潮文庫)のその他の作品

とかげ Kindle版 とかげ 吉本ばなな
とかげ 単行本 とかげ 吉本ばなな

吉本ばななの作品

ツイートする