リセット (新潮文庫)

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レビュー : 298
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373287

感想・レビュー・書評

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  • 「時と人」3部作、ようやく本棚に並びました。
    最初に読んだのはまだ学生の時で、
    いまいちよく分からなかったのですよねぇ。
    やっぱり『スキップ』の感動が大きすぎて。

    でも、今、改めてこうして読み返してみると、
    歳取ったから、分かる面白さ。
    10代の時にしか味わえない感動がある一方で、
    歳重ねなきゃ分からない感動もある。
    この本は、そういう本だったんだ。

    すっごく丁寧に書いてあるので、
    途中でどこに向かっているのか
    正直分からなくなる時もありますが、
    負けずに最後まで読み進めてほしい。


    恋愛小説好きとしては、
    このロマンチックは味わわっとかないと。

  • 結末がハッピーエンドならそれでよい…などと
    もう軽々しく口にできなくなりました。

    他の記憶を失くし 生まれ変わっても
    胸に残り続ける想いのことを
    何と呼ぶのでしょう。

    執着ですか?

    でも…2人の想いのどこからも
    そのような暗い引力は感じませんでした。

    第三者の予断を許さない厳しさが
    この物語にはあるような気がします。

    2人の想いは、理不尽に引き裂かれたからこそ
    生まれ 継がれたものだからでしょうか。

    この物語からは 軽々しく口にできない
    さまざまな時代と文明と人間社会への
    猛烈な憤激を感じてしまいます。

    終わりがよければそれでよいと
    いうものではない。
    哀しみや罪悪感の代価としての幸せなら
    そんなものを求めたくはない。

    心からそう感じつつ、表紙を閉じました。

  • 一番好きな本。
    もう、何度も繰り返して読んでいる本。
    お互いがお互いを想う心がとても好き。
    厳しい時代の中で、真摯に生きる姿がとても好きだ。
    これからも何度も読んで、勇気をもらい続ける1冊。

  • 時と人三部作は、どれも大好き。
    三作とも、何度も読み返している。
    この「リセット」は三部作完結にふさわしい壮大さで、しかし描写はとてもとても細やかで、情景が鮮やかに浮かぶ。
    読み終わってしばらくしても、あちこちの場面が思い出されて胸が詰まる。
    ラストは何回目でも涙が出る…。
    とても愛おしい気持ちになる作品。

  • しばらくは「これも『時と人のシリーズ』?」と読んでいたけれど、三部作の中ではこれが一番ロマンティック。でも私は『スキップ』や『ターン』の方が好き。ヒロインの年齢や時代設定(戦前~戦後がメインだから)からそう思うのかな。ただ戦前のお嬢さまの日常生活や戦時中の生活ぶりなんかは結構興味深く読めた。
    こんな風に、ただ一人の人と巡り会うために生まれ変わってみたい。

  • 三部構成で戦前から現代まで、時代を越えた奇跡の物語。

    時と人シリーズの『スキップ』と『ターン』とは全く違うテイスト。
    切なく歯痒く女々しい。

  • 戦前の貧しいとは言えない暮らしから、戦中の過酷な時代へシフトし、勤労動員として小学生が学校で兵隊の為の援助物資を作る。その女性が語る物語でスタートする。近所のお兄さんに好意を持つが、時代もあってやり取り出来ず、片想いのまま。戦争の残酷さ、日常の平和がいとも容易く壊されてしまう時代。

    最後にうるっときたが。

  • ハッピーエンドと言っていいんだと思う。
    穏やかな気持ち。
    前作の2作同様、終盤までは話が冗長な感じがして読みづらい。
    でも、恋とか愛とか、生きることとかを考えさせられる展開になっていく。

  • 時と人3部作、完結。

    第1章は、昭和ヒトケタの芦屋のお嬢さん。子供の頃に出合った運命の人。太平洋戦争に突入してゆく世の中に巻き込まれ、別れを迎える。

    第2章の主人公は昭和30年の子供時代を語る。

    スキップやターンのような「事」は、読み進めて半ば過ぎても起こらない。その後、たぶん、こういう話になるかなと考えてたら、そのままだった。
    ひねりが無いというか、「事」が起こる必然性もあまり無い。
    二度の再会、つまり真澄さんと和彦君の出会い、和彦君と真知子さんの出会いは、都合良過ぎじゃないのか。それに記憶があっても、人格は別なのではないのか。それを運命と云っていいのだろうか。
    そんな文句の付け処はあるけれど、でも、さほど不満を感じず、物語を楽しむことが出来た。

