左手首 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101370149

感想・レビュー・書評

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  • 内容紹介文の段階でもう既に面白そうな上に「なにわ犯罪小説」という斬新な分類をされている短編集。

    とにもかくにも登場するのは半端な悪党ばかり。どの話も肩ががっくり落ちるような、何とも虚しく碌でもない結末を迎える。
    ところがこの悪党達が拙い計画や策を巡らせている描写が実に活き活きとエネルギッシュで、またそれが面白可笑しいのだ。

    どの話も個が立っていて印象に強く残る。

    私は「淡雪」の一等惨めなラストと「冬桜」のまさに烏合の衆と呼べる彼らの蜘蛛の子散らす終わり方が特に心に残った。



    8刷
    2021.9.11

  • 小悪党が犯罪を犯し、決してハッピーエンドで終わらない短編集。
    黒マメコンビや桑原・二宮コンビの作品とは一味違った黒川作品としてサラっと読めました。
    黒川作品らしい、登場人物のセリフのやりとり、好きやなぁ・・・

  •  暗黒小説の短編集。黒川博行は『後妻業』で知ったのだが、こういった暗黒小説を描かせると本当に上手い。
     それぞれの章にアンダーグラウンドに生きる人々が登場するが、いづれも警察に捕まったりヤクザに捕まったりする。それがあまりにもリアルで、背筋が寒くなる思いがする。
     悪いコトはするもんじゃないと、つくづく思い知らされる。

  • しょうもない連中の話。

  •  7話からなる短編集。

     どれもが短絡的で呆れるような犯行だった。しかも衝動的に犯したものではなく一応計画らしきものを練っているのだが、いずれも穴だらけの無謀な犯罪ばかり。
     さらに犯行動機にもまったく共感できなかったのだが、こんな低次元の「計画的犯行」が本当にリアルに行われているのだろうか!?と思った。

     黒川は短編が得手でないのかな?
     

  • 平成17年に買って、積ん読してたやつ。久しぶりに読んだわ。やっぱ、上手やねえ。

  • 黒川氏の2002年に刊行された短編集。大阪を舞台に小悪党やチンピラが犯罪に手を染め、一攫千金を狙いあれこれたくらんだ挙句、天国か地獄のどちらかに逝くお話。安っぽい犯罪者も出てくるが中には業界の裏事情に通じてないと書けないようなネタや、アイディア勝負の一発ネタなども。最近の黒川作品群とは若干毛色が違うが手軽に読了できるのでアリかなと思った。詳細→
    http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou3624.html

  • 2020.04読了
    黒川博行氏の短編集。
    普段短編には手を出さない私ですが、さすが黒川先生!楽しめました!
    黒川作品の短編集なら購入して読むことにします

  • 短編集。
    窃盗、詐欺、美人局、一攫千金を狙ったはずが・・・。
    詐欺の手口は面白いが、どの話も展開はワンバターンだった。
    (図書館)

  • 絶対最後に失敗する悪者たちの短編集/ 普通

  • 悪いことは出来ないってこと。

  • 内容紹介

    美人局のはずだった。だが、頭の弱い女が誘い込んだのはヤクザで、相棒の男が凄んでも脅しが効かない。逆ギレするヤクザ。女は消火器を振り下ろした。バラバラにした死体をいざ埋めようとするが……「左手首」。解体業者と組んで事故車で稼いでいた損保・車両鑑定人(アジャスター)の悪どい手口……「解体」。一攫千金か奈落の底か、欲の皮の突っ張った奴らが放つ最後のキツイ一発! なにわ犯罪小説七篇。

    内容(「BOOK」データベースより)

    美人局のはずだった。だが、頭の弱い女が誘い込んだのはヤクザで、相棒の男が凄んでも脅しが効かない。逆ギレするヤクザ。女は消火器を振り下ろした。バラバラにした死体をいざ埋めようとするが…「左手首」。解体業者と組んで事故車で稼いでいた損保・車両鑑定人の悪どい手口…「解体」。一攫千金か奈落の底か、欲の皮の突っ張った奴らが放つ最後のキツイ一発!なにわ犯罪小説七篇。

    内容(「MARC」データベースより)

    漆黒の裏社会でギリギリの攻防を繰り広げる闇の紳士たち。命を賭した丁々発止の化かし合いに最後に笑うのは誰か? 関西裏社会に炸裂する7つのノワール。『小説新潮』に掲載したものに加筆修正を行ない単行本化。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    黒川博行 1949(昭和24)年、愛媛県生れ。京都市立芸術大学卒業後、大阪の高校で美術の教鞭をとる。「二度のお別れ」「雨に殺せば」でサントリーミステリー大賞佳作賞を連続受賞する。’86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞する。’96(平成8)年には「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    目次

    内会
    徒花
    左手首
    淡雪
    帳尻
    解体
    冬桜

  • 関西弁が飛び交う短編犯罪集。短時間で読めます。出てくるのが悪人ばかり、虚無感が漂う短編ばかりで読後感が悪い。ただ、犯罪の手口が大胆なものもあって、それは新鮮だった。例えば「警察官になりすまして、違法賭博場に突入。お金をだまし取る」とか。印象に残ったのは「帳尻」。難しい株関係の詐欺。騙す方も相当賢くないとできないなと思う。

  • 長編がいいな

  • 窃盗、強盗、美人局・・・
    小悪党が一発逆転の犯罪をたくらみ
    ドツボに陥るという内容の短編集

    大阪が舞台で、関西弁の軽快な文体は読みやすいけど
    中身は薄い感じだな~

  • うーん、短編だから仕方ないかもしれないが、後味が悪い

  • 小悪党の悪知恵者の小銭稼ぎみたいな犯罪の短編集みたいなもの。軽く読めていい。緊張感やサスペンス的盛り上がりが少ない感じはするが、小説そのものが短いのでこんな物だろう。

  • 子悪党の犯罪もの。すべてうまくいかないのですねえ。短編なので疫病神シリーズほどのわくわく感はなかったです。

  • 著者得意の悪漢物の短編集。悪漢といっても極道そのものではなく、いわゆる小悪党が主人公であり、やることも中途半端。まあ、素人が欲をかいてプロの真似をしてもうまくいかないという内容だか、もう少しパンチの利いた話のほうが面白いと思うのだか。

  • 作品の紹介
    美人局のはずだった。だが、頭の弱い女が誘い込んだのはヤクザで、相棒の男が凄んでも脅しが効かない。逆ギレするヤクザ。女は消火器を振り下ろした。バラバラにした死体をいざ埋めようとするが...「左手首」。解体業者と組んで事故車で稼いでいた損保・車両鑑定人の悪どい手口...「解体」。一攫千金か奈落の底か、欲の皮の突っ張った奴らが放つ最後のキツイ一発!なにわ犯罪小説七篇。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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