名人は危うきに遊ぶ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101379067

感想・レビュー・書評

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  • 以下、読み終えた当時、別サイトに私が寄せていたレビューです。

    まず、タイトルが粋で手にしました。
    そして、『自由に生きることの「孤独」について。とらわれず、ひたすら「在る」ことの充足について。』
    との裏表紙の文章に惹かれ、購入を決めました。
    時折、彼女の奔放な言い様にドキリとするものの、
    本書で語られる観音浄土、能、陶芸、移りゆく四季に、心奪われます。
    読みながら、まだ訪れたことのない場所に思いを馳せたり、
    訪れたにもかかわらず見逃していた一角を惜しんだり、とても楽しませてもらいました。
    また、私の触れたことのなかった能の世界についても、
    とても興味深く読み進めることができました。
    ここには日本の伝統美があります。
    彼女の粋な生活美を垣間見ながら、
    読者である私達も、日本の美に触れることができる一冊です。

  • 白洲正子
    名人は危うきに遊ぶ

    十一面観音、西行、明恵上人、能、青山二郎らとの交友録など 語ったエッセイ。著者の愛したものを網羅しているので、美や人間に対する共通した目線を知ることができる


    著者の美や人間に対する共通した目線
    *美しさは 「遊び」から生まれる
    *自然を敬い、神を畏れ、生者の魂を鎮める自然信仰
    *せめて生きている間は、生きなくてはと思う死生観
    *自由に生きる=孤独な生き方=どこにも属さず、何物にもとらわれず、ただ存在するだけで事足りていた〜風の吹くまま生きること


    夫 白洲次郎 を語った文章を初めて読んだ。死の直前のエピソードは 悲しいが 爽やかさがある


    もう少し ほかの本も読んでみたくなったのは
    *高千穂を天孫降臨の地とする説
    *青春時代の愛読書「古寺巡礼」
    *福原麟太郎 の鋭い言葉の数々



  • 気持ちのいい文体で、随所に面白い知識や経験が散りばめられていて楽しく読めました。
    同じ白洲正子著の西行も読みたい。

  • 白洲 正子さんの様々なエッセイを集めた一冊。晩年のご様子やご自身の最期をどのように考えていたかが伺えます。

  • 「西行」は挫折したんですがこれは読み切れました。「白洲正子自伝」「お能・老木の花」に続き三冊目の白州正子著作。どれも面白いですよ(「西行」は自身の知識の無さ故の挫折だと思う)。
    お能などの伝統や文化や芸事を継承する達人達への幼い頃の教育の仕方を語りつつ、現代の子供達のような育て方では真の個性は磨かれない、といったようなくだりがあって是非お子さんをお持ちの方には読んで頂きたい。
    自由と野生は違う。人としての常識やある程度の知識の詰め込みをしてあげてからはじめてその子供自身が個性を育てていくもの。その通りだと思います。

  • 題名にひかれて。
    白洲さんらしい随筆集でした。
    このかたの文章はどこかしら俗の気配を残していらっしゃる所が魅力のように思います。
    高い精神のあり様を描かれても、なにかしらそこに「茶目っ気」のようなものが漂って。
    それに大胆に実名でことを書かれるのも。
    小林秀雄氏の煩悩。
    なかなか他の人では書けませんでしょう。
    気質の徳とでも言うのでしょうか。
    なかなか読み応えのある本でした。

    • lovefigaroさん
      bluemoonさん
      是非!
      bluemoonさん
      是非!
      2009/06/11
    • Michiruさん
      とても惹かれます。
      とても惹かれます。
      2009/06/11
    • lovefigaroさん
      MakiYさん
      読みやすい1冊だと思います。
      MakiYさん
      読みやすい1冊だと思います。
      2009/06/11
  • 2007年8月22日
    語り口:無駄がない。 内容の密度:高 所要時間:3時間 日本の伝統芸能のことをもっと知りたいと思った。個性偏重の時代を、先ず先人の型を習って少し工夫すべき、という風に指南してあり、救われた感じがした。

  • ほんとうの意味での上流階級というものを垣間見れる。
    私にはとても無理だ・・・

  • (本文より)。。。お相撲の花道も、現在では無意味な空間になっているけれども、昔は「花道」の名が示すとおり、東には葵、西には夕顔の花が飾られていたという。明治になると、菊と桜に変わったが、勝ち力士がそれをフッともいで、髷にさして意気揚々と引きあげて行く。まことに絵のような光景で、相撲は能や歌舞伎より旧い芸能だから、そういう奥床しさを残していたのであろう。。。。

著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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