返事はいらない (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4312
レビュー : 320
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369136

感想・レビュー・書評

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  • 短編集です 
    どのお話も読みやすく 読後もすっきり 刑事さんがとても よかったです

  • ーーー
    失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。切なくあたたかい「ドルシネアにようこそ」など6編を収録。日々の生活と幻想が交錯する東京。街と人の姿を鮮やかに描き、爽やかでハートウォーミングな読後感を残す。宮部みゆきワールドを確立し、その魅力のすべてが凝縮された山本賞受賞前夜の作品集。

  • 宮部作品に「外れ」なし。
    「返事はいらない」が良い。
    読み始め、読むのを止めようかと思うほどのむつかしい方程式のようなくどいご説明がある。ところがエンディングはおしゃれに終わった。かっこいい「ちぇ、バレちゃったね」
    私のキャッシュカードの暗証番号は別れた彼女の誕生日のままだ。
    変えようか なっ

  • 巧い。
    巧すぎる。

    メジャー作家の作品を読んでみようと思い立って、ここ最近、宮部みゆきの短編を読んでいる。
    この短編集の作品はどれもさらっと読めてしまう物ばかりだが、まさかいくらトップを走る作家だからといって、簡単に書いてしまうとは思わないが、それでも頭を抱えながら書いているとも思えない。
    円熟の技が堪能できる一冊だ。

    中でも心を奪われたのが、「ドルネシアへようこそ」という作品だ。
    六本木の速記事務所でアルバイトをしている主人公が自分とは縁のないと思っていたはずの人気ディスコを訪れることになる顛末を描いた物語なのだが、伏線の張り方と最後の回収の仕方にうならされた。また登場人物の心の機微の描き方が丁寧で、ため息が出るほどだ。
    こんな些細な物語でも、どんでん返しで物語をひっくり返してくれるから、嬉しい。

    本当は巧いかどうかなんて、物語の本質とは関係ない。
    この作品集から巧さを抜いたところで、今度は心理描写にうならされることになる。
    読後の余韻をたっぷり堪能したい。

  • 宮部みゆきさんも大好きな作家さんですが、著作が多いので未読の本も多い!
    この本は1991年に刊行された2冊目の短編集です。
    25年も前の本ですが、楽しめました。

  • 息子の学校の「読書手帳」の課題だったので,彼のあとに読んでみた.(宮部みゆきさんの作品ははじめて)
    1.返事はいらない:
    ATMの盲点をついた(義憤による,とでもいう動機の)犯罪に,自殺しかけた傷心のOLが加担する.
    2.ドルシネアにようこそ:
    ドルシネアというのは高級ディスコの名前.そんなところに入れない青年が,表題のような伝言を渋谷(?)駅の白板に書いておいたら,レスポンスがあってーー
    3.言わずにおいて:
    「あ,あいつだ!」と車を運転していた見知らぬ男性が叫び,かれのクルマはそのまま壁かなにかにぶつかって炎上,乗っていた夫婦は死亡.名指しされたOLは,心当たりないよ,と訝りつつ,謎解きへ
    4.聞こえていますか:
    独居だった老人男性が亡くなったあとの家に引っ越して来た一家.そこの一人息子がひょんなことからその家にあった旧式の電話機にしこまれた盗聴器を発見!
    5.裏切らないで:
    軽佻浮薄な尻軽女が歩道橋から落ちて死亡.自殺か他殺か?→アパートのとなりに住む30代の女がけっきょく下手人だったのだが,その動機というのがおれになちょっとも理解できなかったです.
    6.私はついてない:
    これも軽佻浮薄な尻軽女の話.婚約指輪を借金のカタにとられてまっつぁおになるのだが,その指輪を巻き上げた職場の先輩OLというのが,”籠ぬけ詐欺”(=というのがあるんですな)を仕組んでいた.それを高校生が見破るのだ.
    →どうしてこの種類の小説が,学校の課題になるのか「??」だったが,まあいろんな種類の本を読んで,活字に親しむ,ともかく読書習慣をつけましょう,というのは意味のあることだと思う. こういうストーリーなら,生徒諸君もたぶん楽しんで読むだろうし.
    →※しかし,「この感想をさあ書きなさい」と言われると,どう書いていいんだか,ちょっとこまるかもね.
    まさか 「おもしろかった」で済ますわけにはいきませぬし.

