レベル7(セブン) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.63
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本棚登録 : 14542
レビュー : 1259
  • Amazon.co.jp ・本 (665ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369129

作品紹介・あらすじ

レベル7まで行ったら戻れない-。謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。気鋭のミステリー作家が放つ力作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 一瞬ゲーム小説かと思われる本書は実に意欲的な作品だ。
    どこの書評欄や文庫の背表紙の梗概にも書かれている「レベル7まで行ったら戻れない」という一文がまず印象的だ。人の記憶に残る秀逸なCMコピーのごとく、思わず手にとってしまいたくなる蠱惑的な魅力を備えている。

    2人の記憶喪失の男女がわずかな手がかりを基に自分の正体を探る話と、行方不明の家出少女を探す話の2つの軸が交互に語られながら、「レベル7」という謎めいた言葉に隠された意味が明かされていく物語だ。
    まず記憶喪失の2人の男女の腕に刻印された「レベル7」という文字がなんともミステリアスだ。SF的でもあり、当然のことながらTVゲームをも想起させる。

    本書が発表された90年当時といえば、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったRPGが全盛であり(とはいえ、現代でもなお人気が高い)、発売日の行列は社会現象にまでなったことは記憶に鮮明に残っていることだろう。ゲーム好きで名高い宮部氏が本書を書くに至り、これからインスピレーションを受けたのは恐らく間違いないだろう。
    とはいえ、舞台は現代であり、当然のことながら、モンスターも魔法も出てこない。物語の進め方はRPG的だと感じた。周辺に散りばめられた手がかり、例えばメモやマッチなどを端緒として、捜索の旅に出る。そして旅の目的はもちろん世界を支配する魔王といった類いではなく、一方は失った記憶、すなわち「自分」であり、他方は家出した少女だ。このもつれた糸が徐々にほぐれていくようにわずかな手がかりから物語が判明していく様相はRPGに似ているなぁと思ったものだ。多数の小説、特にハードボイルドなどの私立探偵小説を読んだ今となってはこの手法はありふれたものであるのは解っているが、読んだ当初はこの手のいわゆる「失踪人捜し」系の小説を読んだ経験は浅く、また特徴的な題名からこのような連想が生まれ、今に至っている。

    物語は並行して語られる2つの話が漸近していくに従い、ある巨悪の存在も浮かんでくる。この辺の構成は非常に巧みなのだが、やはり「レベル7」という魅力的なキーワードに対する期待値が大きかったせいか、最終的に小さくまとまったなというのが正直な感想だ。非常に無難に手堅く纏められているが、最初の謎の魅力が大きすぎて、色んなことが解っていくごとにそれが徐々にしぼんでいくというような錯覚に陥るのだ。この評価は私のみだけでないようで、ブログやHPでの感想もそういった内容の感想が多く、また当時我孫子武丸氏が「なんてすげぇ物語だと最初は思った」といったようなコメントを残している。
    あとやたらと分厚いのもまたそれを助長したようだ。今となってはこのくらいの分量の小説はゴマンとあるので別段珍しくも無いが、当時としてはかなりの分量であり、恐らく作者本人もその段階における集大成的な作品という意欲を持って著したのかもしれない。しかしやはり冗長すぎると認めざるを得ないだろう。なかなか接近しない2つの物語にじれったさを覚える人はけっこういると思う。

    また別のパートで語られる共通するある人物の描写が別人かのように語られるのも非常に気になった。ストーリーの構成上、恐らくこのAはこっちのBなのだろうと推測するのだが、どうも一致するような人物のように思えず、この辺の違和感と最後にやっぱり一致した時に感じた叙述に関するアンフェア感がどうしても拭えなかった。
    とはいえ、この本を読んで15年以上は経っているのに、未だに最後の一行は覚えているのだから、やはり自分の中では案外鮮明に印象に残った本なのだろうなとは思う。そういったことからも着想の面白さを十分に活かしきれなかったことが非常に悔やまれてならないと思う1冊である。

  • 2つのストーリーが同時に進行していくパターン!!1

    好きなのですよ好きなのですよ

    これってアレなのですよね?きっと途中で「おや?」って思い出して
    「も、もしかしてー!!」って気付いた時にはもう……ってヤツなのですよね?!


