- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101359137
作品紹介・あらすじ
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う-祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中であなたに語りかけ、国境も時もこえて読みつがれるロング・ベストセラー、待望の定本決定版。"吉本ばなな"のすべてはここから始まった。
感想・レビュー・書評
-
あなたは、『家と住人の好みを』『どこで判断する』でしょうか?
他人のおうち拝見!といったテレビ番組があります。また、そんな赤の他人でなくとも、あなたの友達や親戚の家にふとしたことで赴く機会もあると思います。玄関扉を開けて、靴を脱いで部屋に上がらせてもらう、自分以外の家に踏み入るというのもなかなかに緊張感を感じるものです。しかし、少し落ち着いて部屋を見渡す時間が訪れると、さまざまに関心が湧いてもきます。そこには、あなたの家とは違う他人の生活が垣間見えてくるからです。
モノに溢れていると見えるのか、モノがなくスッキリと見えるのか、また、そこに何かしらのこだわりを目にするのか、自宅という比較基準をそれぞれに持つ中に、他人の生活の場を見る感情。どんな場所に目をつけるかも、そこにはその部屋に暮らす住人だけでなく、その部屋を見る人の価値観も具に現れてくる瞬間でもあると思います。
そんな中で、よく言われるのは『トイレを見る』とその人の考え方が見えてくる、ということです。人が生きていくために欠かせないトイレというプライベートな空間、そんな場をどう位置づけるかはその人の考え方が垣間見える場所と言えるかもしれません。
さて、ここにそんな初めて訪れた他人の部屋で、『どこで判断するタイプ?』とストレートに訊かれる女性が主人公となる物語があります。そんな問いかけに『台所』と、即答したその女性。そんな女性は『なんでも見てよ』という言葉の先に、『うんうんうなずきながら』台所を見てまわり、『私は、この台所をひと目でとても愛し』ます。
この作品は、そんな女性が身近な人を亡くした苦しみの中に生きていく物語。そんな女性のことを優しく見やる人たちの姿をそこに見る物語。そしてそれは、そんな女性が『幸福とは、自分が実はひとりだということを、なるべく感じなくていい人生だ』と気づくその先に、苦しみを乗り越えて新しい人生を生きていく様を見る物語です。
『私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う』のは主人公の桜井みかげ。そんな『みかげの両親は、そろって若死にして』おり、祖父母に育てられました。ところが、『中学校へ上がる頃、祖父が死』に、『先日、なんと祖母も死んでしま』います。『家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がここにひとりいる』現実を思い、『すべて、うそに見えてくる』という みかげは、祖母の『葬式がすんでから三日は、ぼうっと』過ごしました。『しかし!そうしてばかりもいられなかった』と、『部屋を探』す必要に迫られる みかげ。そんな時、『ふいにドアチャイムが鳴』り、『先日はどうも』と、『そこには田辺雄一が立ってい』ました。『住む所、決まりましたか?』と訊く雄一は、『母親と相談したんだけど、しばらくうちに来ませんか』と言い、『これ、地図』と みかげにメモを渡すと、『じゃ後で、と言って笑って出てい』きました。『祖母の行きつけの花屋でアルバイトしていた人だった』と雄一のことを思う みかげは、『正直言って、呼ばれたから田辺家に向かっていただけだった』と、雄一のマンションへと向かいます。