ぬるい毒 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1054
感想 : 105
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101371733

作品紹介・あらすじ

あの夜、同級生と思しき見知らぬ男の電話を受けた時から、私の戦いは始まった。魅力の塊のような彼は、説得力漲る嘘をつき、愉しげに人の感情を弄ぶ。自意識をずたずたにされながらも、私はやがて彼と関係を持つ。恋愛に夢中なただの女だと誤解させ続けるために。最後の最後に、私が彼を欺くその日まで――。一人の女の子の、十九歳から五年にわたる奇妙な闘争の物語。渾身の異色作。

感想・レビュー・書評

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  • 腑抜けども•••は映画を見たことがあるけど、読書ははじめまして、な本谷有希子。

    いやはや、難解。登場人物みんな自意識過剰でなんだか気持ちが悪い。気持ちが悪いまんま終わる。ええええ・・・。自意識と外部との境界が曖昧で終始クラクラする。
    こんな時期自分もあったかな・・・あったっけ・・・?

    堅苦しい家に生まれ、地元の短大から地元に就職した熊田さんと、東京の大学に進学し、帰省するたびにちょっかいをだしてくる向伊。危険な魅力の向伊くん、ほんといけすかない。若い時に、こういういけすかない男にあえてひっかかるのもまあ、いい思い出だよね?と意味がわからなすぎて逃避。他の作品はもう少し読みやすいようなので、またチャレンジしてみます。

  • 1日で読んだ
    自意識めちゃめちゃ発達しててこの焦燥感わかる〜と思った
    引き込まれる

  • 人間のとてもイヤ~な部分をこれでもかと描写しているのはすごいと思う。こんな侮辱のされかたしたらすっごおいダメージ受けるなあというような心理をこれでもかとエグってくる。目を背け、鼻をつまみたくなるような、最低な種類の人間を、ここまで書けるのは本当に凄い。

    ただ、それを読んでいて楽しいかというと、不愉快になるのが普通。で、もう読んでる間ずっとイヤ~~な気持ちで、読み終わってもどこにも救いがなくて、できれば早く忘れてしまいたい。

    向伊のような男は、他人の弱点を動物のように嗅ぎ当てて、そこから甘い汁だけを吸って、あとは放り出してしまうのだろうけど、もはや洗脳だと思う。カモとして目を付けれらた熊田は不運だけど、自業自得でもあり。最初の電話の時点で、切れよ、ってすごく思って、高校の同級生と名乗られてもすでにおばちゃんの私は「そんな子いたっけ?」って確かに思うけど、19歳なら覚えてないわけないだろ!(怒)復讐のチャンスを狙っているとは上手い言い訳だけど、向伊のような男からは全速力で逃げるのが最善策ですよ。

  • あたらしい11匹さんが貸してくれた。
    なんかずーんと苦しい本。

  • 本屋で手に取り数ページ読んでみると、これは自分を投影させた話のように思えて思わず購入してしまった。
    家や容姿、過去の経験などから構築された圧倒的な熊田の自意識と、向伊の出現により熊田自身が向き合わなければならない状況へと引き摺り込まれる様子をまざまざとそして冷静に描かれている様に感じた。
    ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかも読み手に委ねられているようだった。

  • なんだかヌメヌメとしたものが心の中に張り付いてくる1冊。
    これは恋なのかはたまた恋じゃないのか
    分かってた上で近づく主人公
    でも実は私たちの周りでどこでも起こっていそうな。
    いい意味での気持ち悪さがある話だった

  • 主人公の考え方に共感?というか自分に似たものを感じて、どんどん読み進めてしまいました。

    ただ、途中の時代劇のような場面は理解ができませんでした。が、そこをどんな意味があるのだろうと考えることもまた面白さがあるなと思いました。

    人間の汚さとか東京の大学生の下品さが自分もその場にいるように感じるくらい伝わってきて、気持ち悪かったりしますが、それが癖になっていきます。

  • 胸糞悪い(笑)

  • ぬるいのがしんどいのか、毒がしんどいのか。読みながら息苦しくなった。誰かをコントロールできるという肥大な自意識を持った都会の大学生とそれを見透かしていると思うことで自意識を保つ田舎の女って実際にありそう。知らんけど。

  • 終始全く共感ができなかった。
    ただただ内容がしんどかった。
    救いが見えない。

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著者プロフィール

小説家・劇作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本谷有希子の作品

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