    と、本格脳のしーなはwkwk読んでいたのですが
    宮部みゆきと言えば……社会派だったああああああああああああ!!1

    読み始めてすぐ感じたのは、ちょっとした不便さ。
    ケータイやスマホ、ネットの描写が無いのです。

    記憶の無い男女が知らないマンションの一室で目覚めるところからスタートするのですが
    ケータイとかパソコンとか、出て来ても良さそうなのですよね?

    と、思って奥付を見てみたら平成2年の本だったのです
    うはー!!20年以上前の本だったのですよ!

    20年以上……と思いながら改めて見てみると、ネット環境以外は多分最近の本だとしても全く問題ない雰囲気。

    文章とか、使ってる単語とか、全く古臭くないのです
    設定なんてもうdkdk盛りまくり!!1

    記憶の無い男女と謎の隣人
    失踪した女子高生を追う3世代親子

    2つのストーリーが目に見えてどんどん近付いて行く所なんて、もう時間を忘れて読み進めてしまうのですよ

    社会派は普段あまり読まないので、このサスペンス感が新鮮だったのです
    ……20年以上前の本だったのですが。

    本格物ではあまり無い、ちゃんと登場人物たちのその後の生活や環境が、こうイメージできる読了感が良くて、気持ちが柔らかくなる感じ。

    けどこの本の一番好きな所は、やっぱり最初のプロローグなのです
    最初のあの数ページ。勿論何のことか分かるのは随分後で……と言うか、読み終わる頃。
    むしろプロローグ忘れてて、思い出して読み返してみて「あああ!」と言う。
    繋がった時のスッキリは気持ち良かったのです

    社会派ズキにはきっと大好物な一冊だと思ったのでした。

  • 寝不足になりました。

  • とにかくスリリングで、読後にあまり深く考えたくない気分のときにオススメの本です。
    すっごくおもしろいし、読みやすいし、続きが気になって3日で読み終わりました。だけど、伏線を拾いきれてないと感じる点がいくつかあります。分厚い割には、読み終わった後のうわ〜〜〜!という気持ちがあまりありませんでした。

  • 本書は上下に分かれていないタイプで中々に分厚い文庫で、終盤は引き込まれるように読めたが序盤にストーリーに入っていけず読み終わるのに結構時間かかりました。
    レベル7というタイトルでこの著者の話を読んだのが初めてということもあり、初めはゲーム系の話かSFかと思いましたが、普通に現実的なミステリーでした(笑)
    物語は行方不明の少女を捜索する物語と、記憶を失った男女が記憶を取り戻していく物語の2つが交互に進んでいく。物語の核は記憶喪失の男女のであり、記憶を取り戻していくうちにある殺人事件を追う話へと繋がっていく。そして2つの物語は終盤に1つになり、終盤の盛り上がりは目が離せないものがあります!しかし読み終わってまず思ったことは行方不明の少女捜索編、これいる??です!正直最後に繋がりはするけどいらないんじゃないかな〜って思いました(笑) 本も分厚く正直気軽に読めるものではないので少女捜索編を取り除いたらちょうどいい長さになるし、別になくても話は変わらない様な気もします(笑)
    まぁそれでも内容そのものはミステリーとして凝っていておもしろかったです!

  • タイトルから、なんとなくゲーム的な内容なのかなと想像していたら全然違った。

    記憶喪失の男女が記憶を辿る話と行方不明の友人を探す主婦の話がそれぞれ進行し、終盤で合流する。
    700ページ以上あって読みごたえあったけど、割とスラスラ読めた。
    4人を殺したのが猛蔵だったのと孝役の人の正体は気づかなかった。(まあ後者は仕方ない気もするけど)

    解説で、元ネタになった実際の事件があるとのことだったので、今度ちょっと調べてみたい。

  • レベル7。この言葉がもうちょっとエッジの効いたものかと思ってたら、なんかそんなハッとする要素でもなかったのが個人的に残念。
    いつも本を読んでいたら、伝えたい大きな軸があるけれど、今回は色んなものが絡まって、薬はダメなのよなのか私利私欲に走ってはいけませんなのか自滅なのか、柱が見えなかった。
    そして、この時代はインターネットもなけりゃ携帯電話も手軽に誰もが持ってるわけじゃなくって、時代を感じた。笑

  • 先が気になって一気に読んでしまった。最後のどんでん返しからのどんでん返しが良かった。二つのストーリーが交錯し、謎だったプロローグにも繋がってすきっりした。

  • 初めて、宮部みゆき読みました。
    はじめは、なかなかジレンマでしたが、途中からおもしろかった‼
    また、違う作品読んでみたい。

  • 再読。
    以前は夢中になって読んだ気がするが、普通に面白かった。
    ラストのどんでん返しはさすが。

  • これは面白い!

