オイドル絵っせい 人生、90歳からおもしろい! (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101381411

感想・レビュー・書評

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  • 小学校の音楽の教科書に載つてゐた「手のひらを太陽に」。この曲でもつて、作詞の「やなせたかし」さん、作曲の「いずみたく」さんの名を知りました。二人とも平仮名なので、印象に残つたものです。
    時は流れて、「アンパンマン」が人気者になるにつれて「やなせたかし」の名も売れ始めたのですが、わたくしの中では、「どこかで聞いたことのある名前だ」といふ認識で、あの「手のひらを太陽に」のやなせたかしさんと同一人物と気付かなかつたのであります。

    アンパンマンの人気が上昇するにつれ、作者のやなせさんも知名度が上がり、仕事も増え、忙しい日々となつてゆくのであります。しかしその時、やなせさんは既に50代後半。
    『「俺は老人の星なんだ/老いたるアイドル/オイドルだ」/なんて気取っても/年のせいだと許されよ/九十年は夢みたい/さあこれからがおもしろい』(「はじめに」)
    ポジティヴですねえ。年間自殺者が三万人を超えるといふニュースに心を痛め、長生きすればおもしろいことがあるぞと思つてくれる人が増え、結果自殺者が一人でも減ればと願ひ、本書のタイトルとしたさうです。

    本書は高知新聞で連載されたものの抄録といふことです。エッセイについては自信がないと記してゐますが、どうしてどうして。これがすこぶる心地良い文章なのです。ミュージカル、病気、アンパンマン、自作キャラクタア、社会風刺など話題はさまざま。何を語つても、とにかく前向き。抑制されたユウモワに読者の頬も緩みます。文は人なりと言ひますが、一読してやなせさんの温かい人間性が想像できます。

    やなせさんは2013年、94歳で帰らぬ人となりました。しかし、晩年がこれほど充実してゐた人が他にゐるでせうか。最晩年にピークがやつてきた、稀有な人生。読む人のすべてに(一部のひねくれ者を除く)勇気を与へてくれる一冊と申せませう。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-559.html

  • 自分も年を重ねてから、こう言えるようになりたいなーってことがたくさんありました。
    かっこいい人だなぁ。

  • 有名になるのが遅かったやなせ たかしさん。
    その人が、人生に無駄な時間なんてない。その時間も将来にぜったに役に立つ。みたいなことが書いてあり、力をもらいました。

  • あまりにも有名なアンパンマン作者さんの裏の(?)顔を知ることのできる楽しいエッセイ短編集。読んでいて感じるのは、やはり人間としての理想が高い事と鋭い毒も持っておられる事でした。自らを「いい年してみっともない」「ポンコツ」と称しながら、抜群の行動力と根性で人生を楽しんでいるやなせさんはとても素敵です。

著者プロフィール

やなせたかし
1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2019年 『アンパンマンと もぐりん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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