人生、90歳からおもしろい!―オイドル絵っせい (新潮文庫 や 71-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101381411

作品紹介・あらすじ

おそ咲きにしてもおそすぎた!50代後半で大ブレイクし、後期高齢者となった今は、老人のアイドル「オイドル」を名乗る著者。自作のミュージカル出演のために、病院から劇場へ通って青息吐息。講演会当日の朝、前歯がポキン!日々おそいかかる死神と闘いながらも現役を貫き、縦横無尽に人生を謳歌する。アンパンマンの作者がユーモラスに綴る、創作への情熱、そして生きる喜び。

感想・レビュー・書評

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  • R3.12.11 読了。

     知らない人はいないのではないかと思われるアンパンマンの作者である、やなせたかしさんが高知新聞に掲載されていた「オイドル絵っせい」から編集された1冊。
     生前のやなせさんのお人柄が文章に表れていて、癒されました。人気絵本作家なのに謙虚さや優しさ、地元高知のためにも尽力され、年齢を重ねられても尚ミュージカルや新しい活動もされている姿に勇気をいただいた。
     自分の好きなことを一生をかけて続けていけたら、幸せでしょうね。

    ・「自殺なんかしては駄目だ。人生というのは後半の方がおもしろい。年とってから解ることも多い。童話も年とってから読むとおもしろいよ。そうだったのかと解る。グリムでもアンデルセンでも日本昔話でもみんな奥が深い。」
    ・「おもしろいということは、まず見た目が美しくなくてはいけない。楽しくて感動的でなければならない、とぼくは思う。」
    ・「この世で一番しあわせなことは健康であることだ。しかし病気になってよかったと思うこともある。それは病人の心細さがよく解るようになったことだ。それはアンパンマンの物語をつくる時に役立つ。現代医学の進歩を直接に実体験して取材できる。」

  • 歌い上げるようにリズミカルな文章が心地よいです。アンパンマンの作者なので、イラストもいいですし、80歳を過ぎて、90歳からの人生が楽しいなんて、本当に夢のあるエッセイでした。

  • 読書録「オイドル絵っせい
    人生、90歳からおもしろい!」5

    著者 やなせたかし
    出版 新潮社

    p198より引用
    “ 手塚治虫記念館も長谷川町子美術館も石
    ノ森章太郎記念館もすべて故人になってから
    である。ぼくは生命あるうちに故郷に建てる
    ことができた。これはファインアートの画家
    であっても稀有のことで、望んでもできるこ
    とではない。”

    目次より抜粋引用
    “ピンピンコロリにあこがれて
     老眼可憐のオイドル爺
     見上げてごらんYanase星
     ちいさな親切三角折り
     やなせ小公園育ちの野生の柚子”

     アンパンマンの生みの親である著者による、
    故郷の地方新聞に連載されたエッセイを選ん
    でまとめた一冊。過去他社刊行作文庫版。
     闘病生活についてからアンパンマンの声
    役・戸田恵子さんについてまで、暗くなりそ
    うな話題ですら明るく楽しくイラスト入りで
    描かれています。

     上記の引用は、アンパンマンミュージアム
    創立十周年に触れた話での一節。
    生きている間に評価された上に、ミュージア
    ムも建っているというのは、漫画家冥利につ
    きておられたのではないかと思います。
    しかし、こういう美術館などは、作家が存命
    中に早めに作るほうが、展示する作品が増え
    続けていいのではないでしょうか。どれ程
    ファンが望んでも、お亡くなりになられた作
    家の作品は増えないのですから。
     著者は、作詞・作曲、キャラクターデザイ
    ンからミュージカルと、極めて多方面に活躍
    されていたことが記されています。エッセイ
    ストとしても、読んでいて楽しい気分になれ
    る文章が、とても気持ちいい作家の一人では
    ないでしょうか。

    ーーーーー

  • 有名になるのが遅かったやなせ たかしさん。
    その人が、人生に無駄な時間なんてない。その時間も将来にぜったに役に立つ。みたいなことが書いてあり、力をもらいました。

  • どのエピソードも読んでいて楽しい。
    日本のバラエティー番組の下品さを憂うやなせさん。私もただ過激なだけの内容のものは好きではないし、やなせさんの仰る通り、実際にTVのノリを面白いと思って周りを巻き込むような迷惑な人も見てきたので、やなせさんのように憂いている人がいるんだということに、とても安心した。
    オリンピックの開会式などのスタッフ達のトイレと弁当は大丈夫か?は考えたこともなかった。確かに気になる!

    150520追記
    作者は影の存在、人気があるのはアンパンマンでやなせたかしではない。という考え方が素敵です。
    あらゆる職業に通じる考え方だと思います。

  • 我が子はまだアンパンマンマジックにはかかっていないけれど、時間の問題。かつては私も立派な信者。子供が生まれて目にする機会が増えたのと、このエッセイを読んだのとの相乗効果で、猛烈に今アンパンマンの気分。ほんとすごい人だよなぁ。人生私もまだまだこれからと勇気付けられた。

  • やなせ先生のエッセイを読んだのはこれがはじめて。
    ひょうひょうとした文章が読みやすくて、やなせ先生らしい。
    困っている人がいたら手を差し伸べてどうにかしたいっていうやなせ先生の性格、すごくらしいなぁと思いました。さすがアンパンマンの生みの親です。
    ユーモアと自己嫌悪と謙虚な姿勢が好感を持てました。
    「おもしろいということは、まず見た眼が美しくなくてはいけない。楽しくて感動的でなければいけない」
    この言葉にうんうんと共感。
    こういう風に年を取りたい。

  • やなせさんの文章すきだ

  • 一言一言がすてき。
    挿し絵もかわいらしい

  • 90年は夢みたい、という軽妙なエッセイ。
    絵っせいだから絵も素敵。

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著者プロフィール

1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2022年 『アンパンマンかみしばい③』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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