- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101361253
感想・レビュー・書評
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絶対音感、騒音測定、盗聴器、梵鐘の音など、『音』を切り口に、社会や様々な人間関係を見つめる視点はとても新鮮で、物語の中で悩み、苦しみながらも懸命に日々を生きていく登場人物達についても、しっかりと体温を感じる事ができた。
ラストでも、2人の人間(男)ともに望む人間関係を得られずに全くハッピーエンドにならないところがなんとも切なくて逆に良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
騒音鑑定士の物語。正直、あまり覚えていない。
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(13.08.06)
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『グラスウールの城』『パッサジオ』『アンチノイズ』で辻 仁成の『音の三部作』とされているらしい。
先日、ふと『グラスウールの城』を読んだので、この作品も読んでみることにした。
音についての描写も、「さすが辻 仁成!」と思わせるものだったけども、それと同等に性的な描写(つまりHなね)にも多く頁が割かれていてアレだった。
音にしても、性的なアレにしても、その中にある感情・・・微細な葛藤だとか、深い愛情だとか、苦痛だとか、そんなのを感じることができた。
聴くとはどういうことなのか?深く考えさせられた。ぼくらは確実に、聴き分けている。
で、アンチ・ノイズ!
この作品の評価は高くないみたいだけど、僕は好き。
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【内容(「BOOK」データベースより)】
ぼくは騒音測定の仕事をしている。恋人のフミとは同棲中だけど、最近はキスも拒まれてうまくいってない。それでテレクラ嬢のマリコとよく会っている。見えない音をかたちに表す“音の地図”作りが趣味だ。そんなある日ぼくはふとした盗聴をきっかけにフミを疑い始めてしまった—。聞こえているのに聞き分けられない、愛しているのにつかまえられない。都会に潜む声と恋を追い求める長編。
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作者の「耳の三部作」と呼ばれるものの一つ。
主人公は、ヘッドホンから流れる大音響をエネルギーにしながら、区役所の環境保全課で騒音の苦情調査をしている。私生活では、半同棲するフミの隔てを置いた態度に傷つき、テレクラ嬢のマリコと体を重ねる。そんな主人公がふとしたきっかけで「音の地図」を作り始め…。
矛盾だらけだ。なんだか息苦しい。「音の地図」によってすべて充たされるかと思いきやそうではない。フミに隠されていたナゾがあれだったとは、ちょっと拍子抜け。な~んて、とりとめのない感想になってしまった。 -
日常と、音と、気持ちの組み合わせが面白かった。
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あたしは多分辻さんの作品とは
相性が悪いみたいです。
サヨナライツカと
冷静と情熱の間はすきだったけど。。。
どぉも辻さんのかく、男性が好きになれません。
盗聴なんてしかける男なんて
ぜったいいやーーー -
騒音調査をしている公務員の主人公。
セフレのマリコは無線の資格を持っていて、盗聴癖あり。
調理師の郁夫は息子に父親の顔を見せたいが、別れた奥さんに教え込まれたGシャープのせいで、「他人」と認識してしまう。(血の繋がりがあってもやはり。)
音楽家の家庭って
こういう価値観の違いで離婚とかに至っちゃうのかなぁ。
ってしみじみ。
様々な「音」が交錯し、
同時に様々な「人間関係」も交錯していく。
音だけになんだかほんとリズムがあってすごい読みやすかった。 -
ロック好きで、バンドを組んでいた男が、区役所の騒音測定の仕事をしている。音の地図づくりが趣味となり、梵鐘の聴こえる地域などを調べてまわる・・・
こういう展開だがら、「音」が重要な役割を果たしている。離婚という事態に向かっている調律師の友人、妻とのピッチ感のずれが、その原因だという。
音の感覚の鋭さは、音楽も生業とする作者ならではのもの。
辻仁成らしさがよく出ている作品。