「リベラル保守」宣言 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101365725

感想・レビュー・書評

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  • 松下政経塾。人間社会の複雑さや歴史の継続を軽視、技術知の適用で問題が解決できると考える傾向。p.31

  • リベラル保守とはいうものの、そもそもの保守の定義から学び直しさせられた!対話を重ねて異なる境を辛抱強く乗り越えていく。人間の理性や科学に絶対の信頼を置かない。(人が不完全な生き物であることを念頭に置く)など、自分の考え方を裏付けるものが多かった。ここでもトポス(居場所)を失った大衆化した人間がテーマになっていて、シンクロニシティを感じる。

  • わかりやすく面白かった。
    本当の保守についてかなり理解が進んだ。
    しかし、保守というのはちょっとカルトっぽいな。
    自分はもう少し人間の理性や知性を信じてもいいと思う。

  • 「保守」とはなにかを再考させられる一書。
    新たな気づきである。

  • 中島岳志さんに注目してるというのに、この本を読んでないのはダメだろうと読むことにした。

    そもそも中島さんは「保守」であることを常々宣言しておられる。私としては、中島さんの言っておられることはいつも素晴らしいと思っているのに、「保守」というイメージは昔から全く好きでなく、どうしたものかと思っていた。

    大体この本のタイトルにもある「リベラル」と「保守」を合わせることが理解できなかったのだ。ただ、やはり尊敬する内田樹先生がよく「今の自民党は全く保守ではない」とよく言われ、それはそれでよくわかり、今までの私の中の自民党=保守というイメージも崩れていってたのだ。

    では「保守」とは何か?
    中島さんは何カ所かで定義づけられている。
    人間の不完全さを認識の基礎に据え、特定の人間によって構想された政治イデオロギーより、歴史の風雪に耐えた制度や良識、「伝統」を重んじる。しかし、決して「復古」でもない。

    わかりやすく書かれていたが、私がすべて十分理解したとは言えない。だからかもしれないが、多分100パーセント賛成というわけではないように思う。ただこれからもずっとしっかり彼の考えを追っていきたいと思う。

    あとがきに書かれていたNTT出版との絡みは由々しきことで、でも最近ありがちな話で、本当にどうすればいいのかと思ってしまう。

  • 面白かった。
    確かに、俗的・古臭が漂う醜い保守でもなく、
    教条的でなんでも反対し、あぶなっかしい左翼でも
    ない、人間の本質をとらえ、そのうえでの
    歴史をかさねてきたものの重要性を鑑みた保守。
    また、自由を集団的狂信や多数者による専制を疑う
    リベラルというのがしっくりくると思われます。
    橋下・安倍のなんでも声高に否定する保守、集団的
    狂信を起こそうと考えるリベラルに嫌気がさしてくる
    ような事象が多くあるような気がします。
    かといって、”リベラル保守”というレッテルで突き進む
    のも変な気もします。自分たちで考えるということが
    必要なのではと改めて思われます。

著者プロフィール

1975年大阪生まれ。大阪外国語大学卒業。京都大学大学院博士課程修了。北海道大学大学院准教授を経て、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は南アジア地域研究、近代日本政治思想。2005年、『中村屋のボース』で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。著書に『思いがけず利他』『パール判事』『朝日平吾の鬱屈』『保守のヒント』『秋葉原事件』『「リベラル保守」宣言』『血盟団事件』『岩波茂雄』『アジア主義』『保守と立憲』『親鸞と日本主義』、共著に『料理と利他』『現代の超克』などがある。

「2022年 『ええかげん論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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