スキップ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 4309
レビュー : 556
  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373218

感想・レビュー・書評

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  • 北村薫の表現力がはっきりでている作品。年をとればとるほど読んだ時の切なさだったり懐かしさが募るような気がする。初めて読んだのは中学生くらいだったと思うが、あのときはSFものに近い感覚でよんでいたが、いまは青春ものを読んでいるような気分だった。また次に読むときにどんな感覚になるかが気になる。

    20歳

  • はじめは先の見えない突発的な感じがして、なんと都合の良い流れでいくのだろうと思った。が、読んでいくうちにのめり込んでしまった。すごくはまる人がいるというのもわかる気がする。確かにあり得ないし出来すぎだろうと思うのだが、いい意味で予想を裏切られる。このまま…きっと…という思いを抱いていたが、主人公がそこで生きる道を見つけ、存在を確かめてゆくのが気に入った。リバースとターンも読んでみたい。

  • 何かを思い出す、切ない青春ミステリー

    北村薫さんの、時と人三部作のひとつ。
    ある日突然、17才の高校生が42才の高校教師になってしまう話。設定はSFそのものですが、これは、SF小説では無く、青春小説であると感じました。
    物語はとてもゆっくり進むので、私も読むのに時間がかかりました。しかし、この本はゆっくり読むのがちょうど良いと思います。主人公目線から感じられる、どうしようもないもどかしさ、過ぎ去った時間を思う切なさがとても綺麗な言葉で書かれています。急いで読みとばすのはもったいないです。
    必ず、心のどこかに響く言葉があると思います。切なさが残る読了感も独特ですが、ぜひ読んでみて欲しい作品です。

  • タイムスリップ系だけど、SFすぎないところが良い。女性に読んで欲しい。著者の北村薫さんも女の方だとしばらく思っていた(恥)

  • 高校2年生だった私が、気付いたら42歳の高校教師になっていた…しかも、旦那と子供もいる。


    このような設定で物語は始まるが、自らがこのような体験をすると考えると恐ろしい。

    主人公は、「今」を受け入れて生きていく覚悟をするが、私だったら絶対に無理…かな。


    与えられた環境で精一杯生きていく主人公は強くて美しい、と思った。

  • 素敵な本だなぁと思います。
    17歳からいきなり25年後に飛ばされてしまった物語。

    なれない世界に戸惑いながらもゆっくりと順応していくのですが、それ以上に大切なことがたくさん書かれている。
    心理描写がとても丁寧で感情移入しやすい。

    とてもいい作品だと思います。


    @手持ち本

  • 意思が強く、潔く、すごく素敵な女性。
    そんな彼女だからこそ17歳から42歳にスキップしても順応していけたのだろう。
    欠如した時間への不安、悲しみ、そして若さ、歳を重ねること、家族への思い。様々な思いが交錯する。
    そして、今を大切に生きることを強く感じる。前向きになれる。

  • 高校生の自分が、25年の時を経て、高校生の娘を持つ年齢までスキップ。
    若返るのはいいけど年を取るのは嫌だな~と思って読んでいましたが、それも悪くないかと思えるようになって読み終わりました。
    外見はベテラン教師でも、実は高校生の自分が、高校生に教える現代文の授業の部分は圧巻でした。
    人間どう生きるかは、気持ち次第。年齢による気持ちの諦めを持つ事は無いのだと思いました。

  • お客様に借りて読んだ本。

    とまらない。
    よくありそうな話だけど
    中身が恐ろしいほどリアルで絶望的。
    大切な思春期をとばして
    自分と同い年の娘
    そして見ず知らずの自分の旦那。
    そして当の本人は42歳のおばさん。

    読み始めたらとまらない。
    終わり方もとっても好きです***

  • エピローグの、再会シーンが大好きです
    私が女だからでしょうか。「信じる」という言葉が、とても美しいものに見えるんです。

    この本はカバーもない状態で、母の本棚にならんでいました
    初めて手にとったのは15歳のころでした
    それから何度か読み返し、おそらく40すぎるまで
    思い出深い、忘れがたい本として私の元にあるでしょう

  • こういうSF(?)もの好きだなー。一生懸命前を向いて生きていく。その姿がよかった。よくよく考えるといろいろ疑問点があるけど。でも、それがどうでもよくなるくらい、先生と生徒の距離感とか、若いときの気持ちの透明感とか、読み終わった後の爽やか感がいい。

