- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101379517
作品紹介・あらすじ
ものを書く母親より、おにぎりを作ってくれるお母さんが欲しいと思っていた-。普通の親とは違う両親に対する、幼い頃の複雑な思い。そして後年見かけた、二人がプロ野球中継を観ながら、おもちゃの太鼓を叩き、笛を吹いて応援に興じる、子供のように微笑ましい姿。白洲家の三人目の子供として育ち、晩年まで共に過ごした著者が綴る、懐かしい日々。心あたたまる名エッセイ。
感想・レビュー・書評
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子は親を反面教師としてみたことをやらないように構えるものだが、全てを受け入れるようになるらしい。超多忙な次郎が愛娘に注ぐ視線が優しい。2016.5.1
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白洲次郎・正子の娘である桂子さんが綴った両親の思い出。以前にも著者のエッセイなどは読んだことがあって、その落ち着きのある文章から良家の奥さまというイメージだったんだけど、先日読んだ『安井かずみがいた時代』という本で、ジープを乗り回してキャンティに出入りしていたということを知り、ちょっと印象が変わったところだった。
さて、白洲家というとやっぱり特別な家。お金があるとか家柄がいいとか社会的地位が高いとか、そういう家はいろいろあるけれど、いずれも当てはまるようでいながら二つとないちょっと独特なご夫婦からなる家だと思う。でもこの本を読むと、そのことを二人も、また子どもたちもそのことを自覚していたみたい。親たちは自分たちの流儀が普通とは異なることをことあるごとに言い含めていたようだし、たとえば著者も息子を隣に住む両親のもとにあまり寄せないなど、次郎・正子の普通に染まらないような配慮をしていたようだ。それでいて、スキーに連れていくなど、わりと次郎いいお父さんっぷりを知ることができたのも、正子の面倒見悪いんだけど「らしい」母っぷりを知ることができたのも面白かった。 -
9784101379517 254p 2009・2・1
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白洲次郎は戦後日本の自立と経済復興の流れを築き 正子は詩歌芸能古美術に新しい価値観と美学を築き そして二人は家庭を築いた
白洲次郎はハタチまで兵庫で育ちそこから英国ケンブリッジに行く
ただ彼の性格はまるで英国ジェントルマンのプリンシプルを叩き込まれたチャキチャキの江戸っ子
時に司馬遼太郎の言う「明治という時代人の体質」ともいえるそんな言動の数々は爽快で愛おしい 例えるなら昭和版清水の次郎長か はたまた落語に登場する酒好きな大工の熊さんかと連想は続く
次郎が宿すダンディズムは現代社会においても常に新しく鋭くエッジが効いている エバーグリーン 伝聞だけで心が躍る
そんな次郎さんに劣らず一癖も二癖もある生粋の負けず嫌いの正子さん この二人が事あるごとに巻き起こす痴話げんかの妙たるや思わず笑ってしまう
一周回ってどこにでも有りそうでなさそうな不思議な親子の物語 -
娘が書いていることで、白洲次郎と正子の日常の様子が垣間見える読み物、という点では面白かったが、文章が幼稚(だと私は思った)なので、本当の二人の良いところ、悪いところも含め、魅力が伝わりきってないのではないかと、少々残念に思った。
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白洲次郎好きなんですよねー
かっこいいですよねえ
そんなかっこいいところを見つつ、それと同時に地に足を付けたい、と願っていて(必ずしも成功しているわけではないけれど)、農民やったり、工具を作ったりしている姿が描かれている。
やっぱりかっこいいよねー
ロビンおじと次郎が最後に逢う話は色々なところで読むけれど、なんとも粋で切ない。
好きだなあ。こんな大人になりたいよ。
優しいだけの大人はやっぱりかっこよくないんだよねえ -
「白洲正子自伝」とセットで読む。「正子自伝」ではさすがに照れも入っているのか、正子自身の人間性の本質的なところはぼやかしている気がするが、本著では、娘の立場から、客観的に、時には批判的に書かれているところもあり興味深い。また、ウイットに富んでいて愉しめる。
偉大な両親、ということではなく、等身大の身近な父、母を描いており、親近感が持てるし、心温まるエピソードもある。 -
素顔の白洲家と副題に書かれているが、まさにそんな感じなんでしょう。
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白洲家のこのお二方は、やはりスゴイと思う、そういう本でした。