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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784101369310
感想・レビュー・書評
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宮部さんの歴史背景の本はなぜか敬遠していたのだが、本屋で積んであったので久しぶりに手に取る。
圧巻。素晴らしい。
なぜ敬遠していたのか自分を呪ったぐらい(笑)
「ほう」という女の子が主人公で、望まれないで生まれ、疎まれて、あちこちに奉公に出され、やっとたどり着いた地で、いろいろな事件に巻き込まれ、いろいろな人に悪く言われ、でももともとのほうの素直さで乗り越えて生きていく物語。
私は常々、歴史物を見ていると「この時代の人の命は軽く思われているんだな」と思っていたのだが、本作もそういうところが良くも悪くも上手に描かれている。
ほうもそれを目の当たりにしていくわけで、その出会いと別れと、その時のほうの気持ちが痛いほどわかり、涙なくして読めなかった。
最後に、
かなりオススメ。
上下巻と長く、難しい表現も多いので時間がかかりそうだが、読み始めると引き込まれる。
内容も深く、「頑張ろう」と思える作品。 -
四国の小藩である丸海藩は、江戸勘定奉行でありながら流人となった幕府要人の預かりを命じられる。それは、一つ間違えば藩の取り潰しに繋がる凶事。
上巻では、無垢な幼女ほうと、元気な女引手の宇佐の視点から、丸海藩に忍び寄る不穏な影が描かれるが、物語の全容は伺いしれない。
もちろんそのまま下巻へ! -
これは、人の世の闇、もっと言えば鬼というものが、いかにして作られていくかという物語です。
幕府と多少の因縁があるという弱小の丸海藩に、江戸から罪を犯した御奉行さま、加賀殿がお預けになります。
それからの丸海藩は、不審な病気がはやり、亡くなる者もおり。
夏の雷がいつもの年以上にひどく、雷獣を倒したという守りの神も力が無くなったと。
人々の怨みつらみも抑えきれぬものとなり。
すべてが、加賀殿という鬼のなせる技でアルと。
そんな馬鹿な話はない、と、なんとかせねば、と歯噛みする宇佐。
けれども、和尚は、其れはそれで良し、と諭すのです。
「この世を総べている決まりごとに腹を立て、筋の通らぬことにはとことん逆らい、すべてを正しく直そうと意気込んでいた。子供であったよ。」
自分もそうであったなあと、今の歳になって思います。
もっとも、すべてを正すことなどできやしないのは、承知の上で、腹を立てるだけは立てる、ちょこちょこ逆らっては波風をたてる、というだけのことでしたが。
ほうは、平たく言えば、邪心のないココロで加賀殿にお仕えすることで、固まってしまったその心を溶かすことができた、ということでしょう。
こんなふうに書いてしまうと、まったくアリキタリになってしまうので、是非読んで、感じてみていただけると良いと思います。 -
丁寧に作り込まれた世界観と、登場人物一人ひとりの多彩な人間味が揃った傑作だと思います。
また、張り巡らされている伏線がしっかり回収されていくスピード感があり、あっという間の上下巻でした。
時代小説ですが、読みにくさはないので、このジャンルを避けいてる人にもおすすめです。
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宮部さんの時代物は一気に書き方が変わる?親を亡くした孤児の半生かな?
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江戸時代の殺人事件
もや〜として話は進む最後は衝撃的
ほうが可哀想な子なんだけど…
あたたかい人達が守ってくれて良かった。 -
ずっと家にあったけれども1度もきちんと読んだことがなかった本。初めてしっかり読んだけど、宇佐やほうが不甲斐なくって
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江戸の大店萬屋の若旦那が女中と関係を持ったことで生まれたほう。だが母は死に、店からは疎まれ(ほうの名前が阿呆からつけられたほど)、母の祟りを祓うためといって江戸から金比羅代参にいった途中の丸海藩の地で捨て子のように置き去りにされてしまう。しかしその他で藩医を勤める井上家に引き取られ、初めてほうは人の暖かさに触れる。
だがそれも面倒を見てくれた琴絵が毒殺されたことで終わりを告げる。毒殺の犯人は分かっているのだが、丸海藩の存続に関わる問題のため表沙汰にすることはできない。真相を知る幼いほうは井上家を出され、ふたたびひとりになってしまう。そのほうを哀れに思った引手の宇佐が面倒を見るが、宇佐も厄介ごとに巻き込まれ、、とひたすら暗い展開の多かった上巻。幕府の要人であった加賀様が流罪で丸海藩にきてから立て続けに起こる事件。謎は深まるばかりであり、下巻でどう回収されるのかとても気になる。 -
穏やかな土地柄である讃岐国・丸海藩。幕府の要人・船井加賀守が流刑で入領される前後から、領内で連続不審死事件が起こる。
宮部さんの人物描写に唸る。不幸な生い立ちのほうをはじめ、引き手の宇佐に役人の渡部。医者の舷州と啓一郎親子に嘉介親分。脳内映像で人物像と折々の季節の情景が浮かんでくる。不穏な空気に包まれたまま前編が終わった。後編では心からの笑顔を見せるほうが見たい。 -
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久方ぶりの宮部作品。最初時代小説らしからぬ「セリフまわし」に少し戸惑った感なきにしもあらずだったが、読み進めるにつけ徐々に宮部ワールドに引き込まれていったという感じ。題名の「孤宿」に住む人物は、周りの人々からあれこれ想像されて語られるだけで未だその姿を具体的に現さないが、さてこの後どうなるのだろう。下巻での展開が楽しみ。
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天涯孤独の身である女の子ほうとその周りの人々が藩に政府役人が流罪されたことをきっかけに過酷な運命に翻弄されていく様子が上巻では描かれます。
丁寧に描かれる町の様子や藩がおかれた状況の説明もあって話の動きだしは遅い感じですが、宮部さんらしくやはり登場人物たちの描写が丁寧!
