模倣犯3 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369266

感想・レビュー・書評

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  • 最後の最後、カズとヒロミが本当の友達になろうとするシーンで、心温まる気持ちになったが、それでも死んでしまうという救いようのない結末に、小説とはいえピースが心底嫌いになった。

    ドラマで見たことがあるため、ネタバレしてて、1,2,3巻となかなか進まず、読む気にならなかった。だが、この最後のシーンで小説の良さを感じ、再び読んでみようという気になった。

  • 第3巻。

    犯人側を中心に物語は進む。これでやっと、時系列的に1巻に並ぶ。

    この一連の事件はいったいなんなんだ?という不快感が浮かぶ。
    なにも生み出さない犯人の自己満足が、退屈な日々を送る人々に刺激的な物語を提供する。
    表面上は、被害者の女性達を哀れむが、一方女性を蔑み嘲笑う感情が事件を盛り上げる要因となっている。マスメディアの報道の根底もそれはある。

    読んでいるうちに自分たちが生きている世の中が歪んでいる気がてくる。というか、実際そうだ。みんな心の底では分かってる。

    ただの快楽殺人に、不器用だが真面目に誠実に生きてきた人間が巻き込まれて死ぬ。なんの生きる価値も見出されぬ、ゴミのような存在として。

    こんなクソみたいなことがあるなんて、どうかしてる。
    この本はそんな世の中の腐った歪みをうまく切り取っているんだろう。

  • なんだかな、本当に彼の人生はなんだったのかな…もっと幸せなことがたくさんあったはずなのに。あの時ヒロミに出会わなければ、全く違ったのに。でもヒロミのおかげで成長したところもあるのか。本当にカズが気の毒でしかない。

  • やや中だるみの感はあるけれど、逆に言うとここらへんから、作者が枚数を考えずこの物語を書き尽くしてやろうと腰を据えた、のかも知れない( ´ ▽ ` )ノ。

    知能犯(=実はただの賢い子ども)のたてた綿密な計画が、思わぬところから破綻、崩壊し、第一巻のラストに帰納していく( ´ ▽ ` )ノ。
    カズという(ドストエフスキーに出てきそうな)「人間の良心」そのものの存在がカギ( ´ ▽ ` )ノ。
    闇を照らす光( ´ ▽ ` )ノ。
    氷を溶かす陽( ´ ▽ ` )ノ。
    まるでイエス・キリスト( ´ ▽ ` )ノ。
    このカズが失われた後、物語はどんな展開を見せるのだろうか?( ´ ▽ ` )ノ。
    次巻から、ついに真の主役ピースが表舞台に登場だ( ´ ▽ ` )ノ。

    2016/11/09

  • こちらも犯人側の描写。殺意が生まれるほどの描写。ここまで細かく描写するのは、加害者側をなんだかんだと守ってしまう、被害者側をおざなりにしてしまう社会の何か根本的に間違ってる思考を問いただそうとしているのか。

    兎に角まだすっきりとしない。先を読もう。

  • 夢中で読みふけり3巻読破。

    まだ3巻、いや、もう3巻。

    4,5巻はどのように続くのであろうか。
    5冊全て読み切るのがなんだかさみしい。

  • ようやく真相が明らかに。
    とにかく長い
    あと2冊もあるのかと思うと・・・

  • この血の巡りの悪さはいったいどこから来ているのだろう?

    血の巡りの悪さって表現、自分にも当てはまりそうですごい

    もうええよピースとヒロミは、辟易
    一巻のあの昭和の捜査感が懐かしい〜〜〜

    嘘をつくのは易しい、難しいのはついた嘘を覚えておくことだ

    私は集中力がなくて、こんなに時間が溶けるほど引き込まれる話ってなかなか出会えないから、これが終わったら電車の時間とか辛いなあ
    時間が溶けるのって他にスマホしかないの…

    こんなに優しい高明の首に枝なんて刺さないでよぉ!!という気持ち
    ヒロミもまあかわいそうな家庭に育ったもんだ
    貧困は全てを悪くするな
    救われない幻覚を見たまま亡くなったのは本当に可哀想
    今度はピースの独白編か〜きつい〜〜
    鞠子のおじいちゃんと坂木さんと武上さん早く
    よく考えてみたら滋子の話もここまで置いたままって本当にえらい長編やな

  • 人間不信になっちゃうよ!

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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