無限の網 草間彌生自伝 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2012年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784101365411

作品紹介・あらすじ

果てしない無限の宇宙の神秘を量り、一個の水玉である自分の生命を描きたい――。長野県の生家を飛びだし、1950年代に単身渡米。ニューヨークでの無名時代の生き地獄、襲いくる心の病にも負けず、社会の既成概念に挑み、芸術への尽きせぬ情熱を開花させた、日本が誇る天才アーティスト。その魂の軌跡と愛した人々、進化し続ける創作について、自らの言葉で綴った、勇気と感動の書。

みんなの感想まとめ

多様な経験と深い思索に基づく自己表現の重要性が描かれた作品は、著者の人生を通じて、芸術の本質とその背後にある哲学を探求しています。読者は、著者が持つ水玉やカボチャのイメージを超え、彼女の野心や挑戦、そ...

感想・レビュー・書評

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  • 草間彌生の自己消滅、あるいはサイケデリックな世界 | TimeOut TOKYO
    https://onl.tw/qa4d5iQ

    無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫) | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4101365415/

    草間彌生 『無限の網―草間彌生自伝―』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/136541/

  • 読む前は病気の影響で偏執狂的に水玉を描くアウトサイダーアーティストみたいなイメージを持っていたが実際にこれを読むと野心的に評価を求めてきたアーティストということがわかりイメージが一新された。作品内で引用されている評価を見ると海外の評論では病気ではなく作品を評価しているのに対し、浅田彰の評論では主に病気に触れているのが国内外におけるアート観の違いというか草間彌生に対する評価の違いなのかもしれないと感じた。

  •  数十年前、見たのです。ホテルの一角にひっそり設けられた小美術館に、水玉や網目を印象的に反復させた絵画が飾られていたのを。人目につく場所ではなかったけれど、何度も足を運んだものでした☆
     いくつも描かれたカボチャの絵は、おそらく草間彌生の初期作品でした。(パプリカ? と思ったこともあったのですが、多分、記憶違い★)

     その後、カボチャはホテル美術館を転がり出して肥大化&立体化し、野外に展示されました☆ 水玉と網目模様の巨大カボチャ。離れて全体像を見たり、穴を覗きこんだり、中にお子さんが入っていて目が合ったり……★

     前知識なく水玉南瓜と戯れた、その後。草間彌生がすでに<世界のクサマ>で<水玉の女王>であるのを知りました。

     強迫観念あってこそ、とめどなく創作力があふれた彌生ちゃん。1950年代後半からは、狭い日本を脱出し、ニューヨークで水玉と網目を操り、魔法の嵐を巻き起こしたのです。
     スケールの大きな変人芸術家たちとの、強烈な出会いと交流。また、水玉の爆発で(?)反戦を提起し、時には刑務所送りになりながらも仕掛けた、際どいハプニング劇……★

     みずからの体験を病ごと肯定したこの本。彼女のアクションのすべてが摩訶不思議な革命でしたが、奇行などではなかった。驚くほど明晰な言葉で、説明のつく行為でした。
     そして、力強いエネルギーを放つ文章。考えて書くのではなく、もともと内側にある強烈な輝きの表れなのです☆

     彼女から見たら、私も頭の固い日本人かもしれません。まだなまなましいモノが分かっていなくて、「カボチャ可愛い♡」とかいうノリです。自分で見たいものを見たいように見ているに過ぎないのでしょう。
     しかし、彼女が綾なした、休みなく繰り返されるパターンの執拗芸術に、幻惑され続けています。そのこころを明かした自伝に触れ、自己主張を超えた自己消滅というダークメルヘンの哲学に、一層、関心が増しました★

  • 松本市立美術館で買ったポストカードが家に帰るまでに折れてしまわぬよう、ケースとして購入。特に読むつもりはありませんでしたが、読んでみると止まらずに1日で読み切ってしまいました。
    カボチャと水玉模様の精神病の世界的なおばちゃん、と言う程度のイメージしかなく、果たしてなぜその思想を知らないのか、知らなかったのだが、読んで納得。日本の風土で受け入れられなさそうな思想を持っており、今の世では特に炎上必至な思想に感じられます。ただ、目指す未来は明るい未来であり、その思想は危険思想などではない。出る杭が打たれる日本に馴染ませるには何ができるか、我々も考える必要がありそうだ。
    それはそうと、同じくニューヨークで活動していた芸術家のキースヘリングとの類似点を多く感じた。性と平和を大きなテーマに掲げており、反復や増殖と言った表現技法にも被るものを感じる。調べてみると、活動時期は被っておらず、交流もなかったようなのだが、彼らの間に交流があったのなら世界はどう変わっていたのだろう、とIFストーリーの妄想を膨らませています。

  • 水玉の人,カボチャの人というイメージしかなかった.ほとんどの人がそんな印象を抱いているんじゃないんだろうか.

