パーマネント野ばら (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 904
感想 : 147
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101370712

作品紹介・あらすじ

港町にひとつの美容院、「パーマネント野ばら」。ここは女のザンゲ室。まいにち村の女たちが、恋にまつわる小さな嘘や記憶を告白していく。昨日男に裏切られ泣いたとしても、明日また男を愛しくおもう女の不思議。ずっと好きより、いま大好きの瞬間を逃したくない女の謎。俗っぽくてだめだめな恋にもひそむ、可愛くて神聖なきらきらをすくいあげた、叙情的作品の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 「ええねん、わたしら、若いときは世間さまの注文した女、ちゃんとやってきたんや。これからは、好きにさせてもらお」。女たちの生きっぷりが清々しい作品でした。

  • 先に映画を見たのですが、これって原作のラストもこうなの?って気になったので読んでみました。結果、映画は原作に忠実であることがわかりました。基本ギャグ漫画ぽくしてあるけど、随所に女子ならぐさっとくる言葉満載で、悪くなかったです。

  • ある一線の、その瀬戸際付近で生きている、田舎の女性たちの物語。性にたいしての品の無さが、逆にこういった境遇にある人たちを生きやすくさせているように見えた。メインストリートというかハイカルチャーというか、そういうのからかなりはみ出した人たちの生きざまにだって魅力はある。魅力のない人間はいない、というように読めました。

  • 職場の先輩(既婚)に、「最近あんまり喋らんが。大丈夫か?」と心配され、「やだもう結婚して!」という思いの丈を西原さんを読むことで発散する。号泣である。いけちゃんと野ばらはこんなときの鉄板だよぉ。

  • 再読。
    中身の成分を比で表すと、下ネタ&下品:切ない:やさしい=8:1:1
    出てくるキャラたちの日常は本当に、あらゆる意味で底辺な感じでどうしようもなくて、なおかつドラマティック。なのに渦中の彼女たちはいつもあっけらかんとしています。おいおい大丈夫か、と思いながらも、自分に降りかかってくるモロモロをあんなふうにすべて「たいしたことないよ」って感じで受け止め、受け流していけたらな、とも思いました。
    ところどころでほろっとして、最後のStory20での「なおこ」と「みっちゃん」のやりとりで号泣。なおこがとても悲しくて、みっちゃんがとてもやさしくて。
    西原さんの描く風景は、線も色もシンプルなのにとてもきれいで印象的です。
    数年前に読んだときはムスメに読まれると困ると思ったけど、彼女ももう中2で親も知らない耳学問を持ってるかもしれないし、今回は親目線抜きで☆5つ。

    以下は何年か前に読んだときに書いた感想。

    下ネタ満載の日本版「マグノリアの花たち」(ちょっと違うか)。
    辛い状況に立ち向かうというよりは、それを引き受けつつ淡々と生きる女の人たち(これができるのが女の強さだと私は常々思っている)がたくさん出てきます。
    読んでいて切なくなるところもありました。
    マンガなので、ムスメ(小6)が読みたがって困りました。(理由もないのにダメとも言えず)ちょっと読んでたようだけど、意味が分からなかったみたいで挫折してました^_^;。
    困らされたので☆2つ減(笑)

  • 幸せになれる恋愛と幸せになれない恋愛があるとして、何故だか幸せになれない方に突き進む人がいる。なんでそんな人と…とか、他にもっといい人がいるでしょうに…とか傍観者としては口出ししてしまいたくもなる。でも彼女らは彼女らなりにそこに幸せを見出しているのかもしれない。泣いても失望しても、豪快に笑い飛ばしてまた恋をする彼女らは強い。

    石橋を叩いて叩いて叩き割ってしまう私から見ればその強さが眩しくもあり。

  • 最後にこんなオチが待ってるとは•••。
    登場人物はみんなぶっ飛んでる。振り切ってて逆に清々しいくらい。
    イタイ人たちなのに、本音剥き出しの台詞が心に響きます。
    「女の心は定期預金、ある日急に満期になる」上手いこと言うな〜。

    サイバラさんの作品を読むのは初めてですが、抱いていた作品のイメージと違ってて、いい意味での驚きでした。
    この絵柄だから、このストーリーが生きてるんだと思います。

  • 納得のオチ

    『もうだいぶん狂っているのかもしれない

  • 西原理恵子ラブ。同郷だし。
    毎日かあさんはもちろんいろいろ読んでます。

    この人の書く漫画って、むちゃくちゃなんだけどノスタルジーに溢れてて涙が出てくるんだよね!
    登場人物みんなが泣き笑いしてる感じの漫画。

  • 田舎の美容院に近所のおばちゃん達が集まって、噂話したり懺悔したり、そういうのあるあるなのよね…と知ったかぶりして読み始めたら、とんでもない!ぶっ飛びすぎてて何度も腰抜かしました。村のおばちゃん達の人生がヘビーなのに底抜けにおおらかで、その反面主人公のなおこの内面語りがとてもセンチメンタルで叙情的なのが凄いギャップで、振り幅大きくて心揺さぶられました。一見派手でお下品な下ネタかますおばちゃんの心にも、少女の時の夢や憧れがちゃんと残っているんだなぁ、と妙にしみじみ…。最後、切ない…。
    恋愛というより女の友情物語かも。

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著者プロフィール

高知生まれ。漫画家。’88年『ちくろ幼稚園』で本格デビュー。’97年『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞を受賞。’05年『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「2021年 『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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