  • 年月が経っても忘れないだろう作品。
    なんだか前向きになれたし、これを読んで教師を目指してもおかしくないなあと思う。

  • 何度でも読み返したい。読書ノートにたくさん引用させてもらった。

  • 昭和40年代前半、17歳の女子高生が午睡から目覚めると、いきなり25年間をスキップして、42歳の自分になっていた……。

    ワシの目には、この本の主題は学校での高校生の生活を描いた青春ドラマかな、なんて思っちゃいました。それほど、学校で起こるアレコレの描写が、楽しくて魅力的。元高校教師である筆者自身の体験と想像がふんだんに詰め込まれたであろう、面白い学校です。

    そしてその随所に、いきなり時間を「スキップ」してしまった主人公の苦悩と努力が埋め込まれ、一見陳腐な青春ドラマを、ものすごく奥行き深いものに仕立て上げています。エピローグは、それまでの濃密さに比べるとあっさりした感もありましたが、とにかく読後感が良い。

    何より。ページをめくるのがこんなに待ち遠しくなる小説も少ないです。構成力と筆力の豊かさには脱帽。北村薫、実は初めて読んだ(はず)のですが、他にも色々手を出してみたい作家です。

    (2007年読了)

  • これが本当に17歳の高校生にできるのか…は正直悩むが、とても楽しめた。私も将来はこんな授業ができる教員になりたい。たくさんの「伝えられること」を持つためにも、もっと勉強しなければ!

  • 北村薫さんの三部作の一冊で、友達に非常に強く勧められたので読んだ。
    スキップ・リセット・ターンの中で一番最初に読んだが、最後に考えてみると一番好きだった作品。
    教員を目指している自分にとって、教員についての細かい描写があったところは目を引いたし、何よりも急に時間を飛び越えたのにもかかわらずあの主人公のたくましさ。自分だったらひきこもるだろうなと思う。
    主人公の試行錯誤しながら生きていくたくましさが印象的でした。

  • この歳になれば25年を飛び越えたところでどうということはないでしょうが、17歳の少女にとって25年の欠落は余りにも惨い。

    25年後の世界に突然放り出された17歳の高校生が、それでも 「取り敢えず、しばらくはここで暮らさなくてはいけない」 と覚悟して、「いってみれば、私はロビンソン・クルーソー。となれば、愚痴をいっている暇はない。ロビンソンが生きていくためには洞窟や水や食料を探さなくてはいけない。」と前向きに決断し凛として立ち向かう姿に胸が痛みます。

    25年前に、戻してあげたかった。

  • 青春時代の記憶を持たぬまま年を重ねて突然覚醒したら、私ならまず何をするだろう。嫌な事があってもその記憶、経験は自分を成長させて行くものだしなくなって欲しいとは思わない。青春時代の記憶を全て持たぬまま壮年になって覚醒した主人公の少女の不安の大きさは、この年になって漸く分かる様になった。記憶を無くして尚今の時代で生きる努力をした少女の強さを改めて実感した。

  • 昭和40年代の始め、17歳だった一ノ瀬真理子。ある日、突然、目覚めたら42歳の桜木真理子になっていた。夫も本来の自分と同い年の娘までいる。国語の教師という仕事も持っている。
    混乱しながら、孤独とたたかいながら生きていく。生きていかなければならない。

    「わたしはひとつの物語である。誰もが一冊の本であるように。
    しかし、その本が落丁だったら、誰に取り替えてもらえばいいのか。交換不可能なら、道は二つだけ。本を投げ捨てるか、読み進むか、だ。」

    タイムスリップ…ではなくて、本に例えて落丁、としているところが面白い。取り返しがつかないってことですよね。今までなら、ここで主人公はどうすれば元に戻れるかというお話になる所だけど、この話ではちがう。

    この世界ではこの世界の、桜木真理子の生活がある。とにもかくにも生きていかなければならない。だったら、ここでやらなければならないことを、一つずつやっていくしかない。
    そんな風に考え、行動できる主人公の強さには、脱帽です。
    作者が、元国語教師というだけあって、国語の授業がとても魅力的に書かれていたのもよかった。こんな授業、受けてみたい。

  • ―――「今」は昭和40年代の初め、「私」は17歳。
    そのはずだった。

    多感な高校2年生の少女が、突然42歳まで「スキップ」してしまう。
    今の今まで17歳だったのに、鏡の中には42歳の自分。
    夫がいて、17歳の娘がいて。
    そして、科学は一気に進歩して、世の中はまるで様変わりしていた。

    そんな状況をリアルに描けるのが、北村薫という作家の凄さ。
    いい本だ。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。高校教師を務めるかたわら、89年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞、15年には第19回日本ミステリー文学大賞を受賞した。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。近著に『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』など。

「2019年 『覆面作家の夢の家 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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