スキップ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373218

感想・レビュー・書評

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  • 絶望的につらい設定なんだけど、いい話にしてしまう北村さんはやっぱりすごいな、と思う

  • 170821*読了
    昭和40年のことはほとんど知らないし、真理子さんの飛んだ25年後の世界でさえも、わたしが子どもの頃の話なので、少し古く感じる。
    ただ、そんなことを抜きにしても、おもしろい。
    一つ一つのエピソードの丁寧さもいい。

  • ええ〜、私が生まれる前の青春もの?
    …と思ったら、そういうことで。

    タイムスリップ物というのは、いくつもあるけれど、本人がそのまま、「過去から来た人」「未来から来た人」として、違う時代に行くのが普通だ。
    変な人とは思われながら、だんだんと馴染んでいく。
    帰れることもあれば帰れない事もある。

    しかし、真理子さんはなんと、自分自身の中にタイムスリップしてしまった。
    帰れないのかな…?
    帰れないんだろうなあ…
    あったはずの青春も恋も、体験しないうちに通り過ぎてしまったのだ。

    それにしても勇気ある。
    昨日まで高校二年生だったのに、高校三年生の「担任」をやってみよう、とは。
    あ、真理子せんせいの授業、かなり面白いです。
    受けてみたいです。

    そんなわけで、真理子さんは気丈で勇気ある人でしたが、やはり、『よその子供の泣き声を聞いて、自分の子供が小さかった頃を思い出す』、その感覚が自分には分からない…
    これは切なすぎるものでした。

  • 「時と人」三部作:第1作。
    「面白いから読みなさい」と言われていたのに
    6年も積んでてゴメンナサイ!

    17歳の一ノ瀬真理子が、うたた寝して目覚めたら
    42歳だった??
    しかも、同じ年の娘と夫もいる?
    一番楽しい時期をすっ飛ばして、人生で貴重なイベントも
    すっ飛ばして25年後の自分の中にいた・・・
    これ以上の恐怖はないでしょう。
    しかし、理不尽な出来事に、ただ嘆くだけでなく
    切り抜けていく強さを持った真理子に感動しました。

    それでもやっぱり、理不尽だよね・・・

  • 17歳から突然25年後にスキップしてしまう女の人の話。北村薫は、日常生活を描くのがめちゃくちゃ上手い。何でもない日常が、ものすごく美しく意味があるものに見えてくる。また、北村薫の描く女性はみな芯が強靭。女性におすすめしたい。

  • 【経緯】
    図書館で見つけた!やった!

    【感想】
    北村薫「時と人の三部作」のひとつ。
    なんども同じ日に戻ってしまう「ターン」を読んで2年ぐらい。久しぶり!
    このシリーズを読むと毎日をちゃんと有意義にしなきゃとハッとさせられる。。
    女子高生が25年もスキップして42の主婦になってしまう本作は、不条理な人生の引き算にちゃんと向き合ういじらしい主人公に励まされた。

    【共感】
    別次元の自分に落ち着くというのは、もう引き返せないのと同じと思う恐怖。
    18歳〜41歳の楽しみがスッポリなくなってしまって、親しい人と分かち合えない置いてきぼりの心もとなさ。

    【引用】
    「かっこいい」も「くすむ」も抽象よね。それを具体が支えてるわけでしょう
    そりゃか、何と無くということもあるかもしれないけど、やっぱり、具体的な何かぎあって、彼は格好良かったんだと思う。その具体を掘り起こしてね、例えば、背筋が真っ直ぐだった、とか。そういう何かを、彼が一つ一つ思い出せたら、「くすみ」が取れていくんじゃないかな

    【不可解】
    新田くんが都合よく王子キャラすぎて。笑
    出来すぎていて彼に共感しづらかったなぁ。
    エピソードがあるけど真理子に記憶がないといことで割愛されているということなのかもしれないけどね。

  • 時をスキップしてしまった少女の話。
    いくら努力をしても、お金を払っても決して巻き戻せない今という時間。そういったものを実感した。
    父母がいて、兄弟や妻がいて、従兄弟がいて、大事な友人がいる。そんな今を大切にしなければならない、と当たり前のように思った。
    30歳を超えて歳を感じる。若さに憧れるし、ともするとその若さを味わいたいと思ってしまう。誰しもが通る道なのかもしれない。
    失ったものはとりもどせないが、それを羨むことなく、今をいきねば。
    今の自分には非常に重く、かつ軽く読める素晴らしい小説だった。進めたくれた子に感謝。

    昨日という日があったらしい。明日という日があるらしい。だが、わたしには今がある。

  • 目が覚めたら25年後の自分にタイムスリップしていた女子高生の物語。
    25年後の自分は高校生の娘を持つ高校教師。とまどいながらも高校教師として、母としての人生を歩む主人公。ラストシーンは涙がとまりません。

    九州大学 理学研究院
    生態学 教員 矢原徹一

  • 女子高校生がタイムスリップし、なぜか中年の女性教師になっていたという話。
    花の盛りの時期をスキップしてしまったなんて、残酷だなあと思った。
    昔に戻るのなら、救いがあるというかうらやましいと思う。けれど、42歳の自分を形成する記憶が欠如している状態は怖い。

    それでも主人公の女の子は同じ教師である夫や成績優秀な娘に助けられ、教師としてクラスをまとめていく。
    42歳とは思えないパワフルさを持つ教師のもとで、クラスは団結していく。

    結局、スキップしてもしなくても、主人公の女性は魅力的だったのだろう。夫や昔の教え子、さらに今の教え子たちを見ていて、そう思った。
    だからこそ夫や17歳の男子高校生は惹かれたのだろうなあ。

    読みながら東野圭吾の「秘密」を思い出した。夫婦で乗り越えようとしていく姿が似ていたのか。

  • 2011年10月6日
    ターンはまぁまぁ好きって感じだったけど、100円だから買ってみた。てきな。結果としてはターンよりちょっと好き。
    ターンは明らかに非日常だったけど、スキップは記憶を失くしたと解釈すれば実際にあること。
    前半の若さを突然失った絶望から適用しようとする努力。
    その末に最後夫と歩み寄りはじめる描写が美しかった。
    というか北村薫って男だったのか。あまりに綺麗な女性を描くから、女とばかり…。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。高校教師を務めるかたわら、89年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞、15年には第19回日本ミステリー文学大賞を受賞した。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。近著に『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』など。

「2019年 『覆面作家の夢の家 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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