西行 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101379029

感想・レビュー・書評

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  • 白洲正子 「 西行 」歌の背景から西行の人物像や心情を論述した本。風流な心が 自然を詠むことを通して、信仰心を昇華させ、虚空の如き心に変化したことがわかる。


    風流→自然を詠む→自然と一体化→自然信仰→神仏習合


    著者の西行像
    *数奇(風流)を貫いた→自分の心にある仏を歌によって発見
    *空なる心→虚空の如き心へ
    *待賢門院、吉野山、桜の花、孤独を愛した→神仏習合

    空なる心
    *上の空、落ち着きのない心
    *目的を持たぬこそ隠者の精神〜ふらふらしながら 柳の枝が風になびくように 心は少しも動じていない

    虚空の如き心へ
    *虚も実も存在しない→世の中は仮の姿→何物にもとらわれない自由な境地

    西行の信仰心
    *熊野詣〜滝について歌はない〜神は礼拝するもので触れてはならない
    *自然の神秘を詠むことから 神仏習合に開眼
    *富士の歌=自讃歌〜数奇は無駄ではなかった、数奇によって救われた境地

  • 白州正子流の西行像。いかなる観点から西行を評価するかということが評伝には求められているということか。

  • 19/02/16。

  • facebookの友人が読まれており、私自身も「おくのほそ道」を通じて西行に興味があったことから本書を読んだ。残念ながら和歌の素養はないが、著者の解釈と解説が、沁み込むようにすんなり入ってきた。武士から出家した西行だが、自然宗教的で、奔放な生き方に憧れる。

  • 歌と紀行文で辿る西行の生涯といった本でしょうか。
    歌の解釈もなるほどと思わせる説得力がありますし、旅と数寄に生きた西行の魅力が余すところなく描かれていて、いい本だと思います。ですが、紀行の折に案内してくれた人には○○さんとか書いているのに、土地の人なら平気で男とかじいさんと書く……道を教えてもらっているにも関わらず、です。この本に限ってじゃないですが、この著者には上から目線を感じることがあって、正直不快な時もありますね。

  • お坊さんて、禁欲無欲なイメージだったけど、そうでもないな。というのが大雑把な感想。
    官僚社会なんて狭い世界で登りつめることばかり考えるのもばからしい。
    旅して芸術に触れて、ここじゃ出会えない人に会おう。
    そんなところに西行の原初的欲求があったのだとすれば、それは私自身とも大いに共通する部分がある。
    ロックなお坊さんかっこいい。

  • 「現代人は、とかく目的がないと生きて行けないといい、目的を持つことが美徳のように思われているが、目的を持たぬことこそ隠者の精神というものだ。視点が定まらないから、いつもふらふらしてとりとめがない。ふらふらしながら、柳の枝が風になびくように、心は少しも動じてはいない。業平も、西行も、そういう孤独な道を歩んだ」(p.107)

  • 旅と数寄に生きた西行の足跡をたどりながら綴られた、歌を鑑賞するための手引きです。

    著者は、西行ゆかりの風土の中でその歌を味わい、待賢門院璋子や崇徳院への西行の思いを追想することによって、その人間像に迫ろうとしています。また、西行の仏教への帰依についても触れられています。

    著者は、明恵の会見についての伝承を紹介し、一首詠むたびに一体の仏を作る思いをし、一句を案じては秘密の真言を唱える心地がしていると西行が述べていることに注目します。ここに、花鳥風月をはじめ西行の万物に対する興味が、広大無辺の虚空こそ如来の真の形体と呼ぶべきだという彼の仏道への帰依に直結していると、著者は解釈しています。

    西行と明恵の会見が、本書の最初の章と最後の章で取り上げられており、この二つの章のおかげで、主として西行の数寄と人間に迫るという、ややもすれば甘さに流れてしまいがちな本書全体の叙述を引き締めているように感じました。このバランスが、いかにも白州正子という書き手にふさわしく思えました。

  • 何年か前の大河ドラマ「平清盛」で、私に一番の印象を残した登場人物が、藤木直人演ずる西行でした。
    ドラマで描かれた以上に、自由でふわふわ生きる西行の足跡は非常にきれいだと思いました。

  • さらさらとした文章。「私はこう思う」と言い切るところが小気味よい。
    西行をもっと知りたい、そしてまた白洲正子という人も。

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著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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