マザーネイチャーズ・トーク (新潮文庫 た 59-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101387215

感想・レビュー・書評

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  • それぞれに興味深い対談であったが、特に服部勉氏との微生物をめぐる対談がおもしろかった。
    インタビュイーからどれだけ専門的な話を引き出せるかは、インタビュアーの手腕に負うところが大きのであるが、立花隆の専門的なツッコミに、つい聞き手が素人であることを忘れて、自分の研究領域について語り出すところが、いかにも痛快である。

  • 購入: 2003年12月7日
    読了: 2022年5月31日 中々面白かった。

  • 1997年頃 読了

  • 立花隆が、第一線で活躍する7人の科学者たちへのインタビューを試みた本です。

    対話相手となったのは、サル学の河合雅雄、動物行動学の日高敏隆、惑星科学の松井孝典、免疫学の多田富雄、精神分析学の河合隼雄、植物学の古谷雅樹、微生物学の服部勉。

    多田富雄や河合隼雄といったエッセイの名手としても知られる科学者たちのインタビューは、話題が硬軟多岐にわたってたいへんおもしろく読めます。他の科学者たちも、専門領域の観点から、唖然とするほどスケールの大きな話が展開されることがあり、科学的なものの見方が切り開いてくれる展望をかいま見ることができた気がします。

  • 内容の古さはさしおいても、これは良書。

  • 立花隆さんが様々な研究の最先端にいる科学者7人に話を聞いていくという対談集。

    これから研究が始まるという私にとってはとても刺激的で面白かったです。
    このような本を読むと、研究が楽しみになってきます。

    個人的に印象に残った言葉。
    ●動物行動学者の日高敏隆さん
    「要するに生物の世界というのは、太陽エネルギーが地球の表面でしばらく遊んでいるわけですね」(P84)
    ●惑星科学者の松井孝典さん
    「この宇宙は認識するものがあるから存在するんだ」(P153)
    ●精神分析者の河合準雄さん
    「『ヒューマン・ネイチャーはアゲンスト・ネイチャー』ユングの言葉」(P223)
    「全力をあげて何もしない」(P229)
    ●微生物学者の服部勉さん
    「微生物ウォッチング」(P367)

    もちろん、ここであげた以外の人達の話もとても面白かった。

    たいてい私が読む立花さんの本は10年か20年前の本なので内容が古い。
    これの現代版があれば、必ず買うのになぁ。

  • (1997.04.20読了)(拝借)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    ヒトとサルはどのぐらい違うのか?生物の進化はいかにして起こるのか?地球外にも生命はいるのか?人間の「自己」はどう維持されるのか?心はなぜ病むのだろう?植物の起源と本質は?微生物の真の姿は?―世界とは、人間とは何かを問い続ける立花隆と、その道の権威である7人のサイエンティストが、母なる自然の奥に隠された謎を次々に語り明かす「科学」対話集。

    ☆関連図書(既読)
    「サル学の現在(上)」立花隆著、文春文庫、1996.01.10
    「サル学の現在(下)」立花隆著、文春文庫、1996.01.10
    「知の現在」立花隆著、日本放送出版協会、1996.07.01

  • 自然にはぐくまれた生命そして脳。
    様々なことが生まれる。

    立花隆は、あとがきでいう。
    「自然は、花鳥風月の世界であり、
    もののあはれを感じとるべき世界なのである。」

    「日本の自然愛好家たちは、
    自然を感覚情緒的に楽しむのがもっぱらで、
    知的に楽しもうとはしない。」

    「個々の自然現象の背後にどんな原理が
    働いているのかを知りたい。」
    という
    「分析的な原理原則の追求という方向に
    向かう人はきわめて少ない。」

    ここに登場する7人は、きわめておもしろいひとたちであった。

    1、自然を考える 河合雅雄 サル学

    「自然、ネーチャーというときに、
    生命抜きの自然と、生命を含んだ自然がある。」

    「現実には、葦の髄から天井を見て
    議論しているだけという人が増えている。」

    シートン「動物記」様々な動物が人間的に描かれている。

    「我々の肉体を構成している元素も
    もとは宇宙全体の物質の進化の過程で
    生まれてきたもので、
    つまりいつかどこかで起こった大爆発によって
    宇宙に飛び散っていったものが
    再び集まってきてわれわれの肉体になっている。」

    「親子の愛情というのは、
    サルの中にいくらでも証拠が挙げられるし、
    実際に見られます。
    しかし異性間の愛情というのはない。」

    インカは、ピサロに攻められるが、
    そのとき神様が白い馬に乗って助けにくる
    と信じていたために彼らはたたかわなかった
    そして、ほろびた。

    2、ナチュラル・ヒストリーのすすめ 日高敏隆 動物行動学

    ファーブル昆虫記を書いたのは、第1巻が、55歳の時であり、
    第10巻が83歳という。実にすごい話である。

    蝶の道 蝶の感覚器官は、光に敏感なようにできている。
    虫なら虫がいたときに、こいつ何のために
    こんなことをしているのかという発想。

    ナチュラルヒストリー。
    蜂は刺すと死んでしまうが刺してしまう。
    なぜか。

    モノジーン(単一遺伝子)で発想するのと
    ポリジーン(複数遺伝子)で発想する。
    生物のコンシステンシー(一貫性)

    3、宇宙から見た地球 松井孝典 惑星科学

    「21%の酸素」もあるのは、異常である。
    しかし、生物には最適濃度となっている。
    火星の大気中の酸素濃度は、0.13%である。
    地球の海の量は、0.03%くらいしかない。
    天王星や海王星は、水が50%ととなっている。

    宇宙は、結局知性を生むように進化している。
    認識主体というのは、いろんなところに生まれている。

    4、免疫という名の自己を守るシステム 多田富雄 免疫学

    5、心という領域 河合隼雄 精神分析学

    神経症と精神病は違ってくる。たがをはずす。
    祭りが必要になってくる。
    夢ー「夜見るもの」と「心に描くもの」との違い。
    イメージ・ジェネレーター
    人格のインテグリティ  無感情症候群

    6、植物の本質 古谷雅樹 植物学

    7、もう一つの「未知」微生物

    単眼思考ではだめである。複眼思考をすることである。
    モノジーンではなく、ポリジーンでなければならない。

  • 立花隆氏の知識の量と質問力に脱帽!
    それに、専門家たちの並びが秀逸!

  • 立花隆さんが、昆虫学者の日高敏隆さん、惑星科学者の松井孝典さんたちと話しています。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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