下町不思議町物語 (新潮文庫 こ 54-1)

著者 :
  • 新潮社
3.92
  • (134)
  • (180)
  • (122)
  • (19)
  • (4)
本棚登録 : 1469
感想 : 170
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101381619

作品紹介・あらすじ

西の方から転校してきた小学六年生の直之。病気のせいで体が小さくても、方言をからかわれても、母親がいなくて厳しいおばあちゃんに辛くあたられても、挫けない。彼が元気なのは、路地の向こうの不思議な町で、師匠とその怪しい仲間が温かく迎えてくれるから。でも、ある日、学校でのトラブルがもとで直之は家出する。おばあちゃんとお父さんは、直之との絆を取り戻せるのか…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 路地の向こうの不思議な町――ああなんて素敵な響き。
    大好きな柏葉幸子さんの『霧のむこうのふしぎな町』を思い出させるキィワードにまず惹かれて手にしたのだけど、読んでよかった。

    主人公の直之は大阪から転校してきた小学6年生。
    大きな病気のせいで、成長の遅れがあるが毎日を元気に過ごしている。
    彼の元気のモトは不思議な町の不思議な住人たち。
    なかでも同じ関西弁を話す高塔を「師匠」と呼び、懐いている。
    常に着物に煙管の彼の肩書きは修繕屋(リペアラー)。

    師匠の家には不思議なモノがいっぱいで、なんとトトロ(小)までいる!
    ネコバスならぬネコ○○も出てくる!!

    毎日通ってくる直之を受け入れる高塔がとても自然で、注がれる眼差しは温かい。
    直之が自身の遅れ(読み書きがニガテ、食事が遅い、食べ物をこぼすなど)を気にしないようにかける言葉がどれもさらりとしているのに優しい。
    また直之も素直で何事にも一生懸命で、かわいい。

    「不思議な力で解決☆」だけではなく、高塔・花野・クラスメイトたちのちゃんと直之を見ているからこその言葉を聞き、祖母と父親がいかに自分たちが直之に向き合っていなかったかに気付く、というのがよかった。

    他のシリーズとも繋がりがあるようなので、そちらも読んでみたい。

    • 九月猫さん
      あやさん、こんばんは~♪

      主人公の直之クン、すっごくいい子なんです!
      明るくて元気で、何よりもすっっっごく素直で!!
      表に出さない...
      あやさん、こんばんは~♪

      主人公の直之クン、すっごくいい子なんです!
      明るくて元気で、何よりもすっっっごく素直で!!
      表に出さないだけで淋しいだろうに、って思うと、
      健気さにぎゅうっって抱きしめてあげたくなります。

      『霧のむこうの―』を連想したのに、
      千と千尋ではなくトトロだったでござるよ(^-^;)
      トトロに関する言葉、やたら出てきますよ~ぉ。
      ジブリに怒られないの?!って心配になりました(笑)

      ネコ○○(○の中になにが入るかは読んでのお楽しみ♪)には
      直之と同じように「ぶはっ」と吹き出しました。
      悲しいお話ではないので、あやさんもぜひぜひ♪♪♪

      香月さんの本、実は初だったのですけど
      今までなんで読んでないんだろう?!と思うくらい好みでした。
      おススメあったら教えてください~ヽ(´▽`)ノ
      2013/04/03
    • 山本 あやさん
      九月猫さん、こんにちにゃー♡

      ジブリに怒られちゃうほどのやたらの登場楽しみですー![笑]
      香月さんの本って、毎回すごく描写がステキで
      それ...
      九月猫さん、こんにちにゃー♡

      ジブリに怒られちゃうほどのやたらの登場楽しみですー![笑]
      香月さんの本って、毎回すごく描写がステキで
      それを読むだけでも幸せになっちゃいのすー[*´▽`*]

      1巻を読んであまりにおもしろすぎて、
      今後の楽しみに…と2巻以降と別冊の本やレシピを
      今は封印してるですが[笑]「妖怪アパートの幽雅な日常」は
      このアパート絶対住みたいっっってほどに
      人間関係もステキだし、アパートのすべてがステキで、
      妖怪さんもいっぱい出てきて、まかないを作ってくれる
      妖怪さんのお料理がこれまたたまらなくいいんですー♡
      苦しくなるほどの切なさも詰まってるんですが
      みんなのあったかさが最高なんです~♡全10巻と長いのも
      うれしいです。1巻しか読んでないですが[笑]

