さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2012年1月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784101382517

感想・レビュー・書評

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  • 花田菜々子さんが、土屋さんにすすめた樋口毅宏の本。

    いろんな意味でムチャクチャ。
    楽しめたけど、中身は何もない。

    電子書籍で読んだのだが、登場人物の像が驚くほど頭に残らず、検索機能を重宝した。
    不思議な、未だ嘗て経験したことのない読書経験だった。

    …disっているわけではない。
    ある意味、賛辞を重ねているつもり。

    …惨事ではなく…笑

  • エンターテインメントとしてレベルが高い。
    脳天撃ち抜かれた。

  •  町山智浩氏がブログで紹介していたのを読んで、手を伸ばしてみた本。著者は『ブブカ』などの編集者を経て、本作で小説家デビューを果たした人。

     いちおうハードボイルド・ミステリの体裁をとっているが、定型に収まらない独創的な作品である。

     馳星周と原りょうへのリスペクトから生まれた小説とのことだが、2人の作風は同じハードボイルド系とはいえ水と油ほど隔たっているわけで、本来なら両者のテイストを併せ持った作品など生まれようもない。にもかかわらず、本書には馳星周風のノワールなエログロ・バイオレンスと、原りょう風の都会派ダンディズムが違和感なく共存しているのである。

     ただし、「馳星周と原りょうを足して二で割ったような小説」という言い方では、まだ本作の魅力の半分しか表現し得ない。巻末に開高健、タランティーノ、つかこうへい、高倉健、渋谷陽一、松本隆etc.からの影響が表明してあるように、ジャンルを超えたカルチャー要素がごちゃまぜに取り入れられ、パロディとパスティーシュがちりばめられた、おもちゃ箱のような小説なのである。

     たとえば、ストーリーの流れとはまったく関係なく、登場人物の1人が“オザケン(小沢健二)こそ史上最高の音楽家だ”と、延々と自説を熱く語る部分があったりする。そして、そのようなペダンティックなこだわりのくだりが、じつに面白いのだ。

     巻末のリスペクト・リストには出てこないものの、私は、矢作俊彦のディレッタンティズムと、戸梶圭太のスラップスティックなセンスからの影響も強く感じた。

     ストーリーはかなり強引でムチャクチャだが、一気に読ませる力量はなかなかのもの。何より、すっかり定型が完成されたかに見えるハードボイルドというジャンルに、なお新しい方法論を見出した点が、この著者のスゴイところだ。巻末で予告されている続編『雑司ヶ谷R.I.P.』にも期待したい。



  • 初めて呼んだ著者だが、中々面白い一冊でした。
    石田衣良の『池袋ウエストゲートパーク』シリーズと伊坂幸太郎の『グラスホッパー』シリーズを足して二で割ったような感じかな。
    何処と無く『TOKYOトライブ』を彷彿させる。
    舞台は東京、雑司ヶ谷。
    町を支配する巨大宗教団体の跡目の主人公、男色の中国マフィア、手で耳を引きちぎられるチンピラ、科学技術で人工的にゲリラ豪雨を降らせる中国人。
    本書の随所で、何処かで見聞きしたことのある場面が点在する。こんなにパクって大丈夫かと思ったが、驚くべきことに巻末に作者が影響を受けた作品、小説、映画、音楽などが列記されている。
    パクりのツギハギじゃ、安っぽい仕上がりになるが、そこは著者の技量がなせる業だろう。
    久しぶりに当たりのエンタメ作品でした。