    ところがそのバックグラウンドには複雑な生い立ち,閉塞感からの解放を求めてのアメリカでの渡米,渡米先での成功を積み重ね,欧米を世界を代表する20世紀の芸術家になった人であったということを知ることができた.

    あらゆる体験が濃く,芸術に対するストイックさと相まってすごい人生だと思う.

    水玉で埋め尽くされた描写には世界,自然と同化し自己が消滅することを描いているらしい.

    「戦争とフリーセックスのどちらがいいの?」という究極の2択.

    "作る側の立場から見ると、すべてがギャンブルであり、未知の世界だ。かつて何万の芸術家がしてきたように、峰の知れぬ山を何かの引力に引かれて登るのだ。もし、この峰の深みが知れていたら、明日からの私の人生は灰色になってしまう。"

    “人前でセックスしたり、国旗を焼いたり、そうしたことはすさまじいと言えばすさまじいだろう。けれどそういう受け取り方そのものが既成の観念なのである。"


    前衛的であることとただカオスなだけの違いがなんとなくわかってきた気がする.前者は歴史,文脈,世相,規制の概念を注意深く観察し,それに対するカウンタアークションを絶妙な方法で表現しないといけない.一見無秩序に見えて計算されているところに美しさがある.

  • 卒業旅行で直島のかぼちゃと、群馬のハラミュージアムアークのミラールームを見たので。

    母は歌人、家は資産家で地元の芸術家のパトロンをするなど割とクリエイティブな家庭とはいえ、父は放蕩、母は虐待と、両親の仲が悪く心休まらない壮絶な環境で育った事を知った。

    総合失調症で、高校生には物体にオーラが見えたり、植物の話す声が聞こえたりしていたが、それが全ての作品の原点だと知って驚いた。ゴッホも最近個展に行ったコンマサもそうだし、芸術家は精神を病みやすいのかな。

    代表作の水玉模様には作品を水玉模様で埋め尽くすことにより、幻覚や幻聴から身を守る儀式的な意味が込められている。生涯に渡って苦しみ続けた精神の病を芸術に昇華してしまうエネルギーが素晴らしい。代表的な水玉しか知識がなかったが、性の解放についての考え方など知らなかった作品の背景を知れたのも良かった。

    海外旅行なんて一般的でない時代に、ジョージアオキーフに手紙を書いてコネを作り、1人でアメリカに渡るなんて、本当に強い女性。
    芸術だけでなく小説も書き、会社も何個もつくり、破天荒でパワフルで素敵。とても勇気を貰えました。

    個人的には26歳年上の彼氏の重いエピソードが好き。一日中電話かけてきたり、多い時に一日に17通ラブレターがポストに届いたり、熱烈すぎる。

  • 草間彌生を知るのに充分すぎる本。
    瀬戸内芸術祭で作品を見て読みました。

    半世紀前のニューヨークで大胆で先駆的な芸術を
    成し遂げていたパワーに圧倒されました。

  • 気になるアーティストの
    お一人です

    草間彌生さんの展覧会に
    行った友人が

    いゃあ 刺戟受けたなぁ
    いゃあ 圧巻だったよ
    とにかく 圧倒された

    と 口々に評してくれたので
    以前にも増して
    より気になる存在になっています

    このエッセイ集も
    なかなかのものですね
    読めば読むほど
    「天才」を感じます

    そんな草間彌生さんが
    ーやはり 日本というのは大田舎の村という感じがする
    に始まる
    「自国の文化を育てる思想」の章で
    日本の芸術後進性をこれでもかと
    熱く語っている部分には
    何度も うなづきなから
    読ませてもらいました

  • 草間彌生の書く文章が想像以上に詩的で魅力的なので驚いた。読み物として引き込まれるし、草間本人の情熱とか愛が直に伝わってくる。

    才能と芯の強さは勿論のこと、草間彌生って本当に色んな人に愛されて支えられてきたんだな〜としみじみ…。単に彼女が魅力的なのもあるけど、然るべき時に適切な人に頼れる能力というのはとても大切で、その中で自分の力を信じてとにかく活動と発表を続ける事の重要性を実体験を通じて教えられる。

    読者である美術関係者・また美術に興味のある人間に直接向けているような文章が散りばめられていて、たまにドキッとする瞬間がある。これからアート・デザインに直接関わっていく人々と、アートを好む人々は一度読んでみるべき良書だと思う。

