- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101369426
作品紹介・あらすじ
インターネット上に溢れる情報の中で、法律に抵触するものや犯罪に結びつくものを監視し、調査するサイバー・パトロール会社「クマー」。大学一年生の三島孝太郎は、先輩の真岐に誘われ、五カ月前からアルバイトを始めたが、ある日、全国で起きる不可解な殺人事件の監視チームに入るよう命じられる。その矢先、同僚の大学生が行方不明になり……。〈言葉〉と〈物語〉の根源を問う、圧倒的大作長編。
感想・レビュー・書評
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ファンタジーなのかと思ったら、普通の大学生が普通に生活しているところに、じわじわと不気味な影が差してくる感じ。本気でゾクゾクゾクしながら上巻は一気読み。この後の展開を楽しみに中巻を買いに行きます!
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今年のお正月文庫は、この上中下三巻になりそうだ。「英雄の書」の続編らしいが、今のところ、あの書の登場人物どころか、異世界への入り口も現れてはいない。
むしろ、アルバイト仲間の失踪の謎を解き明かそうとする大学一年生の三島孝太郎くんや、お茶筒ビル屋上にあるガーゴイル像が動くという謎を解き明かそうと動き出した元刑事の都築茂典氏の描写を含めて、連続する猟奇事件の怪異といい、極めて「模倣犯」などの現代小説のスタイルを保っている。
しかしながら、起きている出来事は、直ぐにでも異世界に入って行きそうなことばかり。果たしてどう決着つくのか。
子供の貧困、裏サイトでのイジメ、等々、現代社会の闇を背景に映しながら、それとは違う景色が出てくる予感がある。
第一章の山科社長と孝太郎くんとの会話の中に、おそらくこの作品のテーマが隠れている。あのシリーズの続編だとしたならば、だ。
「溜まり、積もった言葉の重みは、いつかその発信者自身を変えてゆく。言葉はそういうものなの。どんな形で発信しようと、本人と切り離すことなんか絶対にできない。本人に影響を与えずにはおかない。どれほどハンドルネームを使い分けようと、巧妙に正体を隠そうと、ほかの誰でもない発信者自身は、それが自分だって知っている。誰も自分自身から逃げることはできないのよ」
うちのおふくろだったら〈やったことは身に返る〉という言い回しをするだろうと、孝太郎はふと思った。(176p)
今年は、ネットで言葉巧みに自殺願望者を誘いこんでいた、連続猟奇殺人鬼も登場した。小説の世界が現実化するスピードが速くなっている。
2017年12月14日読了 -
これぞ宮部みゆき。「英雄の書」も読むべきだが、おそらくこれほど面白くはないのではないか・・・と猜疑心が沸々。
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サイバーパトロール会社。裏サイトでのいじめ。連続猟奇殺人事件。次々に消えるホームレスたち。動きだすガーゴイルの像。好きすぎる要素が満載すぎてイッキ読み。
この先、ファンタジックな展開になったとしても最低限の満足度は得られそう。この上巻だけでいえば文句なしの★5。 -
下巻にまとめて記入。
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元刑事で引退して、地域の防犯担当になっているおやじとサイバー関係を調査する会社でアルバイトをしている学生とが、タグを組むのか?この連続していなくなっている最近の事件と幽霊ビルの屋上にあるオブジェは、何なのか?これからの展開がどきどきするような上巻でした。早速次を読まないとわからない。
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切断魔の殺人事件が連続し、ミステリー小説かと思い読み始めたら、動く怪物像とか何やら、ファンタジー小説の体をなしてきた。
この作品は『英雄の書』の続編のようで、そちらを先に読むべきだったか。
ともかく、著者の小説は読みやすく、たちまち最終頁に辿り着く。
さらに最終頁が興味を惹く終わり方で、すぐさま中巻を読まずにいられない。 -
英雄の書の続編だったのか!
現実的な推理物が読みたかったので。。。しょっく。
わたしのリサーチ不足です。
@newplymoth -
さすがに宮部作品で面白くてすぐに惹きこまれました。しかし、ミステリーと思っていたけれどファンタジーなのかな?何も調べないで購入したので、ああこういう展開か?と思いびっくりしながら中巻に突入です。