『いらっしゃい』、『おじゃまします』と、上がると、『母親は今、店を抜けてくる』ので、『家の中でも見てて』と招き入れた雄一は『どこで判断するタイプ?』と問いかけます。『なにを?』と訊く みかげに『家と住人の好みを』と言う雄一は『トイレ』を例に出します。そんな問いに『台所』と答えた みかげに『じゃ、ここだ。なんでも見てよ』と言う雄一。そんな『台所』を、『うんうんうなづきながら、見てまわる』みかげは『いい台所だ』と思い、『この台所をひと目でとても愛し』ます。そんなところにドアが開き『ものすごい美人が息せききって』入ってきました。『日常にはちょっとありえない服装と濃い化粧で、私は彼女のおつとめが夜のものだと』理解します。『雄一の母です。えり子と申します』『明日からよろしくね』と挨拶する えり子は仕事が『全然抜けられない』と説明するとまた出て行ってしまいました。そして、再び二人になった部屋で、雄一は母親が『整形してる』と語り、『あの人、男なんだよ』と続けます。結婚していた『相手の女性がぼくの本当の母親』で、でも『小さい頃に死んじゃって…』と説明する雄一は、えり子は『女になることを決め』『その筋の店』を持って『女手ひとつで』『ぼくを育ててくれた』と説明します。『す、すごい生涯ね』と驚く みかげ。そんな みかげが、えり子と雄一の家で新しい日常を送る様が描かれていきます…という〈キッチン〉。身近な人が亡くなった中に残されたみかげ、そんなみかげを含めた三人のそれぞれの想いを垣間見る、そこはかとない切なさを感じる好編でした。
1988年1月に刊行され、これまでに200万部以上も売り上げられたという吉本ばななさんのデビュー作であり、代表作でもあるこの作品。三つの短編から構成されていますが、〈キッチン〉と〈満月 ー キッチン2〉は連作短編、〈ムーンライト・シャドウ〉が独立した一つの短編という変則仕様で構成されています。私は3年前から読書を始めた読書初心者であり、それ以前に本作を読んだことはありませんでしたが、それでも吉本ばななさんのお名前と作品の名前は知っていましたので、この作品は現代小説の中でも圧倒的な知名度を誇る作品なのだと思います。このレビューを読んでくださっている皆さんの中にも、レビュー投稿はしていないけれど、昔に読んだことはあるという方も多いのではないでしょうか?私は読書&レビューの生活3年目にして、初めてこの作品を手にしましたが、今から35年も前の作品ということで、古臭い感覚を味わうことになるだろうという予想の元に読み始めましたが、そんな予想は全く外れました。もちろん、電話の表現などに時代は感じますが、それ以上に瑞々しい新鮮な息吹をそこに感じました。それは、もう全編に渡って…と言って良い位に頻出する、美しさの極みと言っても良い絶品の表現の数々にこの作品が覆われているからだと思います。まずは、そんな表現を見てみたいと思います。
まずは、あるものを何かに比喩する表現です。
・『奇跡がボタもちのように訪ねてきたその午後を、私はよくおぼえている』。
→ もちろん『ボタもち』は現在でもあるものですが、少し時代を感じる表現かもしれません。”棚からボタもち”も思い起こさせもしますが、『訪ねてきた』という言葉との組み合わせなどなかなかに面白い表現です。
・『まるで殺人犯に自首を説得するような誠意を持って、私をまっすぐに見て、彼は淡々とひと言ひと言語った』。
→ 『殺人犯に自首を説得するような誠意』とはなんとも迫力を感じさせる表現です。まさしく、その場の緊迫感と真剣味を強烈に感じさせます。
・『初めて水っていうものがわかったヘレンみたいに、言葉が生きた姿で目の前に新鮮にはじけた』。
→ これは、凄い!と思いました。ヘレン=ヘレン・ケラーが水というものを知った感覚に比喩するというこの表現。『言葉が生きた姿で目の前に新鮮にはじけた』と続く清新な表現含め、これにはトキメキました!