  • 短編だけど、社会の闇を鋭く描かれていて、読了後、考えさせられるものばかり。時代を感じさせられるものもあるが、さすが社会派ミステリーがうまい宮部作品だなぁと思いました。

  • 短編で読みやすかったので、一気読みしてしまいました。
    ちょっと切ない話が多かったのですが、読後はなにか爽快な感じがするのは宮部さんならではですね。
    面白かったです。

  • 良い小説にはよい解説が似合う。よい小説にはよい読書感想が似合う。 茶木則雄がwikiにないのでどういう人か知らない。「優れた小説というのは、読み終わった後で誰かと無性に話をしたくなるものだ」には同感。短編6話のいずれも妙。「ドルネシアにようこそ」は、あれ、あれっと思いながら、まさかの結末。心温まる部分のある物語たち。

  • 宮部みゆきらしい短編集。

    『返事はいらない』
    付き合っていた男に振られるOL、銀行のキャッシュカードの磁気テープの暗証番号、狂言誘拐、その事件を追った刑事、そして。
    今はもう解決された問題、懐かしさと切なさ。

    『ドルネシアにようこそ』
    今はヒルズ、で鬼っ子だった六本木駅も綺麗になしました。
    そう、小さくて汚かったんだよね、前は。あの駅。
    速記も駅の伝言板も消えていくもの。

    『言わずにおいて』
    自分を見て「あいつだ!」という言葉を残し事故を起こした車、
    その事故で亡くなった夫婦を追いー、
    この作品はひろげた風呂敷の畳み方は上手くないような気がするw

    『聞こえてますか』
    母親と祖母の嫁姑の不仲で引っ越した先の一軒家の電話で
    不審な黒い機械を発見する少年。
    前の住人はスパイ疑惑のあった老人、さてこれは。

    『裏切らないで』
    火車の前身のようなクレジットカードによる借金と、
    「東京に住む若い女性」であることへの執着と苦しみ。
    「お風呂に入ってるんです!」はこれでしたw

    『私はついてない』
    会社の先輩に借りた50万の借金のかたに婚約指輪を
    とられてしまった従兄の為に奔走する男子高校生、そして。

    どれもトリックよりも、物語を通じて人間のやるせない感情、
    でも決して救いのない絶望は感じない、どこかで温かみの残る
    実に、宮部みゆきらしい、短編集。

  • 「ドルシネアにようこそ」はほぉ~と思って面白かったんだけど、「言わずにおいて」はせつなくて。短編それぞれの表題が話しにマッチしていて良かったです。

  • なんでかちゃんと読んだはずなのに、内容が頭に残らない。
    私には処理しきれなかったというか。。

    時間を空けてまた読んでみたいと思っています。

    (2013.2.15)
    ************
    再読。
    「返事はいらない」
    彼氏にフラれて自殺しようと上がったマンションの屋上で出会った夫婦に、銀行相手にお金を騙し取る計画に誘われる。

    犯罪に加担するキッカケがあって、それが完全犯罪として成り立ちそうな計画で、よく考えるなぁと思った。

    大手銀行や企業がこのカードの暗証番号の仕組みのように、やってないけど「やってます」と言っても素人には分からないなぁと単純に思った。
    作中でも「自分には関係ない」と思っているからなんでしょうね。
    なかなかそこまで考えたら銀行に預ける気にならないし…

    「さよならに返事はいらない」ってセリフがいやに格好良かった。

    「ドルシネアにようこそ」
    ドルシネアってなんだ?と思って読み始め、意外と深いネーミングでした。

    お店が客を選ぶってことは六本木のオシャレなお店ならさもありそう。
    そのイメージを変えたいと言っても、このオーナーが直接紹介して招待しないと難しいんじゃないかなぁと思った。

    「言わずにおいて」
    課長にセクハラ発言をされてブチ切れてしまった女性が、夜中に眠れなくて川沿いを歩いていたら、車の事故を目撃してしまう。

    あんな風に「見つけた!」なんて言われた直後にその相手が死んだらものすごい怖い。
    よく警察に言わずにやり過ごせた上に、自分で調べる気になったもんだ。
    確かに課長が本当は思っていた通り仕事がテキパキ出来る人なのかもと思った。

    しかしこのトリックはなかなか難しいというか、捻り過ぎっていうか、あり得なくない?と思った。
    死にゆく妻に嘘をつき続けるためにここまでするか?
    殺すのも自分だし。