      他にも、大江戸妖怪かわら版シリーズ、
      僕とおじいちゃんと魔法の塔シリーズ、もおもしろいんですが
      どれも長いシリーズで、下町不思議町物語と同じように
      シリーズもの以外では「桜大の不思議の森」が
      九月猫さんもすごく好きな世界だと思いますーっ[*Ü*]
      この本もトトロみたいな世界で、昭和のいい日本の
      原風景がいっぱいに広がっていて、自然と生きる素晴らしさや
      優しさがぎゅっと詰まっていて感動しました♡

      ネコ○○!!!すっっごい楽しみですっっ。
      早速、週末に買ってきますーー[*´▽`*]♡
      2013/04/04
    • 九月猫さん
      あやさん、こんばんにゃ~♪

      おススメありがとうございます!
      「大江戸妖怪かわら版」には師匠こと高塔さん
      (正確には同じだけど別人?...
      あやさん、こんばんにゃ~♪

      おススメありがとうございます!
      「大江戸妖怪かわら版」には師匠こと高塔さん
      (正確には同じだけど別人?らしいです)、
      「妖怪アパートの――」には古本屋さんが出ているらしいので
      近いうちに読んでみたいなー、でも長いなー、と迷っていたのです。
      んがっ、あやさんの熱い紹介で「妖アパ」読みます!絶対読みます!!
      お料理がおいしそうっていうのがまたそそられるじゃあないですかーっ♪

      「桜大の不思議の森」、こちらも読むぞリストに書き込んでおきますっ!
      調べたいことはとりあえずwikiるんですが(笑)、
      「桜大の不思議の森」はwikiに載ってなくて、で、
      香月さんのHPに行ってみたらすっごくたくさんの作品がっ!!

      まだまだ読んでない香月さん作品がこんなにあるのが嬉しいような、
      先行きが長くてたいへんなような……
      当然、楽しみのほうが大きいんですけれどね(* ̄∇ ̄*)ふふっ。

      ほんとにおススメありがとう~~♪♪♪
      2013/04/05
  • さすがの香月ワールド炸裂です。
    妖怪アパートからのファンなのですが、薄くてサラッと読めてしまう上に、登場人物に…あ、あれっ?!見覚えが( •̀ .̫ •́ )✧

    短期間ではありますが主人公の少年の成長と、少年の心の素直さに周りの大人がどんどん引き寄せられて行く気持ち良さ!笑
    そして、少年を温かく見つめる不思議町の面々。

    ほんっとに、香月ワールド大好きです(≧∇≦)

  • お話としてはファンタジックで、挿絵マンガな感じで、著者の「妖怪アパート」シリーズのちょっと児童向け版みたいな感じでしょうか。
    ところどころに宝石のようにいいセリフが散りばめられています
    「お化け屋敷にて」で高塔さんの言う言葉がとても印象的でした。
    主人公の少年にある、ちょっとした事情による人との違い、に対して「そういう事情を察するのは相手の仕事。頭のいい奴はなにか事情がありそうだとわかってくれる、頭の悪い奴はお前が説明してもわかってくれない、だから自然なままで堂々としていろ」と。
    確かに説明しないと、相手のことを思いやれない人に、いくら言っても伝わらないのかも知れません。
    非常に私の勇気になったセリフでした。

  • 978-4-10-138161-9 c0193¥430E

    下町不思議超物語

    新潮文庫 こ-54-1.

