スキップ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 555
  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373218

感想・レビュー・書評

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  • もっとスッキリ夫にハマってあげて欲しいのに‥‥
    ジリジリと近づき、また2人の人生の続きが微妙な距離感で始まる。

  • 17歳の私が、25年後の私にスキップするという話。心は17歳なのに、肉体が42歳になっちゃうとか、25年の記憶が無い間に色々あったりとか。
    そんな中で新しい生活にどうにか馴染もうとする主人公の話が、最初はどんするんだこれ?大変たなあ。という感じから、この先どうなるの?すごい気になる!になって、一気に読み終わってしまいました。いやあ面白かった。
    時と人 三部作なので、続きも楽しみに読みたいと思います。

  • 【あらすじ】
    昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ―でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、『わたし』を生きていく。

    【感想】

  • 元の17歳には戻らないのかー。

  • 時と人の三部作一発目。
    主人公は17歳の女子高校。学校から帰って自宅でうたた寝していた。
    目が覚めると、心は17歳のまま、42歳の自分に『スキップ』してしまっていることに気付く。
    42歳の自分には夫もいて娘もいて、さらには高校で国語の教師をしていた。
    突然の状況変化に戸惑う主人公。それでも前向きに生きる主人公になんだか共感してしまう。

    ↓私の中で興味深い言い回しがこれ (p275) ↓ちょっと長いけど…

    ---------------------------------------------
    自分というのは、いつも定点にいるような気がしますね。
    いつか―そう、あなたなら17年の昔、時間があなたのところに不意に訪れた。あなたが生まれた。
    それから時間は、水のように流れ始めた。そして、ある時、またふいに、自分という定点の向こうに行ってしまうのでしょう。
    さようなら、自分を流れ去っていく《時》、透明な帯のような、もう自分のものではない、彼方の《時》。
    それに手を振っているわたしが目に浮かぶようです。
    その時のわたしなら、暗くも明るくもない。

    でも、若いうちは―止まらないで流れていく時間に、一日一日は気付かず、ある時に驚かされて、そんなはずないよ、と、じれたりあせったりするものだと思います。

    適当にぐちりつつ焦りつつ、そのいらいら、もやもやを何とか運動エネルギーに替えてみましょう。
    エネルギー保存の法則ってあったでしょう。うおおお、と思う力でお湯ぐらい沸かせるかもしれません。
    それでお茶でも入れて、自分で飲まずに、まずおうちの人に『粗茶ですが』と差し上げたらどうかしら。

    ―中略―

    情けは人のためならず。それは余裕ってことだし、余裕のあるふりをしてたら、自分だって騙されて余裕があるような気になるかもしれない。そうなったら二杯目のお茶を自分で飲んで、そこでお仕事にとりかかりましょう。
    ---------------------------------------------

    …確かに、普段、時の流れなんてあまり意識しない。常に定点にいるかのように錯覚している。
    その誤解にふと気付き、焦ることはあるけれど、そこでもがいたところでどうなるものではない。結局積み重ねなんだから。
    だからこそ、普段から余裕を持って生きていたい。
    他人があって、自分がある。そんな風に余裕を持って生きる事で、『自分の人生』という一冊の本が書きあがるのかもしれない。
    スキップという疑似体験。学ぶところはなかなか多そうである。

  • 名人芸です。

  • 学生にとって40台の人間は、完全に大人、もっといえばおじさんおばさんだと思う。
    突然自分がそんな年齢になったら、旦那がそんな歳であったら、自分が教師になっていたら…、そんあ設定上で主人公の心の動きがリアルに(SFのにリアルというのも変なのですが)描かれていると感じた。
    特別な力があるわけではないが、現状を受け入れ、その時出来ることを出来る限りやっていく頼もしい主人公だった。
    こっそり、バレーシーンの中断が名シーンと思ってます。

  • 有川浩のエッセイ『倒れるときは前のめり』で紹介されていたのがきっかけ。
    東野圭吾の「秘密」(映画のほう)を想像していたけれど、目覚めた42歳が高校の国語の先生というので、主人公の前向きさと感性に引き付けられる。
    ただ、17歳時の時代が私にも古すぎてなかなかついていけなかった。。。
    作中に『君の名は』(往年の方)が出てきたときは、思わず吹き出してしまった。まさかこんなところで、、と。

  • 17歳から42歳へ。
    1分1秒を積み重ねて、それがやがてその人の歴史となり、人生となる。
    18歳から41歳までの真理子の人生はどこに行ってしまったのだろう。
    考えてみると、とても残酷な「スキップ」だったと思う。
    どうにもならないことなのに、いつまでも引きずってしまう。
    もしも・・・なんて考えて現実から逃げたくなる。
    でも、真理子の選んだ道は前に進むこと。
    単純に「すごいな」と思う。
    消えた時間の中で本当は失ったであろうもの。
    逆に得たであろうもの。
    真理子には挫折して泣いた悔しさも、成長を実感した喜びも、記憶にはない。
    ただ、何もない消えた時間が現実としてあるだけだ。
    今・・・を生きること。
    それが未来への自分につながっていく。
    真理子の時間はスキップしてしまったけれど、17歳の真理子も、42歳の真理子も、真理子であることに変わりはない。
    受け入れ難い現実を見据えて、真理子は生きていく。
    こんなに人って強くなれるものなんだろうか?
    いくら柔軟な心を持っている人でも、42歳の自分に慣れるにはすごく長い時間がかかりそうな気がして・・・。
    どんなときでも「今できることに全力を尽くす」生き方。
    そうありたいとは思うけれど、簡単には出来そうもない。

  • 舞台化するということで、読み直してみた。
    結末にびっくりしてしまって。
    えぇ!?おわり?!って笑

    主人公の生き方というかもっとうみたいなものが素晴らしくて、見習わなきゃなって。
    そんな主人公の力で生徒とか家族がどんどんキラキラしていく様が読んでいて楽しくて幸せな気分になるなーって読み終わってみて思った。

    絶対飛んでしまったぶんの時間は考えれば考えるほど辛いのに。どんな時代に生きていたって人に影響を与えることもキラキラさせることもできるんだよねー。
    気持ちは伝わるっていったら、くさいけど、そーいうことなんだろうなーって勝手に思いました
    とさ笑

  • 母を亡くして1ヶ月。
    ようやく一冊を読み終えるだけの力が
    内側に戻ってきたようだ。

    真理子と同じく 突如として
    この世界に両親がいない時間が
    始まってしまったあの日から
    私は私の知らなかった日々を過ごしている。

    折しも 4年間の管理職としての勤めに
    これも突如として終わりを宣告され
    この春からは現場で 真理子さんと同じ
    国語科の教員として 長いブランクを経て
    生徒と日々の時間を共有することになる。

    このタイミングで この本を手にしたのは
    できすぎた偶然か 何かの必然か。

    読み始めて約1ヶ月。
    ほとんど読み進められなかったのは
    真理子が現実を受け止められずにいた間のこと。

    自分が高校の国語教師であり
    まもなく新しい学年のスタートであることを
    知ってから 真理子がなんの前触れもなく
    「桜木真理子」として歩き始めてからは
    私は行間から私に注がれる光を感じながら
    日に日に読書の世界に引き戻されていった。

    誰も知らない胸の内を抱え
    新しい光の中を生きるための
    ほんの少しの元気を この本からもらった。

    時を失う…いや初めから
    与えられもしなかった真理子に共鳴して
    息苦しくて 辛くて 読めなかったのが
    彼女が教壇で整然と進める美しい授業に
    私は惹かれ 私の進む道すらも見た思いがした。

    今度はもっと 生徒の心に正面から向かい合う。

  • KO図書館。昔読んだはずなのに記憶なく、今度芝居で見るので再読。贔屓役者が演じる様がありありと浮かんで最後泣いてしまう。

  • 最初に読んだのは高校生のときだった。次に読んだのは大学生のときか。
    この小説にあると思ってた一節に出会いたいがために読み返す。が、思い違いだったらしい。それもまたこの本の主題とあっているなと感じる。

  • プロローグの女子高生の感情の描き方が上手い。雨の中の体育館の描写は、何か懐かしく切ない記憶を思い起こさせる。中盤以降は、学園ドラマ的な主人公の活躍を楽しみながら、過ぎ去った時間は取り戻せない、後悔のな

  • ・高校生が突然教師となって、こんなにうまくいくはずがないという考えがぬぐえず、物語に入り込めなかった。特に25年も月日が経っていることを考えると、色々周りとあわない部分が出てくるはず。
    ・25年間スキップされたことに対して、主人公は負の感情、悩み、苦しみを殆ど持っていないように感じられた。
    ・自分であれば25年間いきなりスキップされたことに対して、まず、とまどい、怒り、困惑、絶望を感じたと思う。そして、それらを(不完全でも)消化したとしても、主人公のようにうまく・きれいに対応はできず、もがきながら前に進むことになると思う。
    ・このような感情を持たず、比較的淡々と、うまく新しい世界と対応している主人公に違和感を覚え、共感できなかった。

  • 北村さんの作品は、とても言葉を大事にあつかってるところが好きです。
    この作品でも、主人公が国語の教員ということもあり言葉のチョイスや、言葉の掛け合い等、どこかしこに上品さがにじみ出ています。
    三部作ということで、地作品も読んでみたいです。

  • 最初、ありふれた設定かなと思ったが、うまい。学校ってこうなってるんだーというのも面白い。

  • 17歳から25年記憶がないまま時が過ぎていく…
    出だしは面白かったけれど…うーん(^^;;

  • 物語は一定を保ち淡々と進み、主人公の清涼感といい、読んでいると優しい気持ちになる。
    突然の時間を超えたワープによる昔と今の相違点は、時代の流行や物質的なものだけでなく「わたし」にもあった。体つきはともかく心にも、時間の蓄積によっての変化は避けられない。

    もしわたしから25年という月日が消し去られたら?。きっとあの頃のわたしはもっとピュアで、今より一生懸命で、もっと恐れや希望、不確かさや夢があった。
    でも帰りたいとは思わない。わたしにとって25年は無駄ではなかったと思っていたい。

  • この本は、私が中1の時に読もうとして挫折した小説です。高校3年生であった一ノ瀬真理子の心が十数年の時を越えて、中年になった桜木真理子にワープ=スキップしてくるという事象が、リアリティを感じられて怖くなったためかもしれない。ラストが少し切なかった。
    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=257638

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。高校教師を務めるかたわら、89年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞、15年には第19回日本ミステリー文学大賞を受賞した。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。近著に『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』など。

「2019年 『覆面作家の夢の家 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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