ほんもの: 白洲次郎のことなど (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 57
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101379159

作品紹介・あらすじ

無秩序、無鉄砲、無制限。疾風のごとく駆け回り「韋駄天夫人」の名を欲しいままにした白洲正子が、時に激しく、時に気さくに綴った26編。お能、骨董、名優への思い、自死した女友だちのこと、そして、白洲次郎、小林秀雄、吉田健一ら猛者たちと過ごした日々――。美しく儚い〈ほんもの〉に満ちた、白洲正子史上もっとも危険な随筆集! 没年に行なわれた阿川佐和子との対談も収録。

感想・レビュー・書評

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  • よかったな。久々にエッセイ読む。
    いろんな昭和の文化人が出てきてよかった、銀座を味わったような、実際に会う以上に実感がわくような感覚。
    出てくる人の本を読んだりしてもそこに期待してるものがないかもしれなくて、こういう本って、その人の視点や慕っている気持ちそのものがすごく読ませるから、もちろんすごい人たちのすごさはあるにしても、今もこうやって白洲正子さんがピカピカの新本で本屋さんに置いてあって読まれているというのが結局すごい。

    でもなんていうか敗戦とか日本とか、そのアイデンティティを守ろうとした人たちの思いっていうのがあふれてて、正子さんも見聞きした人たちからそれこそ実になるくらい食い尽くしたんだろうなと思う。

    人の見方がとても良くて、どれも細やかな愛情に満ちあふれてて、スパッとハラを割ってるようで、でもぜったいに誤解されないように、慎重に慎重に何色にも重ねて話してくれるのがすごくいい。健坊のところなんてまさにそれが出でてよかった。けっして持ち上げることはしない。見たまま思ったままに、その時の世間の空気もぜんぶ含めて描いてくれる。だから公平ではっきりする。すごく見えやすい。ちゃんと正子さんの見方がわかるようにぜんぶ書いてくれるから。

    おもしろくない文というのはその見方を分かってもらおうとする努力をすっぱ抜いて、どうカッコつけたらいいか、どう言ったら評価されるかばっかり考えてるのかな。正子さんはその点、好きな人たちのことを好きだって書いてるだけでどんな評価も求めてないから潔い。そしてその点が評価されてるのかもしれない。

    無駄に持ち上げることは何の評価もしないことと同じくらい愛がないのかもしれない、正子さんの文章には愛があふれてる。こんな人たちがいてよかった。いまはこんな文化が花ひらくことなんてほんとに稀有だろうし、まがいものみたいな場所もきっとコロナでなくなってるんだろうな。

    この人たちが生きていた本の文化、(それだけじゃなくて骨董とか、古典とか、能とか)役割も、もう生きた場所にはないのかもしれない。私も動画をよく見るようになって、本という媒体を見ることにたまに目がびっくりするときがある。読みはじめると入り込めるんだけど。

    だからこんないい本を残してくれて本当にありがとうございます。私もいつか孔雀になって来てくれるようなパートナーが欲しい。そういえば、旦那さんが亡くなったあとに墓のデザインを考え始めたら楽しくなってきた、っていうところにもすごく笑った。教養としてもエンタメとしても本当におもしろく読める本。

  • 19/03/11。

  • 白州正子さん人間模様本。白州次郎率は低いけど、仕事の話は一切されなかったそうなのでそんなものかも。

  • 白洲次郎の家庭内での姿が見えるのが面白い。
    韋駄天と呼ばれるだけあって、全く家庭に収まらない正子さんの生き方にも惹かれるものがあります。
    自分もこういう生き方したいですね。

    #読書 #読書記録 #読書倶楽部
    #ほんもの
    #白洲正子
    #白洲次郎
    #2017年16冊目

  • 2017.1.12

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著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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