オイドル絵っせい 人生、90歳からおもしろい! (新潮文庫)

  • 新潮社
3.65
  • (7)
  • (11)
  • (13)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 133
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101381411

作品紹介・あらすじ

おそ咲きにしてもおそすぎた!50代後半で大ブレイクし、後期高齢者となった今は、老人のアイドル「オイドル」を名乗る著者。自作のミュージカル出演のために、病院から劇場へ通って青息吐息。講演会当日の朝、前歯がポキン!日々おそいかかる死神と闘いながらも現役を貫き、縦横無尽に人生を謳歌する。アンパンマンの作者がユーモラスに綴る、創作への情熱、そして生きる喜び。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 読書録「オイドル絵っせい
    人生、90歳からおもしろい!」5

    著者 やなせたかし
    出版 新潮社

    p198より引用
    “ 手塚治虫記念館も長谷川町子美術館も石
    ノ森章太郎記念館もすべて故人になってから
    である。ぼくは生命あるうちに故郷に建てる
    ことができた。これはファインアートの画家
    であっても稀有のことで、望んでもできるこ
    とではない。”

    目次より抜粋引用
    “ピンピンコロリにあこがれて
     老眼可憐のオイドル爺
     見上げてごらんYanase星
     ちいさな親切三角折り
     やなせ小公園育ちの野生の柚子”

     アンパンマンの生みの親である著者による、
    故郷の地方新聞に連載されたエッセイを選ん
    でまとめた一冊。過去他社刊行作文庫版。
     闘病生活についてからアンパンマンの声
    役・戸田恵子さんについてまで、暗くなりそ
    うな話題ですら明るく楽しくイラスト入りで
    描かれています。

     上記の引用は、アンパンマンミュージアム
    創立十周年に触れた話での一節。
    生きている間に評価された上に、ミュージア
    ムも建っているというのは、漫画家冥利につ
    きておられたのではないかと思います。
    しかし、こういう美術館などは、作家が存命
    中に早めに作るほうが、展示する作品が増え
    続けていいのではないでしょうか。どれ程
    ファンが望んでも、お亡くなりになられた作
    家の作品は増えないのですから。
     著者は、作詞・作曲、キャラクターデザイ
    ンからミュージカルと、極めて多方面に活躍
    されていたことが記されています。エッセイ
    ストとしても、読んでいて楽しい気分になれ
    る文章が、とても気持ちいい作家の一人では
    ないでしょうか。

    ーーーーー

  • 小学校の音楽の教科書に載つてゐた「手のひらを太陽に」。この曲でもつて、作詞の「やなせたかし」さん、作曲の「いずみたく」さんの名を知りました。二人とも平仮名なので、印象に残つたものです。
    時は流れて、「アンパンマン」が人気者になるにつれて「やなせたかし」の名も売れ始めたのですが、わたくしの中では、「どこかで聞いたことのある名前だ」といふ認識で、あの「手のひらを太陽に」のやなせたかしさんと同一人物と気付かなかつたのであります。

    アンパンマンの人気が上昇するにつれ、作者のやなせさんも知名度が上がり、仕事も増え、忙しい日々となつてゆくのであります。しかしその時、やなせさんは既に50代後半。
    『「俺は老人の星なんだ/老いたるアイドル/オイドルだ」/なんて気取っても/年のせいだと許されよ/九十年は夢みたい/さあこれからがおもしろい』(「はじめに」)
    ポジティヴですねえ。年間自殺者が三万人を超えるといふニュースに心を痛め、長生きすればおもしろいことがあるぞと思つてくれる人が増え、結果自殺者が一人でも減ればと願ひ、本書のタイトルとしたさうです。

    本書は高知新聞で連載されたものの抄録といふことです。エッセイについては自信がないと記してゐますが、どうしてどうして。これがすこぶる心地良い文章なのです。ミュージカル、病気、アンパンマン、自作キャラクタア、社会風刺など話題はさまざま。何を語つても、とにかく前向き。抑制されたユウモワに読者の頬も緩みます。文は人なりと言ひますが、一読してやなせさんの温かい人間性が想像できます。

    やなせさんは2013年、94歳で帰らぬ人となりました。しかし、晩年がこれほど充実してゐた人が他にゐるでせうか。最晩年にピークがやつてきた、稀有な人生。読む人のすべてに(一部のひねくれ者を除く)勇気を与へてくれる一冊と申せませう。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-559.html

  • 亡くなった方ですが、楽しい90代の話。アンパンマンの影響力凄いですねと、90歳凄いとたくさん学びあり

  • 自分も年を重ねてから、こう言えるようになりたいなーってことがたくさんありました。
    かっこいい人だなぁ。

  • 有名になるのが遅かったやなせ たかしさん。
    その人が、人生に無駄な時間なんてない。その時間も将来にぜったに役に立つ。みたいなことが書いてあり、力をもらいました。

  • どのエピソードも読んでいて楽しい。
    日本のバラエティー番組の下品さを憂うやなせさん。私もただ過激なだけの内容のものは好きではないし、やなせさんの仰る通り、実際にTVのノリを面白いと思って周りを巻き込むような迷惑な人も見てきたので、やなせさんのように憂いている人がいるんだということに、とても安心した。
    オリンピックの開会式などのスタッフ達のトイレと弁当は大丈夫か?は考えたこともなかった。確かに気になる!