次に、目の前の情景を美しく描写する表現です。
・『よく晴れた午後で、風も雲もなく、金色の甘い陽ざしがなにもない私の故郷であった部屋をすかしていた』。
→ 『金色の甘い陽ざし』という独特な表現も凄いですが、みかげが住んでいた部屋を『私の故郷』と言い切った上で、その情景を『すかしていた』とまとめます。みかげの心の内をも想像させる絶妙な表現です。
・『まだ若い月が、そうっと空を渡ってゆこうとしているのが目に止まった時、バスが発車した』。
→ 『まだ若い月』、『空を渡って』という比喩表現も美しいですが、『バスが発車した』という地上の動きを持って時間の流れを感じさせる絶妙さ。詩的な美しい情景が目の前に浮かび上がります。
・『私の心にどうしても春の風景は入ってこない。シャボン玉のようにくるくると表面に映るだけだ』。
→ これは、〈ムーンライト・シャドウ〉からの抜粋ですが、『春の風景』と『シャボン玉』の親和性を絡めつつ、『心』がいつまでも晴れない さつきの内面を表現していきます。
ごく一部をご紹介しましたが、こんなにもメモ、メモ…と言葉を書き留めることになるとは思っていなかったこともあって、余計に作品世界に囚われていく自身の姿を感じました。そう、この作品に見られる美しい表現の数々は35年という時間を超えて、私の心をすっかり鷲掴みにしたのです。これから読まれる方には、是非そんな絶品の表現の数々も楽しみにしていただければと思います。
そんなこの作品は、上記の通り実質二つの作品から構成されています。簡単にその内容をご紹介しましょう。
・〈キッチン〉〈満月 ー キッチン2〉: 『この世でいちばん好きな場所は台所』と思う 桜井みかげが主人公。両親、祖父、そして祖母と次々と身近な人を亡くした みかげは祖母の知り合いだった田辺雄一、母親のえり子(本当は父親)の家で暮らすようになります。そんな日々の中で『今、私に必要なのはあの田辺家の妙な明るさ、安らぎ』と感じる中に日常を生きていく みかげ。『神様、どうか生きてゆけますように』と祈る一方で『ここにだって、いつまでもいられない』と思います。
・〈ムーンライト・シャドウ〉: 『等はいつも小さな鈴をパス入れにつけて、肌身離さず持ち歩いていた』と思うのは主人公の さつき。『高校二年の修学旅行』で、『旅行委員として知り合った』ことをきっかけに、『それからおおよそ四年の間』『大恋愛』を続けてきた等と さつき。しかし、『神様のバカヤロウ』とまさかの交通事故でこの世を去った等のことを思う さつきは彼の弟の柊(ひいらぎ)と再会しますが、そんな柊はなぜか『セーラー服』を着て現れました。
二つの作品に繋がりはありませんが、不思議なほどに雰囲気感を共通としています。そう感じるのは、両作品とも身近な人、生きていく中で一番大切な心の支えを失った女性が主人公となり、その心持ちが切々とうたわれていくところにあります。唯一の肉親だった祖母を失った みかげは、祖母の知り合いだった『田辺家に拾われる前は、毎日台所で眠っていた』と、『台所』に居場所を見つけ、やがて、『しばらくうちに来ませんか』と誘われた雄一の家でも『台所』を相変わらず意識する中に、新しい日常を送っていきます。一方で、『高校二年の修学旅行』をきっかけに『大恋愛』を四年間続けた さつきは、そんな恋人であった等を交通事故で失い、彼の弟の柊と再会する中に彼の心の痛みも感じます。そう、みかげと さつきというそれぞれの主人公は、それぞれに大切な人を失い、生きていくこと自体の意味も失います。『いつか必ず、誰もが時の闇の中へちりぢりになって消えていってしまう』と思う みかげ。『彼が死んだ夜から私の心は別空間に移行してしまい、どうしても戻ってこれない』と思う さつき。そんな二人の女性が、それぞれに新たな居場所を見つけていきます。辛くて悲しい日常、それでも生ある限り、どうにか前を向いて生きていこうとする二人の主人公たち。そこには、そんな二人の存在をそれぞれに見やる身近な人たちの存在がありました。死んだ人たちと、この世に残る人との間の距離は越えることはできません。これは当たり前のことです。死者が死者の国に旅立ったのであれば、この世に留まる生者はこの世で新たな人生を生きていく他ありません。それは、死者を忘れるということではありません。