    平成24年2月1日 発行 (2012年)
    著者:香月日輪(こうづき ひのわ)
    発行所:株式会社新潮社

    ※この作品は2007年8月に岩崎書店より刊行された。

  • 児童文学を手がけておられるとあって、あっさりとしていて読みやすかったです。ほっとできる居場所があるのは大切なことだなと思いました。

    キャラ設定は濃いめですが、くどい言い回しが無く心地よく読めました。

  • はからずもゆうれい物を二冊続けて読んでしまった。
    夏だから?
    まさかね。
    お化け屋敷やホラーは苦手だし。

    しかし主人公の直之くん、いいキャラだね。
    お父さんよりオトナかも。

    この前に読んだ「ゆうれい居酒屋」は新小岩が舞台だが、高塔さんの家もそのあたりだろうか。
    下町、というだけで思い浮かぶ景色や人情、昭和レトロは現代日本人の心のよりどころかも。

  • 不思議な町に毎日通う小学生の話。

    本を開いての第一印象は「字でかっ」でした。
    薄いしこれはサクサク読めそうだと思ったら一時間程度で読めてしまった。

    けれど本の薄さに反して内容は薄くない。
    いや、ここで家族が良い感じになるのは児童書だからね、て思ったけれども。
    心地好い読後感で朝から良いものを読ませていただきました。
    (通勤中に読んでいました)

    最後も主人公の問題(?)が解決したから不思議町には行けなくなってしまうと思ったんだけど、そんなことはなく。
    継続しているようです。

    解説によると他作品と繋がる部分があるんだとか。
    気にして読んでみることにしようかな。

  • ようやく私も香月ワールド旅行者デビューです!!
    高塔師匠がとにかくカッコイイ!! 色々喋るけど言葉を一番選んでいる素敵なキャラクターです(あと表紙もかっこいい)。
    ただの不思議な町! だけでなく、家族の絆もテーマで確かにトトロ的な要素もありました(笑)
    続編出る説が本当なら、なんぼでも待ちます!

  • まさか妖怪アパートのあの人が登場するとは!誰が出てくるかって?それは読んでからのお楽しみですよ!

  • 読み終わりました!…良かったです。:゚(。ノω\。)゚・。
    今まで香月日輪さんと村山早紀さんの作品を読んでいて気づいたのですが、
    意外な共通点を発見してしまいましたo((〃∇〃o))((o〃∇〃))o
    それは。。

    香月さんの作品も村山さんの作品も、どちらも
    この作品にあの作品の登場人物がいて、この作品にはあの人がいる…この人もいる!!!と
    本を読むたびに嬉しい発見があることです♡♡

    妖かし達や不思議な人々と人間が暮らす物語!!
    不思議な物語なところも似ています////
    二人の作家様のどちらの作品も読み終わった後は
    温かい気持ちになります(〃^ω^〃)


    さて。。ここからは本の感想を(笑)
    古本屋さんが出てきたときは驚きました!
    もしかしてと思ったら、やっぱりそうみたいで嬉しかったです♡他にもあの人物も!

    解説を読んだら…高塔さん。。
    『大江戸かわら版』にも出てたっけ??
    これから出てくるのかな?それとも見逃しちゃったとか!?
    謎が残りました(笑)

    実は最初。。表紙を見たら、髪型が雀に似ている!
    大きくなった姿かなと思ってました(∀・;)
    違うんですね。。


    大阪弁はやっぱりイイですね!
    久しぶりに本の中で大阪弁を喋る人に出会いましたww
    あさのあつこさんの『The MANZAI』以来です////

    大阪弁といえば。。
    コブクロさんのお二人を思い出します♡


    イラストが時々出てて嬉しかったです!
    3話は。。カカシ先生か!?と突っ込まずにはいられなかったです(≧ω≦。)プププ

    この本。。続編出るのかな??
    出るかもしれないと書いてあったけど、もし出たら嬉しいな♪
    カカシ先生みたいな謎な男の人や高塔さん…
    読んでいて、もっと登場人物のことが知りたくなりました!

    人間関係もこれからどうなっていくのか気になりました(〃▽〃)
    喫茶店に香月さんの作品の中から、古本屋さん以外にも
    意外なお客さんがこれからどんどん増えてきたらもっと嬉しい~♪
    ポーとか絶対いそう(≧ω≦。)プププ
    猫のいる喫茶店に猫が。。

    …なんて想像をしてしまいましたww

全170件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

和歌山県生まれ。本シリーズの第1作目で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。「ファンム・アレース」シリーズ(講談社)「大江戸妖怪かわら版」シリーズ(理論社)など、YA(ヤングアダルト)小説の作家。

「2023年 『妖怪アパートの幽雅な日常(26)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

香月日輪の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×