    真澄さんの体験した学徒勤労動員の話は父母から聞かされていたし、和彦君の子供時代は、僕自身の少年期を思い出させてくれた。神は細部に宿るというが、その細部の一つ一つに胸を突かれる思いがする。
    僕自身の子供の頃、スーパーなんて無いから、野菜は八百屋で買い、肉は肉屋で買っていた。豆腐売りから豆腐買っていた記憶はないけど(子供だから寝ていたのかな)、街で豆腐屋のラッパか鈴をつけた自転車を見掛けていた。そんなことを思い出しながら、読み進めた。

    ただ、若い読者には無駄が多いと感じるかもしれない。

    (引用)
    ー帝国と我々ではなかったのか。それでは、どうして皆な、帝国と共に滅びないのか。

    八千代さんには申し訳ありませんが、最悪の時に、最悪の人から、最悪の言葉をかけられたとしか、言いようがありません。

    この著者の断罪の言葉が胸に刺さった。

  • 他の2冊はサラっと読めるのに、なぜかこれだけは毎回挫折してしまう、、、いずれまたリベンジする、、、つもり、、

  • スキップ・ターン・リセット。時と人の三部作。
    実は、スキップは読んだけどターン読んでません・・・。たまたま古本屋さんにあったので買ってしまったリセットを先に読んでしまった。

    人生は一度きり。時間は不可逆的で二度と元には戻らない。その前提が崩れた時、人はどうするだろう?そして、その想像を経て、僕達はどう生きていけばいいのだろう?他人に対してどのように接し、人からもらった優しさを、どのように繋いでいけばいいのだろう?

  • 3部作の中で一番、読後の気持ちの整理がつきにくい。めぐりめぐって続いていく時と人。当初の予想より壮大な話だった。

  • 時と人3部作。
    スキップは読んで、
    ターンは飛ばしてしまいました…orz
    こっちが3作目だったんですね。
    順番に読まなくてもいいけど
    順番で読みたかったです。

    物語の始め、戦争が始まる時代。
    馴染みがないせいか状況が想像しがたく
    のめり込みにくかったです。

    最後に向けて話がまとまっていくにつれ、
    リセットの意味がわかり、
    ああ、これはハッピーエンドな話なんだな、とホッとしました。
    優しいお話だったと思います。

  • 時と人 三部作の最後の主題は、なんと輪廻転生。
    昭和初期の女学生の日常や戦前戦中ならではの無情感、日記の文章で見せる少年の背伸びした感じと、大人になってから語る当時の心境など、性別や年齢に関係なくリアルな心情を描く北村氏の真骨頂が随所に発揮されています。
    また、スキップのラストで感じたような切なさではなく、むしろ希望に溢れたエンディングも素敵でした。

  • どうすることもできない事に、人は必ずぶち当たる。絶望的な苦しい思いも、長い時間を経て優しくつぎの世代へ繋がって行く。
    <かの時に言ひそびれたる 大切の 言葉は今も胸に残れど>
    亡くした人もまたどこかで次の人生を送っているのだろうか。その人にまた逢えるのだろうか。

  • 物語を楽しむというより、昭和の情景や戦争の頃の人々の暮らし・気持ち・情緒、を慈しむ。
    ただただ空想物語ではなく、きちんと時代背景に沿った事件や流行りものが文章に織り交ぜられていたのがよかった。

    「リセット」は「0になってしまう」という悲しい意味だと思っていたけど、「1からやり直せる」という、意味でも捉えられるんだと読んで感じた。

  • 同じ、「時と人 三部作」の「スキップ」、「リターン」に比べると、今一つ熱中出来なかった。
    戦時の話がメインってのもあったと思う。ノスタルジーに浸れる世代でもないし。

  • ◆ 「――また、会えたね。」◆
    舞台は、戦時中の日本。女学生の水原真澄は、友人たちと交友を深めるなかで、少年・結城修一に淡い恋をした。しかし、戦局が悪化するにつれ、彼女たちの住む町にも戦火が及び、二人は想いを告げられぬまま引き裂かれてしまう。やがて、日本は終戦を迎え、出版社に勤める水原真澄は、とある小学五年生の男の子に出会う。その男の子は…。時を越えて巡り合い、繋がる想い。戦争の悲惨さと、登場人物たちのひたむきでまっすぐな姿に、思わず涙します。

  • 「三部作」を読んでの感想。これが断トツで良かった。北村薫ファンになってしまった。

  • 170825*読了
    時と人の三部作、三作目。
    自分から進んで戦時中の小説を読むことはほとんどないので、当時の女学生の生活というのは初めて知った。
    巡りめぐる運命。時を超えて結ばれる愛。
    自分も誰かの生まれ変わりなのかもしれない。そして、誰かと出会った時、前世の記憶が蘇るのかもしれない。そんな空想にふけった。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。高校教師を務めるかたわら、89年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞、15年には第19回日本ミステリー文学大賞を受賞した。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。近著に『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』など。

「2019年 『覆面作家の夢の家 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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