文士の魂・文士の生魑魅 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 82
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101385150

作品紹介・あらすじ

人の苦痛が一ト時の慰めを求めて手を伸ばすもの、それが文学。毒蛇になって人に咬みつくもの、それが作家。「文学の魔」に憑かれた著者が自らの読書遍歴を披瀝、作品百篇を取り上げその魅力を縦横無尽に語る。近代日本ベスト・スリーは「明暗」「流れる」「楢山節考」。そして青春小説、伝記小説、エロ小説の傑作とは?反時代的小説作家による文学の秘密と毒に満ちた危険な読書案内。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は文士たる最後の世代なのかもしれない。

  • 2013/3/14購入
    2013/8/5読了

  •  「最後の文士」と言われる、車谷長吉の小説評論でもあり、また小説入門でもある。
     言うまでもなく、小説には多くのジャンルがある。例えば、青春小説があり、歴史小説があり、宗教小説があり・・・と、枚挙に暇がないくらい、多岐に渡っている。これは小説を様々のジャンルに分けて、車谷が気に入った小説をジャンルごとに紹介していく形式を取っている。
     こんなことを言うと釈迦に説法なのだが、車谷長吉は、小説のジャンルを全て読みつくした作家である。それも、かなりの量を読んでいると察する。そうでないと、これだけジャンルを分けて、濃密な小説紹介は出来ないだろう。
     私も、数多くの小説を読んでいるつもりだったが、やはりプロが読むと、こんなに小説が輝く読み方があることに驚嘆させられる。そう思う度に、過去に読了した小説を、また読み返したくなるのである。

  • 「ふるさとは泣きぼくろのようなものだ」はなかなか良い。田辺聖子の文章もいい。もっと良いのは、池内紀や蓮実重彦や出口裕弘などの学者先生の小説の「へたさ加減」にうんざりしているという記述。目下の文学状況(もうそんな言葉自体ないが)であるから、とことん性根から文学やってほしいとも思う。

  • やっぱり私はこういう粋な厭世家が好きだ。
    大事なのは魂!

    日本の文学小説についてそれぞれのテーマで3冊ほどを挙げて紹介している読書エッセイ。(エッセイなのか?)

  • 本当は、「赤目四十八瀧心中未遂」を買いに本屋に行ったのですが、見当たらなかった為、こちらを手にしました。作家の人でも他の作家が書いた本に関しての批評を書く場合がありますが、この人はなかなか捻くれた批評を書くようです。まぁ、挙げる本はどれも誰もが知っている本ですが、その中でも森鴎外の本に関しては結構酷評な気がする。まぁ、それが結構面白く、思わずその本を手にとってみようかと思わせるのですが。そして、気に入っているのは、文体がひと昔なので味わいもあり、その各作品の一部を引用する場合も現在の現代語訳にしていないのがなかなかいいんですよね。なにを読もうかなどと思ったら、手にとってみるのもよしですな。

  • 車谷さんの小説に対する考え方がすごく好き。幸田文の本に出会うきっかけとなった本。他の著者の本も少しずつ制覇していきたい。

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著者プロフィール

車谷長吉

一九四五(昭和二〇)年、兵庫県飾磨市(現・姫路市飾磨区)生まれ。作家。慶應義塾大学文学部卒業。七二年、「なんまんだあ絵」でデビュー。以後、私小説を書き継ぐ。九三年、初の単行本『鹽壺の匙』を上梓し、芸術選奨文部大臣新人賞、三島由紀夫賞を受賞。九八年、『赤目四十八瀧心中未遂』で直木賞、二〇〇〇年、「武蔵丸」で川端康成文学賞を受賞。主な作品に『漂流物』(平林たい子文学賞)、『贋世捨人』『女塚』『妖談』などのほか、『車谷長吉全集』(全三巻)がある。二〇一五(平成二七)年、死去。

「2021年 『漂流物・武蔵丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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