リセット (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373287

感想・レビュー・書評

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  • 【ネタバレします】北村薫・時と人シリーズ3部作の最終作品。大戦中、神戸の女学生・真澄が修二と出会う。修二とは詩集や小説を通し思いを巡らせるが、修二が戦禍で亡くなる。時が経ち、小学生の村上は絵本を貸してくれる30代女性と出会う、名前は水原真澄。村上の正体は修二の生まれ変わりであり、輪廻転生により真澄と再会する。戸惑う真澄、追いかける村上。しかし、常磐線の脱線転覆事故、村上を助けることにより真澄が亡くなる。戦時中の女学生の恋、時を超え、人を超えた奇跡の再会。しかし、共感するだけの器量を持ち合わせていなかった。

  • 「時と人」3部作、ようやく本棚に並びました。
    最初に読んだのはまだ学生の時で、
    いまいちよく分からなかったのですよねぇ。
    やっぱり『スキップ』の感動が大きすぎて。

    でも、今、改めてこうして読み返してみると、
    歳取ったから、分かる面白さ。
    10代の時にしか味わえない感動がある一方で、
    歳重ねなきゃ分からない感動もある。
    この本は、そういう本だったんだ。

    すっごく丁寧に書いてあるので、
    途中でどこに向かっているのか
    正直分からなくなる時もありますが、
    負けずに最後まで読み進めてほしい。


    恋愛小説好きとしては、
    このロマンチックは味わわっとかないと。

  • 時と人3部作、最後の1作。
    前作、前々作とは雰囲気が全然違った。

    今までは戦後の話で、割と現代に近い感じだったが、今作は戦中戦後すぐ、くらいの話だったので、いまいちピンと来ない面もあったが……
    やはりすごいなと思ったのが、物語の語り手の書き分けが見事。第一部は女子、第二部は男子。
    北村薫自身は男性であり、前作前々作でも感じたが、女性の気持ちを書くのがとてもうまいと思った。

    第二部はカッコ書きのセリフや日記部分が多く、少し読みづらいかも知れないが、そこを過ぎて第三部まで行くと……

    途中、思わず「きゅん」としてしまったセリフがあったのだが……その後の展開で切なくなってしまった。

    ここまで読んであれだが、わたしはスキップが一番好きだな

  • 新手のタイムトラベルもの、心の時間空間遊泳。生きるよすが。
    心のゆくえを文学は様々な描き方をしてくれる。それを楽しむ読者は幸せというもの。

    「しし座の流星群」のことが印象深くあった「愛の一家」を子供のころ読みましたとも。
    だから...。

    ちょうど、私はヒロインまあちゃんこと、真澄とあの人こと、村上君の中間の世代に生きた。だから、お姉さまたちのまだ物のかろうじてあった時代(戦争が始まる前)の話はうらやましく、なつかしく、いぶし銀の輝きのごとく見える。そして、村上君の時代(戦後16年経って)は、私がもう成年になっていたからよく知っている、それはそれで懐かしい。

    村上君の小学時代の日記(たぶん作者)の記述の数々から思い出す私の経験。

    フラフープ、ホッピング。
    そして、忘れもしない高校入学を果たしたので、家でも買うことになった白黒のテレビジョン。
    アメリカTVドラマ『パパは何でも知っている』キャシーの初恋。
    ...。

    ほんとに、作者は資料をよく調べこんで描いている。出てくる風物ことごとく懐かしくて、懐かしくて仕方が無かった。いずれにしても帰らない日々。

    でも、『百年前の人は、今のものを見られないし、今の人は百年後のものを見られない。だからって、後の人のほうが得だってことはないと思うの。』という真澄の言葉。

    感動の時の流れ!それしか言えない。読んでよかった。

  • 時の流れが漣のよう。穏やかに寄せては返し、時々大きなうねりとなって。
    戦時中に心は通い合ったが、終に一緒になれなかった二人の時間はそのまま永遠にバラバラになってしまうはずだった。時代を超えて再び出会えて、そしてまた別れ。次に出会えた時、戦争という悲しい過去によって交わらなかった時がようやく一つになったんだな、と優しい気分になれた。

  • 時と人の3部作、スキップ、ターンに続く第三弾。

    十数年ぶりに再読したが、すっかり内容を忘れてた。

    スケールの長い話。戦中の第1部、戦後の第2部で全く別の話が語られるが、そこまではその意味がわからない。
    最後の第3部でやっとそれらがつながる。

    スキップやターンのような、シンプルな時間の移動の話ではなく、ちょっと趣が異なる。そこに好き嫌いは出るかも。

    これ、二回続けて読まないと内容を味わえない話だと思う。個人的にはそれは面倒なので、シンプルな話のほうが好みではある。

  • 結末がハッピーエンドならそれでよい…などと
    もう軽々しく口にできなくなりました。

    他の記憶を失くし 生まれ変わっても
    胸に残り続ける想いのことを
    何と呼ぶのでしょう。

    執着ですか?

    でも…2人の想いのどこからも
    そのような暗い引力は感じませんでした。

    第三者の予断を許さない厳しさが
    この物語にはあるような気がします。

    2人の想いは、理不尽に引き裂かれたからこそ
    生まれ 継がれたものだからでしょうか。

    この物語からは 軽々しく口にできない
    さまざまな時代と文明と人間社会への
    猛烈な憤激を感じてしまいます。

    終わりがよければそれでよいと
    いうものではない。
    哀しみや罪悪感の代価としての幸せなら
    そんなものを求めたくはない。

    心からそう感じつつ、表紙を閉じました。

  • 一番好きな本。
    もう、何度も繰り返して読んでいる本。
    お互いがお互いを想う心がとても好き。
    厳しい時代の中で、真摯に生きる姿がとても好きだ。
    これからも何度も読んで、勇気をもらい続ける1冊。

  • 時と人三部作は、どれも大好き。
    三作とも、何度も読み返している。
    この「リセット」は三部作完結にふさわしい壮大さで、しかし描写はとてもとても細やかで、情景が鮮やかに浮かぶ。
    読み終わってしばらくしても、あちこちの場面が思い出されて胸が詰まる。
    ラストは何回目でも涙が出る…。
    とても愛おしい気持ちになる作品。

  • しばらくは「これも『時と人のシリーズ』?」と読んでいたけれど、三部作の中ではこれが一番ロマンティック。でも私は『スキップ』や『ターン』の方が好き。ヒロインの年齢や時代設定(戦前~戦後がメインだから)からそう思うのかな。ただ戦前のお嬢さまの日常生活や戦時中の生活ぶりなんかは結構興味深く読めた。
    こんな風に、ただ一人の人と巡り会うために生まれ変わってみたい。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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