    二転三転どころか、四転も五転もする。
    最初は全部バラバラな点だったものが、すべて違うアプローチで線になって一つの結末に収束する感じが凄い・・・

    後ろ半分ぐらいは一気読みしました><b

  • ある日記憶喪失の状態で目覚めた一組の男女。

    彼らがどうしてそのような状態になってしまったのか、一つずつ解き明かしていくミステリー。
    若干ファンタジックな設定があるのかと最初は思っていたがそうではなく、現代日本を舞台にしたミステリーだった

    かなりのボリュームのある作品だが後半は先が気になって仕方がなかった。

  • 再読。とても好きな話で何回も読んでいる。
    今は個人情報にうるさいから、こんなにうまくみさおを探せないよなと思いつつもそれでも面白い。宮部みゆきのミステリーの中では、この話が一番読みやすくて面白いと思う。
    今回初めて思ったが、プロローグ前にある一文はグリム童話から引用されているが、盗賊の花むこはまさにこの話を凝縮したような話だな。

  • GWの暇つぶしにブックオフで100円で買った本のうち1冊。

    個人的には十二分にお釣りの来る面白さで、思わず一気に本でしまった。

    内容としては、作者にあるミステリーものなのだが、よくもまあこんなストーリーを思いつくものだと感心しきりである。

    作者ファンにかかわらず読んで損のない1冊だと自信をもって推薦できます。

  • 文庫後付には1996年と書いてた。
    私読んだの中学の時だったと思うんだよね…単行本で読んだのかなぁ? そうだっけ?

    実に23年ぶりの再読。
    「主人公が記憶喪失て!そんなことが!マジか!」
    …みたいな衝撃と驚きと。2人の若い男女がFAXなどから推理したりなんだりしていく冒険。
    その2つのことしか覚えてなかったわ。。。

    中学生にはわからなかったのだな。。
    これは三枝さんの物語だったのかなぁと思う。プロローグが三枝さんから始まった意味がわかる。
    若い2人の時間が戻って話は終わるけど、2人にとっては始まりであり、だけど三枝さんには色々終わりだなぁと。

    真行寺のお母さんが若い時、なんと一瞬だけ浮気に傾いたことがあった。
    そのことは、悦子にとってはなんとも言えない、消化しきれていない感情だったはずだ。お父さんが許してふつうに夫婦に戻っていることも、浮気相手を信用していることも。頭では理解できるが感情がついていかない、モヤってたと思う。

    そこへ三枝さんが来る(尾行だけど)。
    自分に命の危険があるかもってタイミングで。
    さらにエピで「お母さんに似ている」と言う。

    ぬああああああどういうことだよぉぉぉぉ!
    三枝さんはお母さんを好きで、あの事故のあった18年前から忘れていなかったのか?????
    他にいないってことなのかよ!なんなん?
    どういうことなんだよぉぉ!

    杉村夫妻の最後を読んだ時と同じで。
    ああ大人になるといろんな複雑な感情が生まれて、複雑に絡まっちゃって、ただの好きや愛しているだけでは説明つかない、説明できない、難しい気持ちになるんだ。
    自分がどうしたいのかもわからなくなるんだ。

    私は浮気した妻が許せなかったし、まさにお嬢!と思ったけど、実は半分は気持ちがわかるのだ。
    真行寺の母についても。
    10も年下と浮気?!とは思うけれど…半分は気持ちがわかるのだ。浮気することが理解できるってことじゃなくて、夫は毎日不在で自分もなにかままならない、娘はさっさと巣立って行って…そういう状況に置かれた時に何がどうなるかはわからない。

    ああ宮部さん。すごすぎるよ。

    トリックについては全忘れではあったけど三枝さんを信用できる=二重に仕組まれているんだなとわかったし、もしかして息子ではなく本人の仕業か?って予測はついた。

  • 2つの方面から話が進んでいき、どんどん繋がってくる感じが面白かった。
    答えは合ってたけど、解き方が違う感じと言うか多分ほんとの犯人はこの人だなと思っていても、やられた感があって面白かった。
    どんよりした気持ちから一転したりして、最後は明るい気持ちで終われてよかった。