死者のことをいつまでも胸の中に抱きつつも、しっかりと前を向いて歩いていかなければならない生者。二つの物語では、『何度も苦しみ何度でもカムバックする。負けはしない。力は抜かない』とそんな人生を生きていく みかげの姿が、『もしかしたら私にはまだまだやれることがある』と思うようになった さつきの姿が、吉本さんの丁寧な心の機微の描写の中に描かれていました。そんな中で絶妙と思ったのが、それぞれ異なりはしますが、物語の展開の大切な場面に”食”の描写が取り入れられているところです。この作品が執筆された時代の他の小説に”食”の描写がどのくらい登場していたのかの知識は持ち合わせません。一方で今の時代の小説には”食”は、人生の大切な場面を演出する重要なアイテムです。小川糸さん「ライオンのおやつ」など、人にとって欠かせない”食”が人の命を支えていく、活力を与えていくきっかけの役割を果たすことを見せていく作品は多々あります。『どうして君とものを食うと、こんなにおいしいのかな』という言葉の先に続く未来。もしかしたら、この作品は、そんな”食”に光を当てる物語の先駆けなのかもしれない、そんな風にも思いました。
“私の作品が人々の心にしみこむなら、必要としている人にだけでいいから、ちゃんと届くものを書き続けたい”と執筆当時の心境を語られる吉本さん。そんな吉本さんは”どんな深い悲しみも、時間がたつと同じようには悲しくない。そういうことの美しさをぐっと字に焼きつけたい”とも語られます。そんな吉本さんがデビュー作として書かれたこの作品には、身近な人の死を前に、その死を受け入れ、受け止め、そしてそれを乗り越えていくまでの戸惑いや葛藤、そして苦悩の日々が細やかな心の機微の描写の中に描かれていました。誰にもいつか訪れる身近な人との別れに感じ入るこの作品。そんな物語を彩る美しい表現の数々に心囚われるこの作品。
今までに200万部を売り上げたというその数字が伊達ではないことを感じさせる、時代を超えて語り継がれるべき傑作だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
吉本ばななさんの文章が読みたくなって、久しぶりに手に取った本。
いつ以来の再読だろう。
こんなに良かったっけ?
と思いながら、ゆっくりと読み進めました。
「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」
この冒頭の一行で、すーっと物語に引き込まれる気持ち良さ。
大切な人を失った喪失感と哀しみの中に生きる人を、優しく包み込み、勇気を与えてくれる。
誰でも、“生きること”が苦しくなる時があると思う。
そんなときに寄り添ってくれる物語です。
印象的な場面は、やっぱり“カツ丼デリバリー”かな。
どんなに苦しくても、食べることに救われる時もある。
なんか、ほっとする。
もう一つ収録されている作品が、
「ムーンライト・シャドウ」
これも大切な人を失う話なんだけど、すごく好き。
ちょっと不思議で、涙腺ゆるむ話。
読み終えてすぐ、もう一回読み返しました。 -
R1.8.31 読了。
ずっと気になっていた作品。大切な人を失くした空虚感にあったみかげを雄一とえり子親子に声を掛けられて同居することになり、徐々に新たな大切なものを見つけていく。
キッチン、キッチン2は、悲しみも苦しさも誰かを想ういとおしさも優しい気持ちも同時に味わえた。また、みかげが強く生きようとしている姿から勇気ももらえた。
ムーンライト・シャドウも不思議な感じはしたが、内容は良かった。
・「それでも彼女は圧倒的だった。もう一回会いたいと思わせた。心の中にあたたかい光が残像みたいにそっと輝いて、これが魅力っていうものなんだわ、と私は感じていた。」
・「なにが悲しいのでもなく、私はいろんなことにただ涙したかった気がした。」
・「本当にひとり立ちしたい人は、なにかを育てるといいのよね。子供とかさ、鉢植えとかね。そうすると、自分の限界がわかるのよ。それからがはじまりなのよ。」
・「まあね、でも人生は本当にいっぺん絶望しないと、そこで本当に捨てらんないのは自分のどこなのかをわかんないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに大っきくなっちゃうと思うの。」
