白河夜船 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3325
レビュー : 303
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359175

感想・レビュー・書評

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  • よしもとばななの作品は僕の肺に冬の空気のように冷たくスーッと入ってくる。

    僕は一時期(いや今もかもしれない)
    とてもよく眠っていたからこの本がすごく好きだ。

    それぞれの物語がとても美しく儚い。

    あとがきにあった
    「自分の人生の時間を配分するのは自分だけ」
    という優しい言葉に救われた。

  • 『しおりといると、人生の重みがずっしり来る時に、それが半分になるの。気持ちが楽になってね、別に何をしてくれるわけでもないのに、いくら気を許しあってもべたっとこなくてね、ちょうど良く優しい感じでね。』

    と、優しすぎることは冷たすぎること。が好みです。

  • 起きていることが困難なほど眠ってばかりいた頃この話を読んだので、なんだか自分の話のような気がして衝撃を受けました。

    ひとは眠り、夢を見ることで心の傷を癒すのだといいます。

    眠ることは怠惰のようでいて実はすごく体力を使ったりするんだけど。

    眠ることでしか回復できない傷もあるんだなと、思わせてくれる作品でした。

  • 夜のとばりをたゆたいながら、
    失った大切な人を想い、
    悲しみをゆっくりと消化してゆく人々を描いた短篇集。

    のんべんだらりと眠り続けることを肯定してくれるので、読んでいると心が安らぎます。
    私も悲しいことがあると眠り続けるタイプだからです。

    けれど、眠るだけ眠ったら、そこからはい出してまた歩き出さないといけないと、感じることのできる物語でもあります。
    傷ついた人達への控えめな応援ソングのようです。

    かきうつしたくなる秀麗な文章表現がたくさんあったのに、すぐ図書館に返さなければならなかったことが無念です。。

  • 読んでいる間はいつも、主人公と一緒にふわふわと夜に漂っている気分でした。

  • 人の出会いと別離、胸が痛む苦しさの中にほんの少し安らぎがある。記憶の中にある良き人間関係にはほんの少しトゲがある。そんな事を思い巡らせる文章、切なさに漂う心境になるも前進しようと踏ん張ってみる。

  • 涼しい風がカーテンを揺らしてるのを
    ひんやり見ている感じ.
    浸れて、眠くなる.

  • 2017.3.28 湯ぶねに浸かって。

  • 表題作の、親友を亡くした現実から逃れるために眠り続けてしまうお話
    恋人を亡くしてしまう毬絵の「夜と夜の旅人」
    恋のライバルを失った文の「ある体験」
    の三部作で、どれも大切な人を失った人のお話です。

    ストーリーとしては暗いもので、
    読んでいると静かに沈んだ気持ちになります。
    疲れているときに無性に読みたくなります。


    私は白河夜船が一番好きです。
    夢か現かわからない曖昧模糊とした世界に
    鳴り響く電話の音が切なくも愛しく感じます。

  • 読んでいてふかふかと包まれているような気持に

    なんだか、体が疲れすぎて眠りづらくなった時に、読み返したくなった本。

    眠くて眠くてしようがない人のおはなし、とざっくりとした記憶で10数年ぶりに読み返してみたところ、こんなハードな設定でしたっけ、と冒頭からおののいてしまいました。

    これを読んだ学生時代、朝4時起きのバイトから、ときに夜10時まで働き、ときに朝10時台から夜9時までひたすら授業を入れてみたり、かと言えば1日、2日休みで、20時間眠り続けたり、1時間も寝ないといったようなとかく睡眠がおかしくなってしまった時期で、寺子のその眠れない症状のみを我がことのようにして読んでいたのだ、と今思います。

    今、私の眠りについては平常を取り戻したのだと、この本を読んで思い知ったのです。

    昼に寝ることなんてないから、とカーテンを遮光からおしゃれな光を通すものにして、まぁ時に夜更しすることもあれど、具合でも悪くしない限りは昼夜普通に過ごせることが普通になっていました。

    そんな具合で、人それぞれにハードっぽい設定があったりなかったりするのが人生、そんな人生に、たまに大きな、天啓とも呼べるような出来事が起こるのを各話にあつめたようなばななさんの本。

    やっぱり、登場人物たちのことばまわしが、読んでて心地よいなぁ。

    肌触りが好きな作家さんなのです。読んでいてふかふかと包まれているような気持になりながら、ああ、もう少し肌寒くなったら「デットエンドの思い出」読み返そう。
    と決めるヒロセでありました。

著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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