  • 友人に勧められてこの本を読んだことが推理小説デビューでした。個人的な思い入れのある作品です。

  • ある言葉を残して行方不明になった女子高生
    「レベル7まで行ったら戻れない」

    夫を亡くし紹介で心理カウンセラーの仕事に就く真行寺悦子
    そこで知り合った女子高生みさお
    みさおは謎の言葉を残して行方不明になった
    悦子はみさおを探し出そうと決心する

    目が覚めるとまったく知らない部屋
    ベッドで寝ている隣には知らない女性がいる
    自分の名前がわからない
    隣の女性も目をさますが自分が誰だかわからない
    自分はいったい誰なのか、隣の女性は何者なのか

    行方不明になった女子高生を探す真行寺悦子目線と
    記憶喪失の男目線
    二つの話が交互に続いていきます
    まったく接点がないような二つの話が昔のある事件をきっかけに徐々に繋がっていく

    約650ページある長編作品
    最後まで読みきれるかなと思いながら読み始めました
    大きく分けて六つの章に分かれていてそれぞれの章の中も細かく分けられています
    細かく分けられている最後の行に非常に続きが気になるような文言を乗せている為
    「今日はここまで」と決めた箇所で終わる事ができず次々と読み進めて自分の中では早く読み終わりました。
    宮部さんの長編作品は「火車」といい中だるみがなく初めから最後まで集中して読めます。

  • 【感想】
    奇抜でどういう意味なのか分からないタイトルを始め、何が何か一切の設定がわからないまま物語は進む。
    そして後半で一気に伏線を回収していく様、さすが宮部みゆきと言わざるを得ない。

    事象だけを見れば殺伐とした背景のはずなのに、キャラクターの絡みはどこかほのぼのとしている。
    そしてそのアンバランスさが物語の魅力の1つとなっている。
    キャラクター同士の会話も逸脱で、こんな人いるのか?ってレベル。笑

    設定もどこかSFというか近未来感があった。
    フタを開けると決してそうではなかったが・・・笑

    本当に面白かった!
    読んでいてページをめくるのが止まらなかった。


    【あらすじ】
    男はあるマンションの一室で目を覚ました。
    隣には見知らぬ女が寝ている。
    てっきり深酔いして記憶が曖昧なだけかと思ったが、何故か二人とも記憶をなくしていた。
    そしてその二人の腕には「level7」という不思議な文字が残されていた。
    見覚えのないその部屋には、札束がぎっしり詰まったスーツケースと拳銃と血の付いたタオルがあった。
    自分たちは事件を起こした犯人なのか?記憶をなくした男と女が記憶を捜して奔走する。
    一方、「レベル7まで行ったら戻れない」という謎の言葉を残して女子高生・貝原みさおが突然失踪した。


    【引用】
    p486
    「そういうのって、飼い犬に手を噛まれたっていうんじゃない?」
    「悦子。人間は飼い犬になったりしないよ」

    「母さんがそんな女だったなんて…」
    「母さんを悪く言うんじゃない。」
    義夫はぴしりと言った。

    「お父さん、寛大ね」
    「今だからだよ」
    「じゃあ昔は?やっぱり母さんのこと、許したんでしょう?」
    「許したというのはちょっと違う。母さんの気持ちがよそへ向くことを、どうして父さんが許したり許さなかったりできる?」


    p520
    裕司
    「レベル7というのは、7日間はパキシントンの効き目が切れないという意味か?」
    猛蔵
    「原則は、そういうことだ。だが…」
    「俺たちが本当にあんたたちにレベル7まで投与したとすると、あんたたちは戻ってこられなくなっていたはずだよ。そこまで投与すると、廃人になる道をまっしぐらだ。」

  • 記憶をなくした男女とそれとは別の女性が真相に近づいていく…的なスリリングミステリー。
    まだ携帯電話も無い時代の話だし、『火車』や『理由』が好きで読み始めた私にとっては記憶を取り戻す過程とかファンタジーに近い感じがして想像がつきにくいところがあった。しかし段々とタネが明かになりつつあるところなんかは段落が終わるごとに次が気になり、おーそうきたか!という勢いでページを捲る手が止まらなかった。かなりの分厚さだが一気に読んでしまった。火車等の現代ミステリーものだけでなく、宮部みゆきはやっぱり面白いと実感した。