・「もっともっと大きくなり、いろんなことがあって、何度も底まで沈み込む。何度も苦しみ何度もカムバックする。負けはしない。力は抜かない。」
・「偉大な人物はいるだけで光を放ち、周りの人の心を照らす。そして、消えた時にどうしようもなく重い影を落とす。」
・「幸福とは、自分が実はひとりだということを、なるべく感じなくていい人生だ。」
・「人の心には宝石があると思わせる。」
・「本当のいい思い出はいつも生きて光る。時間がたつごとに切なく息づく。」 -
人はいつも明るいわけじゃない。
寂しい時、悲しいときだってある。
大切な人を亡くしてしまった人たちの悲しみと、それを乗り越えるさまに引き込まれます。楽しい時、充実している時間を大事にしたいですね。
夢の中で会えるひとがいます。夢だとわかっているから、目覚めたくない。
現世って何だろう。
現世のほうが夢かもしれないし、夢のほうが現世かもしれない。
時空のゆがみから何かがみえてくるけれど、それは本当かもしれない。
いま、ここに生きている、ってとても繊細な空間で、壊れそうなもの。
それは人の気持ちで動くものなのかもしれない。
(みんな想いが強そうだったし…願えば会えるものなのかも)
見えているものがすべてではないし、科学が万能でもないよね~、と考えながら読みました。なにかとても染みました。ひとを想う気持ちは大事ですね。
これは再読すべき本です。世界中で読まれているだけのことはあります。 -
血縁関係だけが家族じゃない。
“家族”でなくても、いや、むしろ家族以上に、自分にとって大切な、そして、自分のことを大切に思ってくれる存在がいる。
人は、経験を共有すると関係が縮まると思っているのだけれど、その最たるものが「共通の知人の死」なのではないだろうか。
しかもそれが、親に類する存在の死。
死に対する喪失感の共有。
そこからともに立ち直ること。
単に恋人という枠組みにははめられない、運命共同体のような存在。
キッチンもムーンライトシャドウも、人の死と、おいしい料理を食べることが描かれていた。
大切な誰かの死は、自分にとっての人生の終わりなどではないのだ。
大切な誰かがいなくなっても、自分は生きていく。生きていける。 -
冒頭の一文が、とにかく好き。
一気に引き込まれ、物語の世界に入り込んだ。
大好きな作品の一つ。
-
人が死ぬことによって、近しい仲だった人々の心情の変化を、切なくも美しい文体で書かれていた作品だった。
この作品は、自分の今の気分や感受性の敏感さによって感じ方が変わると思うので、いつかまた読み直したいと思う。 -
人の死が何度も出てくるのに、その表現が幻想的で、現実と空想の世界を行ったり来たりしているような、不思議な感覚を覚える。
サラサラと読めるのに、さりげなく腕をとって振り向かせるような表現が素敵。
幻想的なのに現実的。ロマンティックな情景の描写が、人の心を打つ瞬間を捉え、登場人物の心情が波のように伝わってくる。
心通じてしんみり温かくなる、そんな後味のする小説だった。
-
2020/06/30
-
コメントに共感してくださって嬉しいです( ´∀`)
キッチンを読み終えた今でも、雨上がりのようなしっとりとした感覚が残っています。
さりげな...コメントに共感してくださって嬉しいです( ´∀`)
キッチンを読み終えた今でも、雨上がりのようなしっとりとした感覚が残っています。
さりげない文章に心ひかれて、また読み直すのもいいなと思いました。2020/07/02 -
もう10数年近く前に読んだのですが、もう一度読みたくなりました。
返信ありがとうございます。もう10数年近く前に読んだのですが、もう一度読みたくなりました。
返信ありがとうございます。2020/07/02
-
-
生きていくことを、温かく後押ししてくれる作品です。
大切な人を失ってから、それぞれの登場人物が立ち直っていく姿は晴れやかな気持ちにさせてくれます。
何かを失った時、落ち込んだ時にオススメしたい1冊です。 -
さら〜っとした優しい印象なのに、中心に通っているテーマが『死』。
言葉一つ一つがライトに辛辣なこと言ってますよね。
余計に重く感じます。
故に『生きる』ことへの真摯さだったり直向きさだったりが、ひしひしと伝わってくる感じでした。
著者プロフィール
吉本ばななの作品





