緘黙: 五百頭病院特命ファイル (新潮文庫 か 62-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101370866

作品紹介・あらすじ

十五年間、無言を貫き続けているという、新実克己。「緘黙」としては、もはや世界レベルの症例である。新実をある事情から受け入れた五百頭病院には、いずれも個性的な三人の医師が勤務していた。津森慎二、大辻旭、蟹江充子-彼らのうちに、新実が自ら築いた堅固な城壁を崩せる者は存在するのか?豊富な臨床経験を持つベテラン精神科医が描く、新たな医学エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • なるほど。作者の方が精神科医だけあって文字にトゲがなく優しい。

    しかし内容はけっこうヘビーで現代の心を病む人たちを、そしてその人たちと向き合う医療関係者を描いている…

    三人の精神科医…これがまたそれぞれ闇を抱えてそうで…
    また院長が一癖二癖ありのつわもので興味深い。
    シリーズ化されたらおもしろいな。

  • なんだかなぁ...という後味が残ってしまった。病棟描写のリアルさとか、三者三様の病理解析とか、院長の狸振りとか悪くはないと思うのだけど、結局のところ病人の特異性だけが病因だったのだろうか。

  • 4.0

  • 文学
    医学
    精神

  • 精神医学の現場では、患者が一切口をきかないことを「緘黙」状態と呼ぶそうです。その「緘黙」を何年間も貫いている人物が、ある地方の病院に入院してくるところから物語が始まります。患者の担当医となったのは全く異なるタイプの3人の精神科医。手を尽くして患者の精神状態を探り、あの手この手で喋らせようと奮闘しますが、患者は断固として口を開いてくれません。
    現役の精神科医が執筆しただけあり、描写にリアリティがあって非常に読み応えがありました。

    なお、著者は大変な読書家として知られていますが、なんと作中に渋澤龍彦の『高丘親王航海記』が登場します。どのような状況で登場するのかは読んでのお楽しみです。

  • 専門用語が多いのはなかなか疲れるけど、話としてはまあ面白い話だった。

  • 三人三様の精神科医の治療話。ってとこ。ファイルだしね。患者の話に意外性はあったけど取ってつけた感強し。辞書を読み終えた気分。

  • 大きくは精神科医。けれどその成り立ちは全然違う。お互いのもちを活かしながら活躍していく様は読んでいてよかった。ただ、最後の「どうして」の部分はあっさりしすぎだと思う。

  • 医療系のドラマばかり見ているので、本でもこのジャンルに挑戦してみようかな~と思える表紙です。

    緘黙という言葉を始めて知りました。
    ゆるーくだらーっと話は進みますが、緘黙の理由が知りたくて!
    結局盛り上がりにかけるオチだと感じましたが、総じて面白く読めました。

  • 非常に読みにくい本だった。いくつかの場面をつないだと言った感があり、映像で見るには適しているのかもしれないが、言葉で羅列はしんどい。

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著者プロフィール

1951年生まれ。産婦人科医を経て精神科医に。現在も臨床に携わりながら執筆活動を続ける。

「2021年 『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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