みずうみ (新潮文庫)

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本棚登録 : 2201
レビュー : 190
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359328

感想・レビュー・書評

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  • 大人になる気はなくても、こうして人は押し流されて選んでいるうちに大人になるようになっている。選ぶことが大切なのだと思った。
    毎日の中では、人は自分の見たいものだけを見るのだ。
    心に残ったフレーズ
    人生の中で深くて暗い部分に落ちるときがあるしそんな人の部分を見てしまうときもある。自ら傷つきにいくわけでもなく、かといってなかったことにはせず、自分の人生とちょうど良い具合で向き合う、そんな人物が彼女の小説の中には描かれていると思う。
    それから人を好きになること、愛おしいひとから愛されること、とても幸せなことだな

  • 特別な関係のふたり。こんなの恋愛じゃなくてボランティアだ、なんていってるちひろちゃんが可愛かった。恋愛っていってもカップルごとにいろんな形があって全部違う人間の組み合わせだから、お互いがリンクする幸せのかたちもそれぞれ違う。この2人ってなんだか特別だなって思って読んでたけど、途中から普通ってなに?って思えてきた。話を引き出してスッキリさせてあげるのも愛情、なにも聞かずにそっとしてあげるのも愛情。
    この2人の間には、相手に対する欲がない。こう接してほしいとか、こういうとこ直してほしいとか。ありのままの相手を見守ってて、相手の幸せを心から望む。親子愛や兄弟愛に近いものも感じた。
    お互いがそういう人間だからこそ成り立つ関係性。自分の今と照らし合わせて、ちひろが中島くんに対する気持ちなんか、結構共感する部分が多かった。このストーリーに今の自分を肯定されたようで良い気持ちになった。

  • 久々に読んだばななワールド…うーん、やっぱり素晴らしい

    吉本さんの小説には少しだけ欠陥のある人々がよく出てきますが、今回の中島くんはなかなかの重さ。笑
    けれど主人公のちひろが本当にいい味出してる!
    中島くん、両親、周りを取り囲む人々をことごとく「許して」いく様が特に良い。
    それが決して諦観から来る感情でなく、彼女なりの哲学で理屈っぽく「許して」いくので、いちいち納得してしまう。
    おおー久々にどっぷり読みふけった!さすが吉本の血だー
    特に好きな149頁

    「ものごとはそれぞれの立場でごく普通に違うものだ。違いを正すために戦うことだけが大切なのではなく、違うということを知りぬき、違う人々の存在理由を知るのがいちばん大事なのだと思う。
    私は、私の立場を貫くのが仕事で、そのためにはもっと技を磨かなくてはいけない。知名度がいくらあがっても、永遠にその食い違いは続くので、根本のところでは私の絵が下手なのはあまり問題に関係ない。

    でも、違う。自分に自信があれば、違いをもっとすっと貫けるのだと思う。
    そこが大切なのだ。」

    確かに確かに確かに、そこが大切なのだ!

  • このお話はフィクションのはずで、だから安心して読めるはずなんやけどどこか生々しくて本当に中島くんみたいな人はいるんじゃないかと怖くなる。

    カウンセラーになりたかった高校時代、心の病に関する本は随分読んだけど、そのなかの「ジェニーのなかの400人」を思い出した。
    もち網を形見として脇に挟んで寝る中島くん…

    行為が滑稽なだけ、余計痛々しいよ。。

  • 人から薦められた本を読むときって、
    何か楽しいですねー。

    相性の良い人が薦める本。
    あの人はどこが好きなんだろとか、
    何でこの本を薦めたんだろとか
    考えたりしながら読める。

    そんな本でした。

    あっ、まだ紹介はしていまんね。
    世の中の流れからちょっとずれた青年たちの恋物語
    っていう風に読んでました。
    だれでも少しずつずれてるかもしれないですしねー。

  • 夢の話のよう。
    人のみた夢の話を聞いた。そんな後味。

    不思議で、夢みたいなんだけど、そうゆう生活・人生を送ってる人(自分と同じ時代なのに違う世界)もいるんだろうなと思ってしまう。

    そうゆう人となかなかお話する機会がないから、「本」になるのかなって思ってしまいました。

  • 「人の大変な話を聞くということは、もう、お金をもらったのといっしょで、絶対にそのままではすまされないよ。聞いたという責任が生じてしまうの。」

    ちひろと中島くんのように、あれたら、いいのに。

  • 大好きなママが、パパとの自由な恋を貫いてこの世を去った。ひとりぼっちになったいま、ちひろが一番大切に思うのは、幼児教室の庭に描く壁画と、か弱い身体では支えきれない心の重荷に苦しむ中島くんのことだ。ある日中島くんは懐かしい友だちが住む、静かなみずうみのほとりの一軒家へと出かけようとちひろを誘うのだが……。魂に深手を負った人々を癒す再生の物語。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    なかなか面白かったぞー!
    よしもとばななの作品ってなんか…うーんと…死に近いよね!
    あとなんかもう一個思ったことがあったんだが…
    不思議な宗教団体に誘拐されて…
    そこは親と別々に寝るがーみたいなのってなんかよく本であるが、昔にそんな事件があったんです?
    わからぬ…
    餅網脇に挟んでたとこで、これってもしかして変?そんなことない、ここは家の中なんだから的な話のとこ!!
    あそこ、なんか、良いこというなーと思ったのにレビュー書く前に本返しちゃったから確認できない!笑

  • 先月三島のクレマチスの丘に行きました
    ミュージアムショップNOHARAに
    この本が置いてあって
    ミュージアムショップで小説販売?
    と疑問に思い読んでみました
    クレマチスの丘が登場するのかと
    思っていたのですが、登場する地名は
    下田やパリでした
    ショップの選書理由は
    主人公のちひろが
    壁画画家だからでしょうか
    いずれ取り壊されてしまう
    刹那的な壁にだって絵を描いている
    そんなちひろの彼は
    なんだか難しい生体の研究をして
    パリへの留学を試みている院生
    そして子供の頃に
    宗教団体に誘拐され両親と離れて育つ過去を持つ
    そんな話どこかで読んだなあ、その答えは
    八日目の蝉でした

  • よしもとばななさんの作品は痛いこともすべて使い馴染んだ毛布でふんわりとくるまれているような錯覚に陥るから不思議。

    今回の作品はさらにその感じが強かった。
    やわらかいペールブルーがふわっと広がる世界。

    ところどころにグレーの雲がたちこめるけど、
    ちゃんと馴染みの毛布につつまれているから大丈夫。

    そんな安心感を持って読めた本。

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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