自転しながら公転する (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.07
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本棚登録 : 2141
感想 : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101360638

作品紹介・あらすじ

母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 物事の捉え方は人それぞれ。
    だから、普通にとらわれる。
    幸せでなくても、いいんだ。
    地に足つけて、自分でいられれば。
    だって、自転しながら公転するんだもん。
    その時、笑い合える相手が運命なのかも。

  • 32歳独身女性のリアルが描かれた本
    正直32歳にもなってどうしてこんなに子どもっぽいんだ…?と思ってしまった
    とはいえ、精神疾患持ちの母親を実家で父と二人三脚で支える生活は、必然的に娘を子どもの立場にしてしまう気がする
    子が親を親にすると言うように、親も子を子にしてしまうのだろうな

    ✏お洒落な人は狭量だと言われたことを思い出した。  お洒落とは人との差異だから、それはそうだと思った。

    ✏何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。  幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失くしていく。

    ✏心配するとは、束縛することと紙一重なのだ。

    ✏正しいことだけを言う人間は、自分のことを完璧に整合性のとれてる存在だと思い上がっている。

  • 単行本がでたとき、5分の2も読まないで返却しました。
    こんなことはこの一回だけです。
    (読まない時は早々とやめている)

    このたび文庫本を読んで、
    どうしてそんなことになったのか思い出しました。
    うちの母も不定愁訴で、私が通院に付き添っていたんです。
    それで中断して母にまわし、
    結局返却日がきたので後で借りればいいやと思い
    返してしまったのでした。

    さて、私はこの一ヶ月で山本文緒さんのエッセイを7冊読みました。
    だから、彼女がうつ病でご主人が休職した経験などが
    反映されているんだなーと思いました。
    うつ病治って、ようやく書き上げることができた作品なんですものね。

    ところでタイトルですが、私が思うに
    自転は自分が変化していること
    公転はまわりが変化していることではないかと。

    固定観念にとらわれず、どんどん変わっていく自分と周囲の出来事に対して臨機応変に対応していく
    そんなことを表わしているのかなと思いました。

    それはともかく、まんまと騙されましたよ。

  • 表紙の写真もタイトルも大好きすぎる!
    主人公のカオスな人生、読ませてください!って思いながら手に取りました。笑

    山本文緒先生の本を初めて読んだのですが、「うわー、、都のこの気持ち分かるわ〜〜」、と共感できることが多々ありました。桃枝目線のところを読むと、親の立場から子供の成長を見るのってこういう感じなのかと親の気持ちも読めて面白かった。エピローグ前の、最後の終わり方はほんわかな気持ちにさせてくれて素敵でした。
    エピローグを読んで「ん?」ってなって数ページ後にようやく誰が語り手なのか気づきました。((遅い…笑))
    子供目線、親目線で交互に変わって語られるのが読んでいてとても面白かった。エピローグ読んだら、もう一回語り手が分かった状態で一からプロローグを読み返してみようかな。

    本作を読む前に、辻村深月先生の『傲慢と善良』を読んだからか、ちょくちょく思い出しながら読んでました。都がボランティアするところとかは、真実と似た行動してるなぁと思いました。言葉が容赦なくグサリと刺さった方は『傲慢と善良』かな。

    "結婚"のことを違う言葉でいうと"連帯責任"。なるほど、としっくりきました。

    P.653
    「別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ」

    自転しながら公転して、明日も頑張ろう自分!

  • 話題の文庫本で店頭に並んでたので、何となく読みました。山本文緒さんは初めて。
    アラサー女のリアルがここに詰まってるというのが最初の感想。というより読み進めていくうちに、「あれ。これは私か?」って思う。自分の正当化したくなる、ずるさを文字にして説明されているような感じがして、ああ自分って結構狡猾で自分本位だよねってなる。痛いところを突かれて、読み進めながら自分への嫌悪感が大きくなるんだよなあ。でも、読んじゃう。

    最後の解説を読んで愕然としたのですが、山本文緒さんお亡くなりになってたんですね。お恥ずかしながら知らずに、この人の作品色々読もうとか呑気に思ってました。なんかこの先この人の作品が増えていくことはないんだと思うとなんて惜しいことなんだと。私なんぞ1冊しか読んでないんだから、遡れって話ですね。
    この世にあるものを目一杯読ませて頂こうと思います!

  • 量も内容もなかなかにヘビーな小説。
    人間の嫌な部分をよく見て書いてるよなぁと思う。主観も客観でも。

    開幕から「ちょっとでもしくじったら…狭量な人々」でしっかりと日本の嫌な国民性に言及。
    中卒青年に対して「未来のない男に溺れて時間を無駄遣いするな」と言う父。
    「お洒落な人って狭量な面があると思います」とはっきり言うそよか。

    すごく人間のダークな部分に切り込むから目を逸らしたくなるけど引き込まれる不思議な小説。

    「何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく」

    この文章にはすごく大事なことが秘められてると感じた。

    冒頭と最後の娘の結婚のシーンが必要か否かと言うのが議論されていると解説に書かれていたが個人的には有り派。
    都はニャン君と結婚したのかな、と最初は思いつつ途中からアレ?と思わせる流れも冒頭があったからこそだし、エピローグまで書くことで人間性を描く上では必要だったと思う。

  • 読んでいて、ぐさぐさと胸に突き刺さる文章がたくさんありました。

  • 都と同じ30代前半だけども、ちょっと幼いなぁと思った。
    でも、「年齢だけはいい大人なのに、ちっとも大人じゃない」ことに気づかされるできごとへの分析や、言語化される心情は、その通りだなぁと頷くことも多かった。
    色々経験したからこその都の仕事の上での立ち回りが、よりいっそう「年齢はとりあえずいい大人」感を際立たせていてよかった。
    20代じゃうまくできなかったことも、30代だからできること、あるある。

    個人的には そよかちゃん の正論がビシビシ響いた。

  • 連載小説を単行本化する際にエピローグとプロローグを加筆した作品。これがあるのとないのとで、作品の印象が変わってしまうのに驚いた。

  • 都が貫一と出会って、仕事に恋に、介護と家族関係に悩みながら人生を模索する物語。
    やはり同年代の女性のモヤモヤとした感情を文章でよく表現してくれていて、現実離れしていない等身大の物語構成が身に染みる。彼女の遺作なのか、少し心が傷んで泣きながら読んだ。

    最後は清々しく終わり、痛みも喜びも全てが人生なんだと気づけた、あったかい小説だった。

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著者プロフィール

1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞を受賞。著書に『ブルーもしくはブルー』『再婚生活』『アカペラ』『なぎさ』『自転しながら公転する』など多数。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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