  • 雑司ヶ谷を仕切る宗教団体の後継者が中国から帰ってみれば、地元は様変わりしておりました。幼馴染みの女性は母となり、親友は殺され、その組織は乗っ取られ、対立する新興宗教があらわれ、安全だったはずの雑司ヶ谷で集中豪雨による事故がおき。「人の命は金で買えるし高い・安いも存在する」という価値観の元、主人公はいかなる行動に出るか?
    雑司ヶ谷の立地や構造をそのままに、パラレルワールドで起きていることのようです。タランティーノやキューバのゾンビ映画が作り物でない世界ならこうだろうなと。身体的、精神的暴力で話が進んでいきますが、不謹慎という感じはしません。お腹が空いたから食べる、眠くなったから寝る、邪魔だから殺す。それくらい自然。巻末を見ますと著者が影響を受けたものがズラリと並んでまして、好きなものを突き詰めて、それを一つにまとめて再構築したらこうなったんだなぁと妙に納得いたしました。二次創作っぽくならずにちゃんとした世界に作り上げるのは、元ネタの本質をつかんでないと難しそうですがうまくまとめてます。現実味を排除してここまでフィクションならこういう世界もありか、と思わせる。それはそれですごいと思うけれど…映画化されても見たいとは思えません。やっぱりグロいことはグロい。

  • どこかでこんな話を読んだことあるなぁ、と思っていたら最後にずらずらっと参考文献(?)が。そうかそうかやっぱりね、と。

    勢いよく書かれているので勢いよく読むのがいいと思う。
    それにしても雑司ヶ谷、怖い街なんだな。
    そしてオザケンの歌詞、そんなに素晴らしいものだったとはな。

  • すべてをなぎ倒して突き進む面白さ!読み止められない!

    巻末の解説が、町山智浩・水道橋博士両氏であるという豪華さ。お墨付きの過激なコメディです。

  • 暴力的で読み進められなかった。。。。

  • ずっと読みたいと思っていたら、愛しのブックオフで発見。

    ハードボイルド小説なのだが、ぶっ飛び設定。

    下水道で人を流しちゃうとか、中国マフィアが日本の雑司ヶ谷まで突然追いかけてきたりとそれはいくら何でも滅茶苦茶じゃない?と思いながらもそれなりに楽しく読めたので、そこまで悪くないのだと思う。

    続編もあるようだが、積極的に読みたい程ではない。
    星は3つ。3.3としたい。

  • 20240526
    表紙は誰だ?
    勢いが全て!で単純に面白い作品
    巻末の影響を受けた一覧の、ど根性ガエルがどこなのか悩んだ

  • 樋口氏の作品はこれで三作品目。
    これまで読んできたところですと、彼の特徴といえば、どぎつ目なエログロといったところ。

    「日本のセックス」ではスワッピング狂の旦那に嫌々連れていかれるうちに欲情してくるその妻の心情を描いていました。性描写がどぎつ目。

    「民宿雪国」ではその民宿のおやじの実相を複数の取り巻きの視点から描写し、善人の顔から残酷な人殺しまで、ピンキリの描き方といった様子。殺人がどぎつ目。

    ・・・
    そして今回のさらば雑司ヶ谷。

    今回も性描写も暴力もどぎつ目だったかもしれません。ただし今回は男と男の方。

    というより、まあ設定がぶっ飛んでいてですね・・・。生まれも育ちも雑司ヶ谷。そこを根城にする強力な新興宗教の跡取りが主人公です。カラーギャングよろしく街を牛耳り、悪事を行い(教祖の力でもみ消し)、そしてちょっとした義憤が原因で中国へ人探しに。その後セックスとシャブ漬けになるも命からがら帰ってきて・・・なんて話でして。

    でも、そんな話ですが、意外と(失礼)面白いのですよ。

    パルプフィクション的な安っぽさ・ばかばかしさ、でしょうか。主人公が拷問シーンを「Qタランティーノというよりたけし軍団」と場景を自らネタばらしして語るあたりは技ありでしょう。

    この作為的安っぽさは、舞城王太郎氏の「土か煙か食い物」を想起させます。
    ああいうのが好きな方は、本作も楽しめると思います。

    ・・・
    他にも、巻末に水道橋博士や町山智浩氏がことばを寄せているのですが、時代のアイテムへのオマージュ的伏線に富んでおり、お笑いやテレビ(たけし軍団)、映画作品(タランティーノ)、音楽(小沢健二)等、刺さる人には刺さるような伏線がちりばめられています。