  • 自伝よりも戦いの記録という印象だ。作品はもちろんだが、文章にも惹かれる。特に故郷…信濃の四季の美しさを描写した部分(233p~224p)が素晴らしい。

  • 芸術家草間彌生の自伝。彼女の創作モチベーション、通ってきた道のり、感性に触れられる内容になっていた。彼女の展示を見たのは京都に観光の折、行く場所に困っていた自分がたまたまフォーエバー現代美術館に立ち寄った時のことだ。鮮やかな作品が立ち並び、水玉模様が彼女の死生観に深く結びついていることを知って感銘を受けた。
    本の内容のなかでも、彼女が忌避しているものをあえて創作の対象にし、それにより克服するといった考え方、創作はとても驚いた。創作のモチベーションに何かしらのコンプレックスやくらい過去などがあることはよくあるが、彼女はそれを克服しようとし、対象を無限に生み出すことで打ち勝とうとしている。言うのは簡単だが、そこには大きな苦痛や苦しみが伴うとおもう。
    調べてみると彼女は2020年9月時点でいまだに創作をしつづけていることも驚いた。自分も死ぬ間際まで創作活動をしたいと切実に思った。彼女が羨ましい。
    彼女の美術館に行くにあたって何か彼女のことを知りたいと思いこの本を読んだが、彼女の作品作成のバックボーンや考え方を知ることができて本当によかった。

  • 1月に長野の美術館で彼女の作品に圧倒され購入。著者の生い立ちと渡米。激動の時代のニューヨークの空気が素晴らしい。尽きることのない命の源泉。のたうちまわりながらただ純粋に命をつかんでいる。愛と祈り。

  • 小説家としての活動があったことは知らなかった。とにかくパワフルでぶれない生き様。自分好きのする文章がすごい...

  • 水玉、かぼちゃ、日本を代表とする女性アーティスト。
    そんな初歩的な情報しかないなかで読み進めた本作。いや、草間さんすごい。早々に日本を飛び出したことが本当に良かったと思う。日本にいたままだったらここまで認められることもなかったのでは。何年後かに朝ドラ原作とかなりそうな人かな?と思っていたけど、本作を読んだら絶対無理だなと(苦笑)松本に行ったとき休館日で行けなかったミュージアム絶対行こうっと。

  • ひとりの芸術家の自伝。社会的なことはわかりにくく、個人的なことはわかる気が。
    人は謎であることを再確認。
    それが芸術のひとつの効能なのかも。

  • 統合失調症あるあるなんだな~~~~~こういうの
    分かっちゃいたが、結構ハードなことしてたんだな・・・草間彌生・・・

  • イヤ〜、ビックり。
    この様な方とは知りませんでした。

  • 草間彌生さんの自伝。確かな言葉で綴られるあまりにも過激な生き様にひたすら驚いた。精神の病とせめぎ合いながら唯一無二の草間アートを作り続けたその強靭な精神力には感服するばかり。ジョセフ・コーネル、ストーカーじゃん!とも思ったが、この年の離れたパートナーに敬意を払っていた彌生さんも立派な人だ。ズシンと肚の底に響く自伝だった。文才も素晴らしい。

  • (01)
    第3部の豊穣は考えさせられる.ヌーディストから現在のジェンダーの問題まで及ぶ問題も含むが,メディアや警察も巻き込んだハプニングや芸術が可能であった当時の特殊な社会状況も考え合わせると,活動(*02)が前衛でありコンテンポラリーであるというそのこと自体も批評対象として浮き彫りになる.
    現在の状況において,今を表す芸術が可能なのかは考えられてよいだろう.
    また草間氏が男娼めいたビジネスをなしていたという点からアートを論じてみるのも面白いだろう.

    (02)
    草間氏によっては文学も志向されていた.本書の文体は,引用されたポエムを除けば,決して文学的ではない.自伝的な自伝というスタイルが確立されている.草間氏本人が本書を著したかどうかは不明であるが,個々のエピソードや国内情勢(*03)への批判などからは,まとまった主旨を読み取ることができる.しかし,偏向や偏執や固有の語彙というのはほどんど感じられないし,極度に薄められている.エピソードの濃さに対して文体は薄い.これは編集による調整によるものなのか,疑問は残る.

    (03)
    帰国後の「信濃路」の風景への共感は,リップサービスであろうか.裸おどりのくだりでは土俗的な風味があるが,伝統や家族との折り合いについて,それは作品に感じとるべき問題なのかどうかはわからない.

  • 草間さんの作品をあまり知らずに本書を読んでしまいました。

    本書を読んで、草間さんまでとはいかずとも、自分も人間として、もっとアイデンティティを炸裂させ、いろいろ表現していったほうがいいのかなって考えてみたりした。
    そして彼女のぶっとんだバイオグラフィー。彼女のある種の才能がそれを実現させた感はあるけど、自身、年半ばながらそういったバイオグラフィーに憧れを持っていて、目標にしたい気持ちも未だに少しはあったりする。

    作品を見ずして「草間彌生」を知ることは(当然ながら)できないので、都内にある草間弥生美術館に作品を見に行ってこようと読了後に思った。

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著者プロフィール

前衛芸術家。小説家。1929(昭和4)年長野県松本市生まれ。10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始める。57年渡米、翌年ニューヨークに移り、ネット・ペインティングを発表。73年の帰国後も彫刻、映像、パフォーマンス等、自らの表現を追求し続けている。

「2012年 『クリストファー男娼窟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

草間彌生の作品

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