  • ずっと気になっていてやっと読めました。
    2つの話が同時進行していくので、最初は正直、戸惑って暫く読まない期間がありました。でも、読み進めると終盤は止まらないくらい引き込まれました。犯人に関しては何となく予想はしていましたが、動機の身勝手さは想像がつかなかったです。1番びっくりしたのは、それぞれの関係性です。あれ?あなたそうだったの?!とびっくりでした。

  • 2017年11月3日読了。ずっと読んでみかった本を手に取りました、ついに。何だかついにやってしまった感がありますが。感想に移りますと、とにかくさすが宮部みゆきだなぁと思いました。最後はキレイにまとまってましたけど、最後まで二転三転とする真実に身悶えてしまいました。あと、本当にこんなことで人の記憶が操作できるのか、信じられないところもありました。舞台が精神病院だったので、気持ち悪かったり怖かったけど、それもまた描写がうまいなぁと感心するところでありました。宮部みゆきさんの作品はいつも頭の回転が良くて、感心します。また次の作品も楽しみです。

  • 2017/03/23
    よくこんなストーリー考えたなぁ。
    予測しながら読んでいったつもりだったけど、こんな結末だったとは!不足もなければ蛇足もない。全て繋がってて、完璧なシナリオだった。

    “そのとき、封じこめられていた時間が、最後の一秒まできっちりと巻き戻される音を、祐司はたしかに耳にしたと思った。”

    表現も素敵でした。

  • 普段、読書はライトノベルばかりな私にとっては少し疲れた。しかし、読んでいくうちに、2つの話がどうつながるか気になって楽しく読めた。終盤に入りかけたとき、ああ、やっぱこういうオチなんだ、とがっかりしたが、そこからまたどんでん返しで期待を裏切らなかった。

  • もう20年以上も前の作品だけどオモシロイねぇ。
    こういうキレのある作品好きです。現在の宮部さんからすれば、プロットよりも人間関係をもっと掘り下げるのだろうけど、これだけ練り上げられたプロットはスすぎます。

  • レベル7まで行ったら戻れない。

    この言葉を一つの要素として展開していく話でかなりの分量があるにもかかわらず、テンポよく進んでいくので飽きることがありません。むしろ引き込まれていきます。

    中盤前後からある程度結末を予想することはできますが、「ここはいったいどう絡んでくるのだろう?」と考えさせられる内容です。

    まだ未読の方はぜひ読んでもらいたいです。

  • 名作。宮部みゆきの最高傑作だと個人的に思っています。(この本がキッカケでいろいろ読むようになりました)

  • 記憶喪失になった男女がある部屋で目覚める物語と、レベル7までいったら戻れないと日記に書いて失踪した女子高生の物語があり、読み進むにつれて2つがつながっていく。誰が味方?この人何者?とどんどんはまっていった。

    家族の暗い部分を描いたりするのはさすが宮部みゆき。「模倣犯」に近い陰険さもあったりして面白かった。

  • 記憶喪失の2人に、謎の刺青。あーハズレの宮部みゆきか、としばらく思っていたのですが、違った。この人、SFを書く才能は無いと思うんですね。つまり、本作はSFではありません。

    記憶なしの2人と、失踪した女子高生を探す母子家庭の家族の2つのストーリーが平行に進んでいく。どちらかと言うと、記憶のない2人のストーリーがスリリングなため、前半では悦子のターンがやや盛り上がりに欠ける。

    後半に入ると、今までの無駄に長かった話が嘘のように展開を始め、どんでん返しの連続で、まあ、面白いわけです。

    しかし☆2つ減らしたのは、ところどころ不自然なカッコ使いがあったり、一人称視点を断りなしにポンポン飛ばし、推敲なしのような荒っぽい文章が目に余ったこと。特に後半。

    また、記憶をなくして見回した部屋の様子や病院内などの、重要な情景の描写もイイカゲンで、せっかくの舞台が台無しになっているように感じる。

    誰かに怒られるかもしれないけど、そういう雑さは、女性作家特有のものなんですよね。せっかく長い本なんだから、もうちょっと表現を刈りこんで、その分で状態の説明を丁寧にやってもいいんじゃないのかね。

  • ものすごい久しぶりの再読。
    すっかり忘れてたので、とても楽しく読めました。
    キャラつながりで『火車』が読みたくなったんだけど、見つからない-。あるはずなのにー(汗)

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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