模倣犯(四) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5061
レビュー : 269
  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369273

感想・レビュー・書評

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  • イライラしたり泣いたり忙しい巻だった。
    カズのことを読んできているので、ホテルの支配人とか前畑とか真一にでさえ、「おまえらカズの無実証明されたら絶対謝れよ」と思いながら読んでた。
    ピースの芝居がかった態度、今まで気にならなかったのにこの巻だとやけに幼く感じる。
    由美子は気持ちは痛いほどわかるけど、どうしてもイライラさせられてしまった。
    前畑は一巻から印象変わらず、ただのでしゃばりな女としか思えない。「女」って感じ。
    義夫、真一、カズにとって少しでも明るい終わり方であったらいいなと思う

  • 特捜部は、栗橋、高井を犯人と認めるものの、高井を犯人と確定する物証・アリバイが見つからず、事件の捜査は長期化する

    そんな中で、被害者家族は、もちろんのこと加害者(容疑者)家族は、好奇と非難の目に晒され、仕事、家を奪われ、地域からも追われていく。
    心は疲弊し、壊れていく様子が痛々しく、胸が潰れそうになる

    有馬義男がライターの前畑滋子に突きつけた
    「連中がなぜ鞠子を殺したのか知りたいよ。殺した後どう感じた
    のか知りたいよ。一瞬だって鞠子のことを可哀想だと思わなか
    ったのかどうか知りたいよ。

    だが、それはあんたのような赤の他人の"解説"として知りたい
    んじゃない! あいつらの声で、生身のあいつらにしゃべらせ
    たかったんだ」
    という言葉は残された被害者家族共通の悲痛な心の叫びだと思う

    「もし二人の他に第三の男がいるのだとしたら、事件について、
    しゃべりたくてウズウズしているはずだ。
    遅かれ早かれいつかはしゃべりだす」
    という生田の言葉通り、
    ピースが本名 「網川浩一」を名乗り、マスコミに登場し、5巻へとつながる

    この巻は、事件後の被害者家族、加害者家族、ライターの前畑滋子など、犯人を取り巻く人物の話だったので、やや中だるみの感は、否めない

  • 網川(ピース)の狡猾さと有馬氏の人間力に目を見張る第4巻。
    飯田橋ホテルの一件で, 前畑滋子の脆さも出てきて, 登場人物全員が建前ではなく, 本音で大川公園を発端とする事件に向き合うという印象を受けた。
    ピースはこの事件をどこに帰着させようとしているんだろうか。第1巻からは想像もしていなかったストーリーの展開と登場人物同士の偶然の出会いや繋がりに, ページを捲る手が止まらない。
    何より, 有馬氏の聡明さと冷静さは本当に頭が下がる。次で最終巻となるわけだけど, 他の誰よりもこの有馬氏との別れが寂しい。

  • 栗橋と高井の2人が自動車事故で死亡し、2人の共犯ということで連続殺人事件は幕を閉じたかに思えたが、再びピースが動き出すという展開でした。
    ピースの本名がついに明らかになりましたし、ピースが新たに何を考えて行動し始めたのか?なぜ、あえて事件関係者に近づくという危険を冒したのか?というところが謎ですが、ピースという人間の自己顕示欲というか真の悪意というものが、まだ抑え切れていないということなのでしょう。
    だんだんそのピースの感情が暴発気味になってきましたが、本巻での最後のピースオチが次の最終巻で、どのような展開となって、結末がどうなるのか?とても気になります!

  • 塚田真一を通して樋口めぐみの狂気さに嫌悪感抱かされて、無実だって分かった上でみると高井由美子を狂気じみてるって批判したりしてる人達に嫌悪感抱いて。でもそもそも樋口めぐみがしてることは〝間違ってて〟高井由美子は〝正しい〟ことを私は『知ってる』からいいはずなんだけど。誰が何をどう思うかは自由なはずだし、正しいとか間違いはないはずで、だからこそなんだかなぁ。誰も間違ってないけど正しくもない感じがする。「分からない」ってそれほど途方もない事で、知ることにすがって、でも有馬の義男のおじいちゃんはいつでも客観的だ

  • やっぱり網川が怖い…
    塚田真一くんはそんな網川に気づき始めている…
    和明の妹、由美子は兄の無実を信じ続ける!
    早く5巻でみんなが網川の本性を知って欲しい笑笑

  • ピースの本名が、網川浩一とやっと判明。笑っている顔がピースマークそっくりでピースというアダ名がついた。誰からも好かれる優等生で、彼の事を悪く言う関係者はいない。

    網川は、兄の無実を訴えたい高井由美子に近づき、親身になって世話を焼くが…。世の中に自分の偉業(巧妙に演出された猟奇・連続殺人事件)をアピールしたくてしょうがない、というところか。

    いずれにしても、本巻では高井由美子が(マスコミや一般人、被害者の家族等に)心を散々にいたぶられていて、読むのが辛かった。その裏にも網川の画策があるのだけれど。

    やはりキーマンは有馬、竹上、真一、滋子の四人かな。最終巻で、真の悪、網川とどう対決していくのか、楽しみ。

  • 【内容】
    事件「終結」後の捜査、由美子・網川の滋子との決別

  • 2017/10/14

著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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