- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101363813
感想・レビュー・書評
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「星空をみたら読みたくなる小説5選」の1つ目にあったので。
天文部が舞台やけど、そう星空とは関係ないんとちゃう?
個人主義が徹底している4人のスパイ。高校という舞台で、仮面を被って任務をこなす。戦場は、高校生活という現実なんかな。
適度な距離感とかで、付き合うのは、結構好きやけど。
何か青春してんなぁ〜…
もう遥か昔なんで、その頃何してたっけ?
歳が上であることが偉いだなんて、一体どこのどいつがいいだしたんだろう。知識が豊富で人生経験か豊かな大人には憧れるけど、でも年上ってだけで全員がそうとは限らない。(文中より)
確かにそう思う!精進します!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
それぞれ悩みを抱える天文学部に所属する4人の高校生の友情もの。なんか、良かった。
『研ぎ澄ませ、研ぎ澄ませ、集中しろ。無駄な時間は一秒もない』というジョーの一文がとても好き。
高校生、まだまだ人生は長く、これから色々あるし、いっぱい悩めていいなぁと思ったりした。
そして、結構、坂本司氏の文章、好きだなって思ったので、ほかの小説もこれから読むことでしょう。 -
研ぎ澄ませ、研ぎ澄ませ、集中しろ。無駄な時間は1秒だってない。ここで起こるすべてを見つめ、記憶しろ。でなければ生き残ることはできない。
私は今、戦場にいるのだから。
(中略)
戦場の名は、高校という。
当時は気付かなかったけど、振り返ってみるとあれが青春だったとわかる。楽しく笑う日々ばかりでなく、内面で葛藤があり、戦いのあったあの日々を、懐かしく思い出しました。
転校したこともあり、私は2つの高校に通ったけれど、私にとっても高校は戦場だったなあと思う。いじめられていたわけではないけれど、気を張って、自分を何とか守りながら過ごしていた気がします。
それぞれの思惑で入部した天文部。
普段クラスでは交わらないようなメンバーが不思議な縁で結びつく。この適度な距離感やクールな中にもコミカルな会話がツボでした。帯に書かれた「絶対零度の青春小説」というコピーは秀逸だと思う。
誰もが通る青春という道を駆け抜けていく彼らの先に、輝かしい未来がありますように。そう思って本を閉じました。
「誰かを特別にするのは、その人を特別だと思う人の存在。ならば、私たちは、きっとものすごく特別な存在だ」というフレーズが大好きです。 -
約束は交わさない。別れは引きずらない。大事なのは、自分に課せられた任務を遂行すること。正体を隠しながら送る生活の中、出会う特別な仲間たち。天文部での活動を隠れ蓑に、今日も彼らは夜を駆ける。ゆるい部活、ぬるい顧問、クールな関係。ただ、手に持ったコーヒーだけが熱く、濃い。未来というミッションを胸に、戦場で戦うスパイたちの活躍を描く。オフビートな青春小説。
どこにでもいそうな高校生4人。
天文部という繋がりだけで、いつも一緒にいるわけではないけれど、生き辛さを抱えているという共通点で、心の奥底で繋がっている関係性が好き。
高校を卒業しても、この4人の不思議な繋がりはずっと続いていくのだと、なぜか確信が持てる。
弱いけど強い、4人のお話。大きな事件は起こらないけれど、不思議と印象に残る一冊。 -
1.0
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何度でも読み返してみたくなってしまう本。
今はそれぞれみんな辛いけれど、乗り越えて行けるって、私も乗り越えて行けるって思わせてくれる。
読後感のスッキリさが好き。 -
確かにスパイかもしれない。
高校の天文学部に所属する4人の男女。
責任も取らせてもらえない年齢だからこそ、思うように生きられない歯痒さがある。
それでも彼らは自分の行く手を阻むモノから、密かに逃げる準備をしている。
口に出さずとも同志だと分かっている、そういう関係性って強いと思う。 -
とても好み。高校生のときに読みたかった。坂木司さんのマイベスト本に躍りでた。青春小説では、恩田陸さんの「夜のピクニック」がすごく好きなのだけれど、それに匹敵する。
ニックネームひとつとっても、言葉のチョイスがなんかよい。
制服の着こなし、ピアスの数、食べ物の好き嫌い。ささいなこともスパイにとっては意味があり、しばらくあとのページでうならされる。戦場を生き抜くスパイたちを応援しながら読んだ。次世代のスパイたちにも読んでほしい本。
そして坂木司さんの真骨頂、食べ物の描写が美味しそう。できたての蜂蜜が食べたいメーン。おいしい珈琲が飲みたいメーン。 -
バラバラなようでどこか奥底では繋がってる関係に憧れる。
こんなにもコーヒーと夜が似合う高校生っていないんじゃないかな。 -
ある高校の天文部に所属する個人主義な4人の高校生が主役の連作短編集。
お互いをコードネームで呼ぶスパイに扮し現実という戦場で敵と戦いながら全力で生き抜く。
仲間がいるからまだ戦える、という感覚に共感した。