悲嘆の門(中) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369433

作品紹介・あらすじ

失踪した同僚の森永を探す三島孝太郎は、西新宿セントラルラウンドビルで元捜査一課の刑事・都築に出会う。だが、そこで二人を待ち受けていたのは、まさに“怪物” と呼ぶべき存在だった……。〈狼〉を名乗る謎の美少女・森崎友理子との遭遇。クマー社長・山科鮎子を襲う悲劇。悪意による〈物語〉が拡散され、汚濁に満ちた闇が日常へと迫る中、正義と復讐に燃える青年は、ある決断を下す。

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきは好きで好きでたまらないが

    こんなファンタジー系?かよくわからない作品

  • 「復讐から導き出されるものは絶望だけだ。この二つの精霊(すだま)は一対のものであり、憤怒の子であり、嘆きの親なのだから」
    闇のように黒い瞳が孝太郎の瞳を覘き込む。孝太郎がこれまでの人生で見たことのない深淵の闇。光をも包み込む闇。それでいて冷たくはない。恐怖を与えない。
    傷ついて泣く子供を抱き、外の世界から隠して慰める闇。
    もう一度ガラは問うた。
    「それでも、おまえはその女の仇を討ちたいのか」
    孝太郎も身を起こし、その場に正座した。
    「そうだよ。だって、これはただの復讐じゃない。正義の裁きだ。これ以上犠牲者を出さないように、この領域を守るための正しい行いなんだ」
    ガラは孝太郎から目を離さずにかぶりを振る。
    「復讐と裁きは違う。似て非なるものだ。人と、人の形に似せて造られたものが異なるように」(185p)

    ダメだよ、孝太郎くん。ガラの言う通りだ。復讐と裁きは違う。でも孝太郎は肯んじ得ない。仇討ちに一段落ついても、もう止まらない。孝太郎よ、それが「業」だ。自ら「物語」を作っているのだ、と私は思う。嫌な予感がする。「おまえは後悔する」と何度も何度も予言されている。それが何か。幾つかフラグは立っているが、私にはわからない。下巻を読むのは正月明けになる。
    2017年12月26日読了

  • 下巻にまとめて記入。

  • え?
    これ、あれの続編。
    中巻になって気づくマヌケさσ^_^;

    えっと「英雄の書」だったっけな。

    タイトルもまぁまぁの確率で覚えていないいいかげんさ(−_−;)

    だからブグログアプリは役に立つ(^◇^;)

    とりあえず下巻へ

  • 現実的か物語ではなかった。。。
    現実世界でのミステリーを好んで読んできた身としては一瞬選ぶ本失敗したかなと思ったけど、読み続けてたら面白くなってきたし深い。
    言ってる事が難しすぎて、???、ってなる所もあるけど下巻最終どう落ち着くのか楽しみ。アニメとかでやって欲しいなー!

  • 第5の殺人が起き、主人公たちの犯人探しが続く。
    一方、<始源の大鐘楼>!<言葉の生まれ出る領域(リージョン)>!<輪(サークル)>!などの言葉が行き交い、物語はますますファンタジーっぽくなってきた。
    言の葉の精霊に使える戦士が現れ、主人公の青年も異能力を身に着ける。
    この後、犯人捜しのミステリー部分と異世界のファンタジーは、どのように融合して終焉するのか。
    「物語というものは、人間が<死>と対抗するために生み出したものなんだって」と、謎の少女は語る。この作品も、その物語のひとつなんだろうか。

  • 物語はどんどんと深く入って行く。ガラの力をもらい取引を成立させ真犯人を探し出した。その先に待っていたのは、よかったことなんだろうか
    次に待つのは人間として生きていけるんだろうか
    夢中になって読んでしまった。

  • このストーリーでライトな小説にならないのが作者の腕

  • 事前情報全くないまま悲嘆の門を読み始めてたので、
    この中巻読み始めるまで英雄の書と話が繋がっていたとは知らなかった! 
    なので、まだ英雄の書を読んでいない人はまずはそっちから読みはじめた方が楽しめると思う。

    上巻のラストのバールなんてくその役にも立たなかったわw
    そもそも人間がちょっと鉄の棒持ったぐらいでどうにかできる相手ではなかった。

    相手の正体っつーかどのような存在なのかなんとなく理解できた孝太郎と都築はそこから違う道を歩み始めてしまう。
    都築の場合は本人の明確な意思とはいいがたい状況になってしまったので致しかたないかもしれないけど。

    そしてもやもやしたまま日常に戻った孝太郎の元にあの子がやってきます。 英雄の書のあの子です。 とても美少女になって更に狼としてもちゃんと活動していたようですね。 この子が名乗るまで俺はこの本が英雄の書と繋がっているとは全く思っていなかったけど。
    そして彼女はこれ以上あの存在とは関わるなと忠告をして一旦去るのです。

    そして再びあの猟奇殺人事件の被害者が。
    ここで孝太郎はある決断をしてしまう。 でもこれは奴にそう考えるように仕向けられた感があるね。
    そんなこんなで孝太郎はここから先はいっちゃだめだって境界線を踏み越えてしまったわけだ。
    孝太郎の気持ちはわかるけど、事の成り行きを聞いた都築が激怒したのもわかる。

    再び行動を共にすることになった訳だが、この後どうなるんだろ。 
    二人とも無事でいられるのか。 ちょいちょい出てくる美香の件はどう絡んでくるのか。 英雄の書のあの子は再び現れるのか。 気になるのでとっとと下巻を読もう

  • 宮部みゆき氏の本は内容が何であれ読んでみようかなと思ってしまう。前回読んだ作品が「荒神」で今回も同じ系に進みそうな展開、そうなってしまうとやだなぁと思いながら読み進めていくと、出てきてしまったよ幻獣。うーむ、その時点で読書終了。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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