ほうとほうを預かることとなる引手の宇佐とのやり取りや、途中から大きく見方の変わった登場人物もいてそういう点もいいのですが、特に心に迫ってきたのは登場人物たちが大きな権力による思惑を前にどうしようもない状況に置かれてしまう様子がとてもやるせなく架空の出来事とは思いながらも非常に悔しい思いになってしまいました。
特にほうの人生は苦しいことばかりで、どうにかしてあげれないのかなあ、と終始思いっ放し。
上巻では重たい雰囲気のまま下巻に続いていったのでここから登場人物たちにどんな運命が待ち受けているのか、少し不安を抱えながら読み進めていくことになりそうです。 -
長編でしたが、最初から引き込まれてしまった小説でした。
というのも、学のない主人公に根気よく、あたたかく生活の知恵や文字を教える大人たちがいるからです。
ほんとうに、涙が出るほどにあたたかい導き方でした。
それは真に広く深い知識を持っているからなのでしょうか。それとも性格?
覚えの悪い子にものを教えるって、とっても大変なことなんですよね。
三秒前に頭の中に存在したはずなのに、何度繰り返しても忘れられてしまう、教えた内容。
思わずもれてしまうため息が、目の前の子を傷つけたと気づき後悔する瞬間。思い出します。
・・いえ、これが子どもならまだ笑えるのだけど、すでに成人した若者にとなると、ねえ。(苦笑)
でも、教えるということは、教える側にも力を与えてもらえるものです。
この作品の中でも、「生きることをやめてしまいたい」と考えている人物がそうなりました。
無学で賤しい身分の主人公に出会った高貴な身分のこの人物が、ひょんなことから主人公に手習いを教え始めた時から健康面に不安がなくなり始めるのです。
ものを考えること、学ぶことの大切さを教える者のこと、
自ら考えることなく噂や他人の考えに流される者のこと、
純粋であるが故の愚かさ、尊さ・・・
いろいろなことを考えさせられ、気づき、省みながら読み進め、何度も号泣しつつ、
ついに読了しました。
最近は、身体を動かす方面にばかり気を取られて 書くことから遠ざかっていたからでしょうか。
心の内に悲しくも温かいものがこんなに広がっているのに、それを言葉に表すことができません。
主人公の「ほう」が「阿呆のホウだから、自分が何を考えているのかも伝えられないのだ」と歯がゆく思う気持ちと同じことを感じています。 -
私は今まで、この作者の作品は「模倣犯」「楽園」などの現代物しか読んだことがなかったのですが、違和感なく物語に入り込めました。
讃岐国・丸海藩に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。以来、加賀殿の毒気にあてられたかのごとく、雷害や毒死が頻発する。そして、加賀殿が幽閉される屋敷に下女として住み込むことになった少女・ほう。無垢な少女と、悪霊と恐れられた男の魂の触れ合いを描く。
…というようなあらすじから、もっとがちがちの時代物なのかとイメージしていたのですが、そんなことはなく、時代物初心者でもとっつきやすいと思います。
舞台装置は江戸時代の小藩であっても、人の心の動きようというものは変わらぬものだなあ、としみじみ感じました。 -
圧巻。素晴らしい世界観。
時代ものは敬遠しがちだったが、杞憂だった。
モデルがあったとはいえ、一つの藩の生活をまるごと構築する宮部みゆきは凄い。
流罪となって丸海藩に幽閉されることになった加賀様と、身寄のない孤児ほうの話。
小さい女の子と年配男性の触れ合いって格別に良いものがありますね…。笑。
雷の描写が凄い。雷って怖いものだな…と読んでいて思いました。
下巻に入ってから、ページを捲る手が止まらなくなりました。
面白かった。上下巻完結。 -
架空の藩を舞台にした小説だが、ネタが分かりやすいところがより一層臨場感を高めている。流石、宮部みゆき。
生き生きとした少女を描くのは得意な様子だが、この主人公の健気さは際立って胸に迫る。
上下、2巻完結。 -
好きな言葉
加賀様の目の奥に暗い光が宿るのにも魅入られた。
心の奥を探して、何かを取り出す時に必要な、あれは明かりだ。
著者プロフィール
宮部みゆきの作品
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