赤ちゃんのいる日々―yoshimotobanana.com5 (新潮文庫)

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レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359229

感想・レビュー・書評

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  • p11?〜、すばらしい山下書店に行って、品揃えにうなりつつ、本を買って帰った。
    私も本屋さんでバイトしたいたのでよくわかるけれども、あの狭い店内、限られた棚に、どうやって「そのジャンルでは注目の本」を入れて小宇宙を作るかが大切なのであり、広さ大きさは関係ないのだ。ちょっと見れば、すごい目利きが選んだということがちゃんとわかるのだ。?
    p16?本当にすごい人は、絶対にそのことを自慢しない。しなさすぎて気が抜けるほどだ。?
    p83?高級中華なのに赤ちゃんオッケーで素材最高なのだが、店のお姉さんがどたどた歩いて、がしゃんと皿を置くのでちょっとがっかりした。決して取り分けてもくれないし。いつもそこの印象がいいのは、係の人がすばらしかったんだ、とあらためて思った。猫のようにすうっと歩いてくる人だった。それで味の印象まで変わるなんて、驚いた。?
    p87?田中一村の絵を見に行く。
    すばらしすぎるものと、どうでもよすぎるものが混在していた。すばらしすぎるものは、世界的なすばらしさなのだが、どうでもいいものは、ほんとうにどうでもいいものだった。悲しい気持ちになる。不遇だったのではなくて、やっぱり実力不足なところがあったのかと。それから、どうして、自分の好きなものをもっともっとつきつめていかなかったのだろう?という気がした。好きなものを描いては、人の目も考え…そういう感じがした。認められないということが、人をそうさせてしまうのだろうか。いや、違う。違う画家がたくさんいた。自分の作品に対する態度も含めて、画家なのだろう。?
    p92?母乳をやめるときの感じには、ちょうど男女が別れるときの悲しい重苦しさがある。人間の全ての感情は、ほんとうに三歳までに作られるんだ…と愕然とした。?
    p99?〜幸せって小さいもの。でも永遠に残る思い出になるもの。?
    p118?お金儲けでもなく、自分の技術に酔いしれるのでもなく、人がちょうど手を抜きたいところやなまけたいところ(たとえば休み時間を早く取りたい時刻とか、急にすごく面倒くさい大変な患者さんが来るとか、ちょっと適当にやっても目立たない虫歯の場所だとか)ほど真剣に、丁寧に、よし!と心を切り替えていっしょうけんめいやってくれるこの先生を、私はプロだなあ!といつでも思う。?
    p142?〜結婚と恋愛って、違うんだなって。私が矢野くんと結婚したかったわけではなくって、なんとなく。彼の頭脳とか顔とか動きとかだけじゃなくって、彼の優しさとか、だめなところとか、持ち物のくせとか、仕事しすぎとか、そういう全部を包括する生活が結婚なんだなあって。恋愛っていうのは、ピンポイントでぐっとするものなのだなあ。二十四時間じゃないんだ、きっと。?
    p159?〜あれほど仕事ができそうなキレのある人をなかなか見かけない。ジャンルが違う世界でも、優秀な人ってすぐわかる。?
    p190?〜何事も一方的なことって、傲慢さを(たとえその人にはそんなつもりはなくても)感じてしまうのが人間の性だろう。人は人と何かしらでつながっているものだから。?
    p201?〜特に気になったのは「トマトが異常に好きという状態は、別れのつらさを感じている人に多い」という部分だ。?
    p204?BGMは深夜のクレイジーケンバンドのライブだったけれど、〜ちょうど彼らの「やればできるよできるよやればやるしかないんだからやらなきゃだめなのよ」という内容の曲がはやっていて、とても励まされたことを思い出した。?
    p221?〜やはりはじめのパッションを失わない個人事業はむつかしいものだなあ、とか。?