    「聞こえていますか」
    嫁姑間が上手くいってない家庭で育った男の子が、やっと別居で引っ越してきた先で夜中に幽霊を見たり、元の持ち主の電話に盗聴器を見つけてしまう。

    家族でもウマが合わない関係というのはどうしてもあるでしょう。
    そういうのを子供の頃から見せられて、その子からしたらどっちも血が繋がってるのに「どっちの味方につくの?」と迫られ続けるなんてひどい環境だと思った。
    その割にはすごく賢くて落ち着いた子供だけど。
    三井老人の気持ちまで想像できる12才って、と思ってしまった。

    やるせない気持ちになる話だった。

    「裏切らないで」
    ある刑事が担当した歩道橋から転落した女性の事件の真相について。

    「東京」は幻、という件になんとなく納得出来ました。

    享楽的な価値感で浪費していく女性が出て来るけど、本当にどうしようもないですね。
    器用な人ならちゃんと稼ぐ男(今時いるのか?)を捕まえるんだろけど、そうでない人がこの「30才過ぎたらおばさんで舗道の石と同じ」なんてセリフを吐くようになるんでしょう。
    確かにおばさんになった女性に社会的価値はないという思想は男性にはあるけど、そんな男なんて「じゃあお前にはどんな価値があるわけ?」と聞きたくなるような下らない人だろうと思ってしまうのだから、そんな人達の価値感に縛られたくないと思う。

    女性側も「若さ」以外の魅力を身に付けようとは思わないのかな。
    その辺がやっぱり浅はかというか思慮に欠けていて魅力がなく、結婚相手もいないところに現れてるのかな。

    「私はついてない」
    借金のカタに婚約指輪を取られて泣きついてきた従姉妹の相談にのってあげる高校生の話。

    前の話で言うところの「上手く稼ぐ男を捕まえた女」の話。
    やっぱりちゃっかりしてるというか、要領が良いなぁと思った。
    仲良くなりたいとは思わないけど。

    借金をさせてくれてた女性も、まぁムカついてたんだろうけどやり過ぎ感もあったし、家の様子なんかに悲壮感が漂ってて哀しくなる話でした。

    裕くんは結婚するハードルが上がってそう。
    彼が香水に詳しかったエピソードだけは微笑ましかった。

  • 設定が古いけどストーリー展開としては古さを感じさせない。事件が起こる結局のところの、妬み、嫉み、欲望、想いなどは時代やものが変わってもあまり変わらないんだなと。だから事件が起こるんだし、ストーリーが生まれる。殺人事件があるにせよ、全体的にホッとする内容でした。次は「火車」を読んでみたい。

  • ミステリーの短編集。
    薄っぺらになりがちな短篇だけれど、人物描写もしっかりされて無駄が一切ありません。
    『ドルネシアへようこそ』は、心がほんわか温かくなります。

  • 「返事はいらない」「ドルシネアにようこそ」「言わずにおいて」「聞こえていますか」「裏切らないで」「私はついていない」。「ドルシネアにようこそ」が一番面白く読めた。主人公の生き方と華やかなディスコの対比が面白い。あとは「私はついていない」。主人公の従姉に出来過ぎなぐらいな出来事が連続するがそれは仕組まれたこと。しかし、最後に自分に関係する意外な事実が。どんでん返しとは違うがそうなるか、と。

  • 1話1話作り込んであって無駄がなくてなかなか面白かった。中でも速記の勉強をするさえない青年の話「ドルシネアにようこそ」が良い話だった。駅の改札隣にある伝言板がこの話のキーアイテムだけど、私より若い子達はその存在すら知らないかもなぁ。

  • 爽やかミステリーとでも言うのでしょうか、宮部みゆきさんの短編6話が収録されています。返事はいらない、ドルシネアにようこそ、言わずにおいて、気に入りましたw。「返事はいらない」、1994.12発行です。

  • 謎解きの短編集です。起承転結が早いためわかりやすいですが、考える時間がないのが短編のつまらないところでしょうか。
    短い時間の空きに読むには良いですが、考えない分後に残らず残念です。
    内容は楽しいものでした。

  • 短編集。魅力ぎっしり。

  • 全体的に地味な話で特に驚きとかはなかった。
    ドルネシアにようこそが一番好きです。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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