本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4138
レビュー : 321
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369150

感想・レビュー・書評

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  • 本所深川に噂される七不思議をベースに、人間模様が描かれている短編集。
    ハッピーエンドでもなければ後味の悪さもない。主人公だけが報われるということもない。なのに不思議と温かい気持ちになれた。
    なかなか個人の努力では変えられない大きな物語をそれぞれに抱えている。実直に頑張り続けたって冷や水を浴びせられるようなこともしばしば。この短編集に出てくる主人公たちは、そんな生活の中でも人を思いやる気持ちを見つけて、決して「自分だけが苦労していて自分だけが不幸だ」という道には入り込まない。努力している、十分に勤めていると思い込み、自分より恵まれた環境にいる人間にたいしての嫉妬心を見つけてしまったり、自分の心なさに気付いたりもする。
    「消えずの行灯」という短編はこの短編集のうまみが全部詰まったような作品。
    私が読んでひときわ心に残ったのは「片葉の芦」「馬鹿囃子」「落葉なしの椎」。「落葉なしの椎」は結局なんて書いてあるのかを書かなかったところがなんとも粋だと思います。

  • 本所深川にまつわる怪奇と、そこに直面した人々の素朴な切なさや、温かさが滲む短編集。
    読むとしみじみとした余韻が心に残ります。

    宮部みゆきさんの初期の頃の時代小説ということで、構造や主題はストレート。
    現代小説にも通じる普遍的な人間の感情が、シンプルに描かれているので、時代小説にあまり馴染みのない方も、比較的意識せずに読めると思います。

    時代小説初心者の方や、宮部みゆきさんの時代小説を何か読んでみたいという方にお勧めします。

  • 七不思議。今でいえば、都市伝説。 題材もよいし、登場人物もよい。 回向院の茂七。脇役として出てくる。 大川を渡った深川は江戸ではないのかもしれない。 時代物が苦手な人でも楽しめる。

  • 本所深川を取り締まっている岡っ引き茂七が関わった事件を七つの話にまとめた人情モノの短篇集


    時代小説自体が大好きなのでちょっとばかし甘い評価かもしれませんがかなり面白かった。個人的には最初と最後の話が印象的です

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「茂七親分の話はシリーズにして」
      「本所深川ふしぎ草紙」「初ものがたり」の他に「かまいたち」「幻色江戸ごよみ」「堪忍箱」とかがTVの原作とし...
      「茂七親分の話はシリーズにして」
      「本所深川ふしぎ草紙」「初ものがたり」の他に「かまいたち」「幻色江戸ごよみ」「堪忍箱」とかがTVの原作として使われたようです。
      2013/06/28
    • otemoterashiさん
      わ〜情報ありがとうございます◎そのうち探して読んでみます◎
      わ〜情報ありがとうございます◎そのうち探して読んでみます◎
      2013/07/02
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      読んでいないのですが、「ぼんくら」と「日暮し」には、茂七親分と繋がりのある人が出てくるそうです(年老いた茂七親分も出てくるのかな?)。
      読んでいないのですが、「ぼんくら」と「日暮し」には、茂七親分と繋がりのある人が出てくるそうです(年老いた茂七親分も出てくるのかな?)。
      2013/07/30
  • 片葉の芦や置いてけ掘りはいい終わりだけど、足洗いの屋敷は少し寂しくなるかな

  •  時代物の短編が読みたくなり、再読ですがこの本を手に取りました。
     大好きな宮部みゆきの初期の頃に書いた時代小説。薄い本ですが、深川七不思議をモチーフにした7編の短編が収録されています。
     「なるほど」と納得する作品もあれば、「結局あれはなんだったんだろう・・・」ともやっとしたまま終わる作品もあります。宮部みゆきさんは現代小説でもその情景が良く浮かぶ表現で書いていますが、時代小説もその時代の人の生活風景を描写していて、江戸の生活を想像する楽しさも与えてくれます。江戸時代にも様々な性格の人が生きていて、それぞれの考えがあって、人間関係があって、と当たり前のことなのですが、そんなことを思いながら読みました。
     しばらくは宮部みゆきワールドで楽しませていただこうと思います。

  • 本所深川の七不思議にちなむ七作品。
    短い話の中にも人情とか善悪で測れない様々なものが詰まっていました。
    どの作品にも登場する回向院の茂七親分の人柄が温かく、幸せに終われない話でも嫌な後味が残らず良かったです。

  • 新境地開拓も傑作誕生!

  • 回向院の茂七親分がこんなところに それだけで ホクホクして読んでいました。

  • 宮部みゆきの時代ものっていいんだよなー。

著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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