    p224?〜頭の中だけで考えないで、体を使うと意味がでてくる。そう思うと、ひきこもりの人とネットの関係は「体がぼんやりとしてきて、輪郭がどこからどこまでかわからなくなっている」という意味できっとぴったり来るんだろうなあ。?
    p240?よく悩んでいて「自分がいちばんつらい」と思う人がいるが、絶対にもっと大変な状況の人が必ず存在する、そのシステムとよく似ている。あと格闘技。「あの人がいちばん強い」とおもったら、絶対にその上がいることだし。宗教家も。つまり人類のいるかぎり、名もないかもしれないが上が絶対にいるということだ。
     そう思うと、つらいときでも動けるし、比べる空しさもわかるし、謙虚にもなる。?
    p249?〜「13歳のハローワーク」を読む。感動して泣くような本でもないのに、たんねんに読んでいるうちに泣いてしまった。この本にこめられた愛のようなものが、あまりにも大きくてていねいでばか力を使っていたからだ。?
    p225?奈良くん写真のよさって、彼の独特の世界が実写になっているところだと思う。彼の目線のすご〜く変わっていることがよく伝わってくる。茫洋としていて、うす暗く、でも淡く輝いていて、ちょうど冬の曇った日みたいな世界。輝くベージュの色の世界。?
    p259?すごくぱりっとした賢そうな人々はやってきて、普段受けないタイプの媒体の取材って受けてみるといいなあ、と思った。いろいろ新鮮で、いい時間を過ごした。質問もシャープで、いろいろ考えること自体がエキサイティングだった。?
    p264?ふと思う。みんな「甘えちゃいけない」とか「がんばれ」とか言ってやたらにがんばっているが、赤ちゃんなど見ていると、寝ていて目が覚め親がそばにいないくらいで、ひとりだったくらいで、悲しくなるような生き物、そもそもそれが人間のスタートなのだ…。豹うや亀とはわけが違う(?)。
     私の知っている「とんでもなくがんばれる人」というのは、みんなそのベースになる感覚がしっかりしている人ばっかりだ。つまり周囲の人との距離のとり方と甘え方が上手で、しっかりと赤ちゃんのときに目覚めたら親か誰か面倒みてくれる人がいてくれた人。無理をしすぎない人。ちゃんと世界を泳いでいうくのに必要な感覚を育ててきた人。〜?
    p296?天性のもの、というよりも自分を見極める力というか、自分がどこまでやれてどこはむつかしいいかというのを普通に分析できる客観性というのは大切だと思います。興味をもてないことをいくらやってもそういうのは無駄な努力になると思います。考えてやったことって底が浅くなる気がする。ばくぜんと狙いを定めておいて、あとは毎日を一生懸命やって、客観性を捨てない、謙虚になりすぎない、などいくつかポイントをおさえておくと、いつかはなんとかなることが多いです。人と比べるのが、いちあbん時間のむだだと、私は最近とみに思います。「いいなあ…春樹は、分量が書けて…」これが私の今の正直な気持ち。でも「くだらん」とみなさんがおもうでしょう、そういうものだと思います。(2003.07.03)?
    p275?ばななさんこんにちは。
    先日の回答の、?今、この瞬間を充実させる?のところは、私もほとんど同じ心境にたとりついているので〜簡単なことです。ほんとうに。
    それは「じゃあこのままずっとここにいたら、どういう気分?」と考えて、「あと三年はいれるわ」と思ったら、そのままとりあえず続けるのです。もしも考えただけで体調が悪くなったらやめてしまえばいいのです。出口がなくなり、先が見えなくなるまでそこにいたのは自分のなまけだと謙虚に受け止め(途中で風穴をあけるチャンスはたくさんあったはずだから)、したいこととか力がわいてくるようなことをするのです。でも、したいことに向かう力もわいてこないようなときには全体が疲れているので、休むのです。
    こういうことを書くと「現実はそんなに甘くない」というやからが必ず出てくるのですが、それは嘘です。現実は厳しいからこと、そうやってシャープに現実的に対応していくのですから。(2003.12.06)?