    因みに私は、雑司ヶ谷、にぐっときました。
    近くに住んでいました。というか池袋ですが。

    今から二十年前ほど、雑司ヶ谷といえば、池袋からほど近い都心のど真ん中にあって、取り残されたようにたたずむ下町という雰囲気でした。居所の最寄り駅の池袋は、駅から降りると風俗の呼び込みがあったり、夜勤で深夜に帰ると馬乗りで喧嘩とかしている風景を目撃してしまったりするバイオレンスな町。ところがその池袋から15分も歩くと、駄菓子屋や木造家屋がたくさん残っているような街が雑司ヶ谷でした。雑司ヶ谷(鬼子母神)の助産院で初めての子どもを授かりました。

    ・・・
    ということで、樋口氏のバイオレンスあふれる作品でした。

    エログロ系が大丈夫な方、下品なユーモアを許容できる方にはお勧めできると思います。

  • ジェットコースターバイオレンス。小説だけでも面白いが、これをもっと楽しめるエンタメ教養があったらなぁと思う。

  • f.2023/5/24
    p.2023/5/10

  • 中々の読み応え、一気読みでした。

  • 有無を言わせず、めちゃくちゃに突き進む展開。
    最初は主人公に何の同情も抱かないが、徐々に主人公がいいヤツに思えてくる。
    花村萬月さん好きならはまりそう。
    続編を読みたい。

  • 雑司ヶ谷、どれだけ怖い街なのと笑ってしまう
    IWGPやタランティーノをオマージュしつつ、どこまで本気なのか冗談なのかわからないテイストを貫いているのがすごい

  • 小沢健二とタモリのくだりがとても好きだ。
    私もタモリしかり、オザケンの「さよならなんて云えないよ」の歌詞が好き過ぎる。人生を真っ向から肯定してる、って表現がタモリらしくて素晴らしいな。

    ほんで、このオザケンのくだりは本編とほとんど関係がないっていうね。

  • ブッ飛びまくった内容と展開、数多くの文化的要素にニヤけながら抵抗不能で振り回され続け頭はすっかり疲れまくりつつ脳内からは何かがドバドバ分泌されて読む事を止められない自分を「アイツはもうダメだな」と誰かが言ってる妄想に取り憑かれ、結局また本の世界に逃げ込む事になる

  • 『岬の兄妹』の試写会のトークショーで著者にお会いして、その軽妙な語り口が気になったのが本書を手に取ったきっかけ。
    個人的にたまたま雑司ヶ谷を何度も訪れた経験があったこともそれを後押しした。
    豊富なサブカルの洪水にハードボイルドとコメディがもみくちゃにされていて、なんとも不思議な味わい。
    評価することが評価されるような緊張感があった。

  • バイオレンスとエロと映像化したら多分グロと、キャラや事件も含めてよくも集めた。極端なところがフィクションを感じたり、返ってあるかもと思ったり。もう少し、柔らか当たりであれば、好きな部類に入ってきたかも。

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著者プロフィール

1971年、東京都豊島区雑司ヶ谷生まれ。出版社に勤務したのち、2009年『さらば雑司ヶ谷』(新潮社)で小説家デビュー。2011年『民宿雪国』(祥伝社)が山本周五郎賞と山田風太郎賞の候補作となり話題に。著書に『日本のセックス』(双葉社)、『テロルのすべて』(徳間書店)、『二十五の瞳』(文藝春秋)、『タモリ論』(新潮新書)、『ドルフィン・ソングを救え!』(マガジンハウス)、『無法の世界』(KADOKAWA)、『凡夫 寺島知裕。 「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)などがある。

「2025年 『中野正彦の昭和九十二年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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