本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369150

感想・レビュー・書評

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  • 本当に宮部さんの時代物はどれも面白い。ふしぎ、のタイトルから「何か人外のものが?」と思ってしまったけど、どれも良くも悪くも深い人情のお話でした。この時代のそれぞれの生き様が小気味よくもあり、悲しくもあり。最初の「片葉の芦」と最後の「消えずの行灯」が印象に残る。時によってどちらが正しいのか分からないけれども、私は施しに慣れちゃいけないと思う。お美津も間違ってはいないけどいつか伝わればいいな。「消えずの行灯」のおゆうのたくましさ、清廉さには頭が下がる思いでした。

  • 近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と
    折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が
    流れたが…。幼い頃お美津に受けた恩義を
    忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人が
    真相を探る「片葉の芦」など、全7編の
    連作時代ミステリ。

  • 本所深川を舞台にした、江戸庶民たちの息づく生活の中に、
    起こる事件を回向院の茂七が解決する、短編集。
    第一話 片葉の芦・・・寿司屋を営む藤兵衛の死の真相は?
            父と娘、『助ける』と『恵む』、心の違い。
    第二話 送り提灯・・・お嬢様に深夜のお参りに行かされるおりんの
       後をついてくる提灯とは?すれ違う、女の想いと男の胸の内。
    第三話 置いてけ堀・・・何故、夫は死んでしまったのか?
            おしずは、置いてけ堀で怪異に出会うが・・・。
    第四話 落葉なしの椎・・・落葉が無ければ。嫁入り前のお袖の想い。
             だが、本当の心を通わせられたのは落葉の縁。
    第五話 馬鹿囃子・・・男なんてみんな馬鹿囃子だ!
       お吉の言葉に心を動かされるおとし。その二人に魔の手が。
    第六話 足洗い屋敷・・・美しく優しい義母との生活。だが事件が。
             きっと不幸がと、おみよに告げる娘の正体は。
    第七話 消えずの行灯・・・行方不明の娘の替え玉となったおゆう。
          彼女が知るのは憎しみの油で燃える、消えずの行灯。
    深川七不思議に絡めた、回向院の茂七が活躍する事件の短編集。
    日々の生活に追われる江戸庶民たちだが、時には事件に
    巻き込まれることもある。殺し、押し込み、顔切り、火事・・・。
    その合間に垣間見られるのは、人だからこその、喜怒哀楽。
    悋気、欲、恨み。親子の、男女の想い。
    そして登場する、回向院の茂七の人情溢れる心配りに救われる。
    題となる七不思議をうまく取り込んで、
    必ずしもハッピーエンドではないけれど、味わい深い温かさを
    感じさせる、良さがありました。

  • 良い物語ばかりでした。

  • 懐かしい物語が、作者の感性でこんなにも物語は変わるものなのか!

  • 私にとっての宮部みゆき初作品。「本所七不思議」の存在すら知らなかった私だが、充分に楽しめる作品だった。
    どれも幸せとは言えない話だがどこか切なく、後味の悪い終わりじゃないのがいいと思う。責任感が強く、情に熱い回向院の茂吉いいやつだね。

  • 第13回吉川英治文学新人賞

  • 普通に面白かった。しかし、他の江戸シリーズの方が好きだな。

  •  時代物の短編が読みたくなり、再読ですがこの本を手に取りました。
     大好きな宮部みゆきの初期の頃に書いた時代小説。薄い本ですが、深川七不思議をモチーフにした7編の短編が収録されています。
     「なるほど」と納得する作品もあれば、「結局あれはなんだったんだろう・・・」ともやっとしたまま終わる作品もあります。宮部みゆきさんは現代小説でもその情景が良く浮かぶ表現で書いていますが、時代小説もその時代の人の生活風景を描写していて、江戸の生活を想像する楽しさも与えてくれます。江戸時代にも様々な性格の人が生きていて、それぞれの考えがあって、人間関係があって、と当たり前のことなのですが、そんなことを思いながら読みました。
     しばらくは宮部みゆきワールドで楽しませていただこうと思います。

  • 図書館で。
    普通に面白かった、と思う。あまりきちんと覚えてないけど。ある程度の、クオリティをきちんと守れる作家ってすごいなって思う。流石人気作家さんだ。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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