  • 再読
    2003,7-2003,12

    松陰神社の山下書店、またまた登場w
    世田谷通り沿いの肉まんはルーガンだな

    本当に「赤ちゃんのいる日々」って感じで、
    よしもとさんの苦手なところが薄めで読みやすい巻でした

  • 赤ちゃんと一緒に生活することは、きっと大変なことの方が多い。でもかわいらしさや楽しさの方が大きい。私にはこどもはいないけれど、素直にそう思えました。友人達に次々とこどもができ、今までの優先順位が変わってしまい、寂しい思いや、まぁ嫌な思いをしたこともあったけれど、この本で母となった人の本音を知ると、あの頃赤ちゃんのいる友達にたくさん会いに行っておいてよかったと思えました。ばななさんはやっぱり嘘がなく、正直な方だと思います。

  • つまらない

  • 読んでしまう。人の日記を読む不思議。
    難産怖い…でも赤ちゃんかわいい。
    動物もたくさんいる家なので参考になるところも。アトピーかー。

  • 「みんな相手が家に帰ってくると『どこ行ってたの!』なんていうけど、なんで今目の前にいるのに、いない時間のことでもめるのかさっぱりわからない」(岡本太郎の妻)




    よしもとばななさんはレダのノートを使って本を創っている。ボダムで売っている?



    カウブックス という本屋



    簡単なことです。ほんとうに。
    それは「じゃあこのままずっとここにいたら、どういう気分?」と考えて、「あと三年はいれるわ」と思ったら、そのままとりあえず続けるのです。もしも考えただけで体調が悪くなったらやめてしまえばいいのです。出口がなくなり、先が見えなくなるまでそこにいたのは自分のなまけだと謙虚に受け止め(途中で風穴をあけるチャンスはたくさんあったはずだから)、したいこととか力がわいてくるようなことをするのです。でも、したいことに向かう力のわいてこないようなときには全体が疲れているので、休むのです。
    こういうことを書くと「現実はそんなに甘くない」というやからが必ず出てくるのですが、それは、嘘です。現実は厳しいからこそ、こうやってシャープに現実に対応していくのですから。


    ***************

    ばななさんの日記。読むの二冊目、かな。安定の日常感がおもしろい。
    全編を通じて伝わってくるのは、その時その時を楽しく生きよ、今を大切に、肉体を使ってこの世を生き抜け、という、そういうことな気がする。
    無性に子育てがしたくなった。しかも、生んだ直後からの、母乳からの一連の子育て。そうなると、里子はあきらめなきゃなのかなぁ。

  • 読み進んでいくごとに子供を産みたくなる。Q&Aの最後のお返事にココロうたれる。

  • だいすきよしもとばななのエッセイシリーズ
    今回は、
    『赤ちゃんがこんなに面白いとは誰も教えてくれなかった』
    よしもとばななの子育て日記

    なんだろー林真理子みたいに
    特別凄いとこにいってるとかそういうわけではないけど、
    なにやら心惹かれるんだなあ。

  • (「BOOK」データベースより)
    出産から約半年が過ぎた。子育ては体力だと痛感する。仕事はいままでの何倍も時間がかかり、ストレスと寝不足が続くとたちまちおっぱいも不味くなるらしい。それでも赤ちゃんと意味もなくたわむれていると、これこそが人生だと思えてくる。疲れることする素晴らしい、と感じる。家に明かりをつけて、愛する人とごはんを食べて―人間を幸せにするものは、やっぱり人間なのだと思う。公式ホームページの日記とQ&A。寝不足にもめげない育児日記。

  • 読みながら、ばななさんは母乳育児をがんばっていたのだなと分かった。私も完母は無理だろうけれど、できるだけ母乳でがんばっていきたいので、桶谷式のマッサージとか食べるものが即乳に現れる生活とか、全然科学的なことが書いてある訳ではないのだけれど、タイトル通り「赤ちゃんのいる日々」が浮かんできて読んでいて楽しかった。あと、赤ちゃんと触れ合いつつ、家に閉じこもらないであかちゃんと一緒にいろんな人に会っていろんな所へ出かけているのもすごいいいなぁと思った。それを許してくれるような環境というものもあるのだろうけれど、今赤ちゃんを連れて外出することにすごく不安を抱いているので、怖れずに外へ出て行こうと強く思う。
    Q&Aの「先のことは思わず、生きている間をただ必死に充実させて幸せに」という回答の中の一文がすごく心に残った。

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