    150520追記
    作者は影の存在、人気があるのはアンパンマンでやなせたかしではない。という考え方が素敵です。
    あらゆる職業に通じる考え方だと思います。

  • 我が子はまだアンパンマンマジックにはかかっていないけれど、時間の問題。かつては私も立派な信者。子供が生まれて目にする機会が増えたのと、このエッセイを読んだのとの相乗効果で、猛烈に今アンパンマンの気分。ほんとすごい人だよなぁ。人生私もまだまだこれからと勇気付けられた。

  • やなせ先生のエッセイを読んだのはこれがはじめて。
    ひょうひょうとした文章が読みやすくて、やなせ先生らしい。
    困っている人がいたら手を差し伸べてどうにかしたいっていうやなせ先生の性格、すごくらしいなぁと思いました。さすがアンパンマンの生みの親です。
    ユーモアと自己嫌悪と謙虚な姿勢が好感を持てました。
    「おもしろいということは、まず見た眼が美しくなくてはいけない。楽しくて感動的でなければいけない」
    この言葉にうんうんと共感。
    こういう風に年を取りたい。

  • やなせさんの文章すきだ

  • 一言一言がすてき。
    挿し絵もかわいらしい

  • 90年は夢みたい、という軽妙なエッセイ。
    絵っせいだから絵も素敵。

  • 成人してからアンパンマンの偉大さに気づいた自分。
    そんなアンパンマンの作者のエッセイ集。
    それにしても、本当なんでもやってる人なんだと改めて実感。イラストの仕事以外に、作詞作曲とその曲の歌手活動以外に、日本漫画家協会の理事長(現在は会長)というぐらいは知ってたけれども、ビルのオーナーや大家なんてものもやってるのかと。
    ところで、この本を読んでアンパンマンにサンドイッチマンというキャラクターがいるのを初めてしったのだけれども、今年映画にゲスト声優として出演するサンドイッチマンはサンドイッチマン役じゃないんだよね(去年はバナナマンがバナナマン役だった)。
    ところで、第3章で15作目の映画、『ルビーの願い』『怪傑ナガネギマンとドレミ姫』』を傑作といってるのに、第6章で18作目の『いのちの星のドーリィ』『コキンちゃんとあおいなみだ』を"ようやくというか本編、併映作品ともまず佳作に仕上がったと思う"と書いてあることに少し違和感が。佳作と傑作でそうそう意味合いは違わないと思うし。ただ、18作目のほうは、試写会を見た後での感想だから、また違うのかも。確かに、『いのちの星のドーリィ』に比べたら、『ルビーの願い』のほうが全然見聞きしないし。まあ、ドーリィと比較するのも酷か。
    それにしても、本当、やなせさんが若いうちにアンパンマンが大ヒットしていたらどう違っていただろうか。やなせさん自身は、その人気を利用して女に手をだしてたということを言ってるようだけど。

  • あまりにも有名なアンパンマン作者さんの裏の(?)顔を知ることのできる楽しいエッセイ短編集。読んでいて感じるのは、やはり人間としての理想が高い事と鋭い毒も持っておられる事でした。自らを「いい年してみっともない」「ポンコツ」と称しながら、抜群の行動力と根性で人生を楽しんでいるやなせさんはとても素敵です。

  • フットワークも文章のタッチも軽やかで、病気すらもエッセイのネタにして笑い飛ばしてしまう。
    すごいなぁ、こんな大人になれたらなぁと憧れます。

    列席者のにこにこ笑顔を見るのが嬉しくて、表彰式を自分で主催してしまうエピソードがすごく好きです。

  • 高知新聞に連載されていたエッセイをまとめた単行本(フレーベル館,2009)の文庫版。

    1トピック3頁なのでテンポ良くよめる。
    生かされている人生を肩肘張らず「生きている」姿勢が伝わる。
    仕事を断らないのはメジャーヒットが50歳台だからそれまでの仕事の姿勢が継続しているのだろうな。

  • 18番乗り。三省堂書店船橋西武店にて発見。気になる。(2012/9/29)

  • ぜんぶの経験に意味がある、とわかっていても、辛い時に未来を描くのはとても難しいことです。そんな気持ちをやなせさんはそっと汲んでくれて、ふっと笑わせてくれる。人生、90歳からが面白いなんて言われたら、そして本当に輝いているやなせさんを知ったら、今の自分に向き合える気がしました。今は必ず未来に向かって流れている。

  • よみやすいけれど同じようなエッセイのくりかえし。半分読んでやめた。

  • 姪っ子の影響で、最近アンパンマンに興味がありまして。
    ふと目に入ったのがこちらの文庫でした。
    文章はさることながら、内容も分かりやすくて、ほっこりします。
    年配の方の著書は何かと文章が難しく取っ付きにくく、苦手だったのですが、若々しい文体に文字を追うスピードが落ちる事は無いでしょう。

    優しい優しい文章に、今日も私は癒されるのです。

    ♪みんなが大好き、アーンパーンマーン♪

全21件中 1 - 21件を表示

著者プロフィール

やなせたかし
1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2019年 『アンパンマンと もぐりん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

オイドル絵っせい 人生、90歳からおもしろい! (新潮文庫)のその他の作品

やなせたかしの作品

オイドル絵っせい 人生、90歳からおもしろい! (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする