龍は眠る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 11281
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  • Amazon.co.jp ・本 (537ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369143

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の時に1度読み、再読。

    宮部さんの物語に出てくる刑事さんは、ハートフルな人が多い気がする。物語後半に出てきて、色んな人を救ってくれる。気がする。

  • 役に立つ能力の活かし方
    超常能力者「サイキック」、他人の心を読める人物は今の世でも「変わり者」として「除け者扱い」されるかも知れない。このミステリーでは超常能力者により事件を未然に防ぐ「人の役に立つ」役割を複雑に絡んだ悪巧みを暴いていく小説だ。 人の隠れた才能は、引き出し方、引き出され方次第で「起きる龍」になるかも知れない。生まれながらの才能、埋もれた才能、どちらも上手く引き出され、生かされば最高の幸せとなる。

  • ある台風の夜に通りかかった道で高坂は少年を拾う。偶然のりあげた口を開けたマンホールに危険を感じた矢先、台風に飛ばされる学童用の黄色い傘を見る。嫌な予感が走る中、拾った少年慎司が次々と漏らす言葉が示すものとは。
    そこからはじまる高坂と慎司の間についた傷や悲しみや信頼のお話。

    すっごい面白かった・・・。
    たくさんの人が出てくるんですが、それぞれが生き生きと自分の思った通りに動いていて、その中には「なんでそんなことするのかなぁ」な行動もあるんですが、それはそれなりに筋は通っている(というかわからないでもない)。
    いい人ばかりではなく、といって悪いことする人に理がないわけではなく。実社会に似ていて、受け入れるしかない世界。彼らがやることは悪意があったりなかったり、実を結んだり結ばなかったり。よくないことだけど、よくあることでもあるなーとか思いつつ読んでたら終わってた・・・!
    たとえば障害があったり、超能力を持ってしまっていたり、何もなくてもそこそこめんどくせーのに、何かあった場合もひとつ面倒でタイヘンなんだろうな、でも疲弊するだけの毎日じゃなければいいなと願いました。あなたも、わたしも。

  • 宮部作品は結構読んでいるのですが、先日、BS11の読書番組で特集が組まれていて、読むつもりで購入済みだったので本棚から、数十冊の読みたい本の順番を早めて読んでみた。

    予想通りの宮部流の読ませるテクニックは、最高ですね。
    読みだすと長編なのにノンストップで最後まで・・・。本当に疲れます(笑)
     いつも思うのだが、読書中に、犯人が表れているのかいないのか?と思うのです。(本書の性格上明かせない内容ですが)読めないのではなく見えないのです。おそらく見えないように作り込んでいるのでしょうね。
    だから、興味津津と深々と我を忘れて没入してしまいます。そこに宮部作品の特徴があると感じました。

  • 宮部みゆきさんの本で一番好き!定期的に読み返してしまいます。ミステリというジャンルにハマるきっかけになりました!

  • 正月積本消化。今まで積本だったのが悔やまれる傑作!

  • 常人が理解できない能力を持った人間がどういった苦悩をするのか、そういう人間に常人が出会った時どんは反応をするのかが描かれていた。
    そんな超能力を持っていなくても、自分の頭の中を相手に理解させるのは大変難しいことで、誤解なくコミュニケーションを行う難しさを想像させられた。

  • ドキドキした、夏に読んだ記憶

  • 雑誌記者の高坂昭吾は、嵐の中車で走っていたところ、パンクした自転車で立ち往生していた少年を拾う。
    そして、あるものを轢いたことに気がつき…それは開いたマンホールだった。
    その近くに開いたままの子供の黄色い傘…
    捜索活動が行われるが、なかなか発見されず…
    そんな中、途中で拾った少年、稲村慎司が不思議な怪しい行動を取るようになる。高坂は彼が犯人なのではと考え、問いただした。
    その答えは…「僕は超能力者なんだ」。実際、高坂の過去の記憶を当て始め、そして今回のマンホール事件の真相も語り始める…。
    この事件をはじめとし、高坂に届く白紙の手紙、超能力者の織田直也との出会い、その織田直也の知り合い三村七恵との出会い、そして昔婚約していた女性が関わるようになる。
    超能力とミステリーです。

    再読。初めから惹き込まれる物語でした。
    この本は、超能力をテーマにしながらも、主人公が超能力者ではなく、彼らを外側から見る普通の雑誌記者であったことが、また視点として新鮮でした。
    高坂さんが、とてもかっこいい素敵な方だろうなぁ〜と思わず想像してしまいます。そして、七恵さんも素敵な女性なんだろうなぁ〜と想像しました笑。
    事件も一つ一つがしっかりしていましたが、超能力を持つ少年達の苦悩や事件関係者の心情が、しっかりと書かれていて良かったです。
    そして、ミステリーの中に少し入っているちょっとした恋愛が、とっても良かったです。ベタ甘も好きですが、こういうさりげない感じの恋愛模様を描く所が、また宮部みゆきさんの繊細さだなぁと実感しました。

  • 宮部みゆきさんの初期の作品です。
    久しぶりに引っ張り出してきて読みました。

    これは名作だと思う。

    推理小説が大好きで一時期宮部みゆきさんにハマりました。
    宮部さんの作品を片っ端から読みまくって…
    で、その中に何作かですが、これってSFですか?って思う作品にぶち当たりました。
    その内の一作がこれ『龍は眠る』です。
    話の内容は、まぁ推理小説と言っても差し支えないですが登場人物にサイキックがいます。
    だからといって超能力を駆使して事件を解決するのかというと、そんな訳ではなく。
    人間の内面を描いた少し悲しい物語です。

    絶対にオススメです。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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